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憧れの異世界はやっぱりとても大変な世界  作者: 花聖
第一章 異世界生活と黒ローブ
7/132

07 森の調査と戦闘

のんびりと更新中♪

 ぺリグレット王国での朝の始まりは早い。

 夜明けとともに活動が始まる。


 案の定あまり眠れなかったミオは、眠気を覚ますためにタオルを持って泉へと向かった。


「冷たくて気持ちがいい~」


 気持ち的にはスッキリしたものの、眠気がなくなったかというとそうでもなかった。

 人間、眠い時には何をしたって眠いものだ。

 諦めよう。


 それにしても……早朝の外って何て気持ちのいいものなんだろう。

 空気が清々しいというか、爽やかというか。

 元の世界でもたまに早起きして散歩なんかすると、とても気持ち良くて毎日続けようなんて思ったりしたけれど、やっぱり睡魔には勝てないため続いたことはなかった。

 こちらの世界では、当たり前のように早起きの生活に体が馴染むのだから不思議だ。


 今日はいよいよ森の調査だ。

 魔導師が自分1人だけと思うととても緊張するし不安な気持ちにもなる。


「頑張ろう」


 ミオはもう一度顔を洗って気持ちを引き締めた。






 ―――――――

 ―――――

 ―――






 朝食を食べて、昨日よりも速度を上げて馬を走らせ、1時間ほどでメーヌの森へと到着した。

 森の中の調査には馬は使えないため、馬は森の入り口でほぼ1日休ませることになるから、昨日よりも速度を上げたらしい。


 馬と荷物番として騎士を3人ほど残し、残り全員で森の調査へと向かう。


「ミオ、そんなに緊張しなくてもいいよ」

「え?あ、はい」


 どうやら、緊張が顔に出ていたらしい。

 いったい……どんな顔をしていたんだろう?かなり恥ずかしい気がするんですけど…


 シャルルが今回の調査について簡単に確認をして、森の中へと出発する。

 もっと大人数で来た方が効率よく調査することが出来るのだろうけど、魔導師が不足していて通信手段もないこの世界では、大勢での調査となると何かあった時に対処ができないのだそうだ。

 やっぱり魔法を使える人を探すべきだと改めて思ったミオだった。

 それに……え、水晶とか使った連絡手段はないんですか?


