新星開拓記(仮)
西暦2780年 人類はついに地球という牢獄の大きな鎖を解き放つことに成功した
地球の外でも大いに活動の可能なシステムを携え惑星への入植を開始した。
月、火星、サードパーティ、フォーザーズ、ファイビオン
しかし、月への入植から200年、丁度ファイビオンへの入植が始まった頃火星の入植住民達による大規模な独立運動が発生した。彼らは宗主国である地球の搾取に耐えかねて植民地総督や地球系の財閥を駆逐し独立国家「火星共和国」を立ち上げた。
もちろん、地球側も黙ってはいない。混成地球軍を立ち上げ、各国家の選りすぐりのエリート達が火星の独立運動鎮圧に派遣された。
皮肉なことに人類史上初の宇宙戦争は内乱によって始まったのである。過去のSF映画に描かれた様な宇宙人との死闘ではなかった
各国、各惑星の専門家や国家元首は多少手こずることはあれど数年以内に決着がつくものであると確信していた。
しかし、その確信は脆くも打ち砕かれる。
「火星共和国」の対応は速く、接収した商船や旅客船を戦闘艇に改造し、月を合流拠点としていた混成地球軍を待ち伏せて奇襲ののち各個撃破に成功。
多くのエリートや艦船を失った混成地球軍は撤退を余儀なくされ、かろうじて月で建造途中だった要塞を急遽稼働させることで辛くも月の利権を守った。
火星共和国軍も地球に侵攻するほどの余力はなく、両者共に睨み合ったまま20年が過ぎた。
その間に地球との交通が遮断されていた財閥系の入植惑星であるサードパーティとフォーザーズは表面上は地球側に与する事を表明しつつ火星共和国に武器を密輸し巨額の富を得た。
それだけに飽き足らず彼らはその富を使い、民間や総督府主導で探検隊を複数組織、本来は禁止されている他惑星への入植を開始した。
その過程で地球政府主導での入植途中だったファイビオンは無法地帯と化し、惑星内での権力争いに変化。その過程で荒くれ集団である宇宙海賊と呼ばれる存在が出現。ファイビオンは宇宙海賊達の根拠地となり、彼らへの対処を迫られた各惑星がこぞって軍備増強へと踏み切るきっかけともなった。
地球火星戦争から20年経った丁度、西暦4000年の出来事だった。