1/29
プロローグ 私の物語が始まる
私の名前は、篠崎ミズホ。
魔法学園ルーラに通う、どこにでもいる――たぶん――普通の生徒(自称)よ。
好きな科目は天文学。星を眺めてると、なんだか心が落ち着くの。
……とまあ、これといって特別な自己紹介はないわけで。
だって、自分に“特別な何か”があるなんて、これっぽっちも思ってなかったから。
でも、それが――幻想だった。
気づいたときには、私は世界的にヤバい問題に首を突っ込んでて。
あれ? 私の平和な学園生活、どこ行っちゃったのかな……?
けど、知ってしまったの。
この世界に隠された“秘密”を――そして、その先にある選択を。
逃げようと思えば、たぶん逃げられた。
でも、無視なんて――できなかった。
気づいたら、私はもう、その渦中にいたんだ。
……まあ、とにかく。
私がどうしてこんなことになっちゃったのか、これからゆっくり語っていこうと思うよ。