 森を抜けるメインの道から左右の森の中を調査していく。

 人の手が加えられていない森の中は、とても歩きにくく体力を消耗する。

 歩くだけでいい運動になるため、ダイエットにはおすすめだ。


「大丈夫か?ミオ」

「はい、大丈夫で……わっ!?」


 森の地面は水気が多く滑りやすい。

 足を滑らせたミオをシャルルが咄嗟に支えてくれた。

 それに、木の根っこがあちらこちらで顔を出しているため、引っかかってしまうこともしばしば。

 シャルルは、過保護なんじゃないかと言うくらい、ミオに気を使ってくれた。


 こうして調査を進めていると、突然ミオが何かを感じて立ち止まった。


「ちょっと待ってください!」

「どうした?」


 ミオは先頭に立って箒を突き立てると、両手で箒をつかんで目を閉じて意識を集中させた。

 魔物探知……母親の日記に書いてあったので、調べて使い方を覚えた。

 王都には魔物がいないため、実戦で使うのは初めてだけれど、さっき感じたのはおそらく魔物の気配。

 だったら探知能力でわかるはず。


「えーと……向こうに魔物が7~8体くらい、それと向こうに…10体~15体くらいいると思います」

「そんなことも出来るのか、ミオは」

「最近覚えました。使うのは初めてですけど」

「この辺で出るとしたら…スライムや白狼(ホワイトウルフ)だが」

「私、ちょっと見てきますね」

「ミオ!?」


 ミオは箒に乗って、木々の間をすり抜けて上空へと上がった。

 そして、魔物の気配を感じた方向に箒を進めて、ゆっくりと森の中へと下降していった。


 7~8体ほどの魔物を感知した場所には、白い狼に似た生物を見つけた。

 シャルルが言っていた白狼だろう。

 赤い目をして唸り声をあげていて……何だか危険なニオイがする。

 もう1カ所の方に行ってみると、アニメなどでお馴染みのスライムを発見した。

 丸いフォルムが何とも言えない可愛らしさをかもし出している。

 スライムの方は、そこまで危険な感じはしなかった。


「パトリエール団長、見てきましたよ」

「ミオ!襲われたりはしていないか?」

「大丈夫です。それでですね、向こうには赤い目をした白い狼っぽいのがいて……あれが白狼ですかね?向こうにはスライムがいました。白狼は何だか唸っていてちょっと危険そうです。スライムは……何か紫色でしたけど、凶暴な感じはしませんでした」

「……おかしいな。白狼は本来目は黄色味を帯びていて、比較的穏やかで人間を襲うような魔物ではない。それに……紫のスライムは毒(ポイズン)スライムだ。この森にはいないはずの魔物だが…」


 さっそく想定外な予感。

 白狼の目は黄色なのか……そういえば、操られていた水竜の目も赤かったっけ?


「私は白狼の方に行きます。水竜も操られている時に赤い目をしていましたし、同じように操られているなら、解除すればいいんですよね?」

「だが、1人では危険だ」

「大丈夫ですよ。狼は空飛べないと思うし、いざという時には上空に逃げますから」

「ミオ!?」


 ミオは再び箒で浮上していき、白狼の方へと向かって行った。

 心配そうに見ていたシャルルだったけれど、いつまでもここで待っているわけにもいかない。

 毒スライムの方を何とかしなくては…シャルルは騎士達に指示を出して動くことにした。


「俺たちは毒スライムの方に向かう。討伐となるからそのつもりでいてくれ」

「「「はいっ!」」」






 ―――――――

 ―――――

 ―――






 ミオは白狼達の前に静かに降り立った。

 唸り声を上げながら、ミオを警戒するように見つめる白狼達。


「水竜よりは弱そうだし……あの時よりも弱い魔法でも解除できるかな?」


 両手で箒を持ちながら狼に向かって手を翳した。

 そして、解除魔法を唱える。


「ディスぺレーション」


 細かい光が白狼を包み込み、静かに消えていくと白狼の目の色が黄色へと変わった。

 よし、効果があった。

 それじゃあ、他の白狼も。


 こうしてすべての白狼の魔法を解除すると、白狼たちはミオに感謝でもするようにジーッと見つめた後、森の奥へと戻って行った。


「うーん……水竜の時は魔法陣を見つけたわよね…1つしか見つけてないけど」


 ミオは、魔法陣が描かれているかもしれないと思い、近くを見て回った。

 すると、近くの地面に魔法陣を発見する。

 中央に石は……はめ込まれてはいないようだ。

 魔法陣を消すと、他にもあるかもしれない魔法陣を探して空中を移動する。

 魔法陣は、白狼がいた場所一帯を囲むように4カ所に描かれていた。


「やっぱり魔法陣は4つ必要なんだ…」


 だとすると、水竜がいた場所にもあと3つの魔法陣が描かれていると考えた方がいいかもしれない……あとでシャルルに報告することにして、ミオは毒スライムがいる場所へと急いだ。











 ミオがシャルル達の元に到着すると、こちらはかなり苦戦してるようだった。

 毒スライムを効果的に倒せるのは炎系の武器だそうで、この森には毒スライムは発生しないため装備してきていなかったらしい。


「火属性の魔法は……私、まだ使えないんですよね…」


 いろいろと作戦を話し合った結果、ミオの氷属性魔法で凍らせて動けなくしたスライムを袋に詰め込んで森の外に運び、火起こししたところに砕いたスライムを放り込んで燃やすこととなった。


