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篠崎ミズホの冒険 クロと闇の冒険物語  作者: 旅立 マス
第1章 少女と闇は出会った
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第18話 ミズホとクロの出会い

「ミズホ、ミズホ!」


声が聞こえる。目を開けると、そこには心配そうに私を覗き込むエリーの顔があった。


……あれ?私は……無事なの?


自分の体を確かめる。指も、足も、ちゃんと動く。息もできる。痛みもない。

――よかった、五体満足。どうやら、無事に“闇の精霊”との契約に成功したみたい。


「私、契約……できたみたい」


そう呟いた私に、エリーがすぐさま聞き返してきた。


「体は大丈夫なの……!? 何か変な感じはしない?」


「うん、大丈夫。ちゃんと、自分でいられるよ」


「……良かったぁ。闇堕ちするんじゃないかって、本気で心配してたんだから」


エリーが思いっきり安心した顔をしてくれて、胸の奥がじんわり温かくなる。

そうだ――私は、やっぱりエリーに打ち明けてよかったんだ。


「そういえばさ、ミズホが契約した精霊って、どんな姿だったの?」


「うーん……黒いモヤモヤ、みたいなやつ。姿は全然見えなかったんだけど……」


「スザクみたいに、ちゃんとした姿があるはずよ? 一度、召喚してみようよ。指輪に祈りを込めれば呼び出せるはず!」


そっか……姿が見えるかもしれないのか。

でも、なんとなく――ちょっと怖いかも。だって、あんなに偉そうな口調で「我」とか言ってたし。きっと、ゴツいドラゴンとか、闇の騎士とか、そういうのが出てくるに違いない……。


私は恐る恐る、指輪に祈りを捧げた。


黒い魔法陣が浮かび上がり、モヤモヤとした闇が渦を巻いて現れ、そして――それがゆっくりと形をとっていく。


いよいよ、契約した“闇の精霊”の姿が――!


……現れたのは。


「……クロネコ?」


小さくて、黒くて、まんまるい瞳の――どう見てもネコが、ぽすん、と現れた。


「アンタが……闇の精霊?」


「そうにゃ。我こそが、お前と契約を結んだ“闇の精霊”にゃ……って、なににゃ、この姿は!? なんでネコにゃ!?」


「それを聞きたいのはこっちだよおおおおおおおおおお!!!!」


私の脳内、盛大に崩壊。


さっきまでの緊張と荘厳な雰囲気、返してくれない!? 利子つけて!!


「とりあえず……アンタの名前、“クロ”でいいよね」


「なんにゃその名前は!? 安直すぎるにゃ!!」


「だって、ネコだもん!どこからどう見てもネコだよ!? しかも語尾に“にゃ”とか言ってるし!」


その時――ふっと現れた光の魔法陣。


「ぷっ……やっぱり、そうなったか……」


空からふわりと降りてきたのは、エリーの契約精霊・スザク。あの、光のちょっとムカつくやつ


「鳥ぃぃぃ!! アンタ、これ知ってたでしょ!? この展開になるの、分かってて黙ってたでしょ!?」


「まぁな。精霊界に残ってた記録では、“古代の闇の精霊は黒豹のような堂々たる姿”ってなってたが……封印の影響で力が削がれててな。そのまま契約したら、どうなるかと思ってたら……まさかネコにまで退化してるとはね!」


この焼き鳥野郎……本気で今度炭火で焼いてやりたい……!


「ま、まあまあ……クロちゃん、カッコいい、よ?」


……エリー、慰めが下手すぎる。


その“疑問系”のフォロー、逆に刺さるからやめてええええ!!


「お願いにゃ、せめて断定して言ってにゃ……」


……うん。威厳も何もあったもんじゃない精霊と契約しちゃったなぁ……。


「とりあえず、諦めなさい。私と契約した時点で、こうなる運命だったのよ!」


「むぅ……そう言いながら、楽しそうに笑ってるにゃ」


だって、楽しいんだもん。緊張も不安も、全部この子が吹き飛ばしてくれたみたいで。


「……でもね、クロ。私、あの時言ったことに嘘はないから」


「にゃ?」


「差別も偏見も、なくしたい。闇の力だって、正しく向き合えばきっと意味がある。だから……あなたの力を、これから一緒に使っていこう」


「ふん……そう言うことなら、よろしくにゃ、我が契約者」


――おっ。ちょっと素直。


ちっちゃくて、ふわふわで、なんだか頼りない。でも、その中にとてつもなく大きな力を秘めてる――そんな存在。

クロと一緒なら、きっと私は、もっと強くなれる。


ここから始まる、新しい物語。

私――篠崎ミズホの「光と闇をつなぐ物語」が、いよいよ幕を開けたのだ。

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