「フロージングランス!」


 いくつもの氷の槍を放って毒スライムを凍らせて、袋に詰め込んで一旦森から出た。

 森の外で馬と荷馬車の番をしていた騎士たちに説明し、ミオ達は再び森の中へと入って行った。






 ―――――――

 ―――――

 ―――






「魔法陣?」

「はい。4つ見つけたので、やっぱり操るには4つの魔法陣が必要なんだと思います。文献にも書いてあったし……だから、水竜が操られていたあの森にも、あと3つ魔法陣があるかもしれません」

「なるほど、そちらも調査が必要だな。この件が片付いたら調査に向かおう」

「はい」


 さっきはメインの通りの左側で調査を行ったため、今回は右側の調査を行っている。

 今のところ魔物の気配は感じない。


 ミオは、今回の調査で何が出来るのか不安だったけれど、とりあえず騎士団の力にはなれているようで少し安心していた。

 帰ったら、もっともっと魔法について勉強して力をつけようと思う。

 アルバンにも全属性の魔法が使えると言われたわけだし。


「団長!」


 順調に調査を進めていると、1人の騎士がシャルルを呼ぶ声が聞こえて急いで向かった。


 そこには魔法陣が描かれていた。

 中心に石ははめ込まれていない。

 やはりまだ完全な魔法陣は描けないらしい。

 誰が描いているのかはわからないけれど……でも、魔法を使って何かを企んでいる者はいるということだ。


「やはり……ここ以外にも魔法陣があると言うことだろうか?」

「たぶんそうだと思います。えーと……魔法陣がこの向きなので、この先を囲むようにあと3つ描かれていると思います」

「範囲は広いか。ここは……分かれて探すのが得策かもしれないな」

「そうですね……うーん…魔物の気配は感じませんが、魔法陣は魔物を操るために描かれているみたいなので、もしかしたら潜んでいるかもしれません。皆さん、気をつけてくださいね」


 今いる場所の魔法陣の両側にあるだろう魔法陣は、外側から回れるとして、向かい側の魔法陣は中心を通って向かった方が近いため、ミオとシャルルが向かうことにした。

 魔物と遭遇する可能性が最も高いからだ。


 予想通り、ミオとシャルルは潜んでいた白狼と遭遇した。

 さっきの白狼よりも強い魔法で操られているらしく、気配を潜ませることが出来るらしい。

 ミオが魔法を解除して、討伐することなく通り抜けることが出来た。


 こうして残りの3つの魔法陣を発見して消し去り、騎士団は森の中央部分の開けた場所へと足を踏み入れた。

 このどこかに、風竜(ウィンドドラゴン)がいるらしい。

 やっぱり、魔法陣を描いている者は風竜を操ろうとしているんだろうか?


 シャルルが次に調査する場所を団員の騎士達と話している時、ミオは向こうに人影を見つけた。

 その人物はすぐに森の中へと逃げて行ったため、ミオは慌てて箒に乗って追いかける。


「ミオ!?どうしたんだ?」

「誰かが向こうに逃げて行ったんです!追いかけます!」


 人間、咄嗟の出来事があった場合には、全く動けないか普段よりも動けるかのどちらかだと思う。

 ミオは今までにないほどに巧みに箒をコントロールして、森の中を逃げる人物を追った。

 そして、森の中だと木が多くて動きにくいため、一旦上空へと飛び上がって先回りをして相手の前方へと降り立った。

 驚いて足を止める人物。


 ……本当に黒ローブなんか羽織ってる人いるんだ。


「何してるんですか?」

「……………」

「もしかして……魔法陣を描いてるのはあなたです?」

「……くそっ!!」


 その黒ローブの人物が突然ミオに向かって魔法攻撃をしてきたため、ミオはホーリーシールドで防御した。

 走って戻っていく黒ローブを追いかける。

 黒ローブは逃げながらも攻撃をし続けてきたため、防ぎきれなかった攻撃でミオはどんどん傷ついていった。


 逃げながらこんなに攻撃してくるなんて……凄い魔導師なのではないだろうか?


 何とか攻撃の合間に、ミオもフロージングランスやサンダーボルトで攻撃してみたけれど、全く当てることが出来ない。


 追いかけて攻撃を避けながらの攻撃って……めちゃくちゃ難しいんですけど!?

 アニメなんかだと簡単にやっつけちゃってるけど、そんなに上手くいかないんですけど!?


 きっとこういうのは実戦で鍛えていくしかないんだろうな…などと考えながら、とにかく逃がさないよう必死に追いかけた。

 こうして、さっきの開けた場所に近づいた時。


「……え?」


 黒ローブが炎で攻撃してきて、一気にミオの目の前が火の海となった。

 ここは森の中。

 燃えやすいものがたくさんあるわけで…


 ミオは箒で一気に上空へと浮上して、燃えている森に向かってフローズンフロストを放った。

 燃えていた草木や炎が一瞬で凍っていく。

 とりあえず火の気がなくなったのを確認し、ミオは黒ローブ目がけて全速力で降りて行った。


「ちょっとそこの黒ローブ!森で火使ったらいろいろ燃えちゃうでしょうが!」

「……っ!?」


 黒ローブの目前でミオは両手で箒を振り上げて、落下する勢いとともに黒ローブに向かって箒の柄を振り下ろした。

 森の入り口で待ち構えていた騎士団の皆も、さすがに驚いて固まっている。

 黒ローブは、見事に箒の柄が命中して意識を失って倒れた。


「すぐに縛り上げろ!」


 シャルルの声で黒ローブは身動きが出来ないようロープで厳重に縛り上げられた。


「ミオ!」

「パトリエール団長……すみません、飛び出して行ってしまって」

「それはいいんだ。それよりも……随分と傷だらけじゃないか。すぐにポーションを」

「あ、そうでしたね!私もポーション頂いていたんでした」


 シャルルがポーションを取り出そうとしたけれど、ミオは自分もポーションを持っていたことを思い出してバッグから取り出した。

 初ポーションだ。

 どんな味がするんだろう……ミオはポーションの瓶の蓋を開けて、ゆっくりと口に運んだ。


 ……子どもの頃に飲んだシロップの薬の味に似ている


 その後、騎士2人が黒ローブを馬車に運び、シャルルと残りの騎士達、ミオで魔法陣の捜索をしようとした時、異変が起きた。


「ちょっと待ってください!なんか凄い数の魔物の気配が…」


 ミオがそう話していると、森の中から無数の魔物達が押し寄せてきた。

 その数に驚くシャルルと騎士達。


「馬鹿な……この森にこのような魔物はいなかったはずだ」

「団長!」

「これより、魔物の討伐を開始する!全て殲滅だ!」

「「「はいっ!!」」」


 こうして魔物の討伐が始まったけれど、数が数なので倒しきれず、騎士団とミオは魔物に追い詰められていった。

 これでは埒が明かない。

 ミオは少し考えると、全員を中央に集めた。


「冷気には触れないよう気をつけて下さいね。スノーフロスト!」


 周囲が冷気に包まれてひんやりとした空気に変わった。

 すると、ミオ達を取り囲んでいた魔物の群れが一斉に凍り付いていった。

 魔物を凍らせた冷気が、だんだん消えていく。


「はい、それでは思う存分氷をかち割ってください!」


 毒スライムと違って、今ここにいる魔物達は分裂して増殖することはないため、凍ったまま砕いてしまえば粉々になって消える。

 ここにいるすべての魔物が消えれば終わり……そうは問屋が卸さないというのは、こんな時に使う言葉だろうか?


 残り数体というところで、新たな魔物達に囲まれてしまった。

 これ……魔法陣消さない限り永遠と魔物が現れてくる感じですか?


「キリがないな…」

「パトリエール団長」

「どうした?」

「私、魔物の相手してるので、騎士の皆さん達は魔法陣を探して消すというのはどうでしょう?たぶんですけど……魔法陣消さないと魔物は永遠に現れる気がします」

「……ミオ1人に戦わせるわけにはいかない。私も残って戦おう」


 シャルルが騎士達に魔法陣を探して消すよう指示を出し、魔物達との戦いはシャルルとミオが請け負うこととなった。

 スノーフロストで凍らせて砕くを繰り返しているけれど、騎士が減った分砕き消せる数が少なくなり、どんどん新たな敵に囲まれて辺り一帯魔物だらけになってしまった。


「ミオ!ポーションで魔力を回復するんだ!」

「あ……はい!」


 そうでしたそうでした。

 魔力回復のポーションもありました、そういえば!

 ミオは攻撃の合間を見て、魔力回復の黄色のポーションを一気飲みした。

 このポーションもさっき飲んだポーションと味は同じだった。


 この世界、ステータスを見ることが出来ないから、自分のHPとかMPがどれくらい残ってるのかがわからないのよね…


 それにしても……魔力は回復したものの、使える魔法は同じなわけで、この状況を変えることは出来なさそうだった。

 どうしたものか…


 その時、ミオの頭の中で母親の声が聞こえてきた。




 ―――美桜、思い出して


 何を?


 ―――あなたはもっともっとたくさんの魔法を使えるのよ


 魔法?

 私、今使える魔法しか知らない


 ―――思い出して、あなたに教えた魔法を


 お母さんに教えてもらった……魔法…




 ミオは母親との会話を思い返した。

 どうやって魔法を教えてもらった?


 あ……


 まだ小さかった頃、母親と一緒に流星群を見に行ったことがあった。

 確かあの時、母親はたくさんの星が流れる前に魔法だと言いながら何か言っていたような…


 そうだ、セレスティアルスター


 母親の言葉を思い出した瞬間、ミオの頭の中に魔法陣が浮かび上がった。


「パトリエール団長!こっちに!」

「ミオ!?」


 シャルルをミオの傍に呼び戻し、ミオは空に向かって両手を翳した。


「セレスティアルスター!」


 空から、まるで流星群のようにたくさんの光が降り注ぐ。

 その光はあっという間に魔物達を消していった。


 おー、何て強烈な魔法だ!


 あとは魔法陣が消えれば…


「団長!こっちにあった魔法陣は消しました!……って、何だこの魔法は!?」

「そうか!」

「あ、じゃあ魔物はもう現れないですかね?」


 ミオは周囲の魔物が消え去ったことを確認すると、魔法の発動を中断した。

 セレスティアルスターは魔力もかなり使う魔法のようで、一気に疲労感が押し寄せてきたミオは、その場に座り込んだ。


「ミオ!?」

「大丈夫です、ちょっと疲れただけなので……」

「緑色のポーションは残っていないか?」

「あ、そういえば緑色のも頂いて……」


 バッグからポーションを取り出そうとしたミオだったけれど、スーッと意識が遠のいていき地面に倒れ込んでしまった。


「ミオ!?どうしたミオ!?」

「団長!俺達がここで待機するので、先に彼女を連れて森から出てください!」

「だが……わかった。すまないがよろしく頼む」


 魔法陣は消した。

 その魔法陣を描いていたと思われる黒ローブも拘束した。

 おそらく危険な魔物の出現はないだろうと考えて、シャルルはミオを連れて先に森を出ることに決めた。






 ―――――――

 ―――――

 ―――






「風竜も失敗しちゃったねー。何でこうも王国騎士団様と遭遇しちゃうのかなぁ。ホント、運が悪いよねー」

「全くだ。しかも今回は捕まってしまったからな。情報が洩れる前に始末しないとだが…」

「それは大丈夫だよ。だって、しゃべっちゃう前に死んじゃうから」

「本当に効果があるんだろうな?」

「大丈夫だから安心しなってー」


 薄暗い部屋の中で話している2人の男。

 1人はダークブラウンでウエーブがかった長めの髪で背が高い男、もう1人は金髪のショートヘアで人懐っこい笑顔が印象的なやや小柄な男。

 2人とも、黒いローブを羽織っている。


 2人がいる場所も、黒ローブがどのような組織なのかもまだわからない。

 彼らの目的はいったい……


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