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憧れの異世界はやっぱりとても大変な世界  作者: 花聖
第二章 魔導師の国
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50 戦いに向けての準備

のんびり更新中♪

 ペリグレット王国には王国騎士団と領主の騎士団があり、王国騎士団の手が回らない場所などは、領主の騎士団が中心となって安全を守っている。

 そんな領主が所有する騎士団は、港町を中心に警備しているパトリエール家の騎士団以外には、モルティエ家、レヴィナス家、ラルゴス家、ロイヤー家の4つの騎士団だ。


 国王からの招集がかかり、王国第二・第三騎士団、各領主及び各領主の騎士団の団長達が王宮へと集まって来た。

 滞在中は、領主は王宮の客室を、騎士団団長達は第一騎士団の宿舎を使うらしい。

 明日には全員が集まるようなので、話し合いは明後日に行われる予定だ。






「アンプロテクション!」

「……お前、何で魔導書は理解できないのに、この魔法は使えるようになるんだ?」

「それは……私にもちょっとわかりません」


 ミオが、カミーユに教えてもらった弱体化魔法を使ってみると、防御力低下と魔力低下の魔法が使えた。

 カミーユの話だと、弱体化魔法は習得が難しいということだったけれど……何故か、ミオはそんなに苦労せずに使うことが出来た。


「うーん……どれくらい防御力が下がっているのか、ちょっと攻撃してみてもいいですか?」

「いいわけがないだろうが!俺を殺す気か!」

「そんなわけないじゃないですか……ちょっとケガをするだけです」

「俺に何か恨みでもあるのか?」

「ないですよ」


 弱体化魔法がどれくらいの効果があるのかはわからないけれど、使えないよりは戦いやすくなるだろう。

 ミオは、弱体化魔法を出来るだけ強化していくため、限られた時間の中で訓練を重ねることにした。


「お、ミオさんは特訓中か」

「ん?……ジェラールさん。もういらしてたんですか?」

「先程到着した。カミーユ、久しぶりだな」

「お久しぶりです、ジェラールさん」

「少し、訓練を見ていてもいいか?」

「それは構いませんが……退屈ではありませんか?」

「魔法など、なかなか見れるものではないからな。退屈などとは思わないよ」


 こうして、ジェラールが見学する前で魔法の練習を始めたミオだったけれど……見られていると思うと、凄く緊張するのですが!

 魔力強化をしてアイスブロックに向かって攻撃したのだけれど、力が入りすぎてしまいアイスブロックを破壊してしまった。


「お前なぁ……」

「す、すみません!でも……今なら凄く頑丈なアイスブロックを作れると思いますよ!」


 ミオ自身の魔力も上がっているようで、魔力強化の魔法とステッキによって強化されたアイスブロックは、今までのものよりもかなり頑丈になったようだった。






 ―――――――

 ―――――

 ―――






「何か……このテーブルだけ、凄く濃いメンバーですよね」

「まぁ、隊長が集まってるからな」

「私……向こうに行きますね」

「別にここで食べればいいだろうが。知らない顔でもあるまいし」

「そ、そうですけど……」


 夕食の時間、ミオがいつものようにシャルルやカミーユと一緒に座っていると、第二騎士団団長のランディ、第三騎士団団長のレオポルド、シャルルの兄ジェラールが同席して来た。

 何て言うか……圧が凄い。

 少しすると、ジェラール以外の領主の騎士団団長2人も同席して来た。

 隊長が集まっていたから、ここで食べるものと思ったらしい。


「随分と賑やかじゃねぇか、第一騎士団はよぉ」

「新入隊員がまだ振り分けられていないからな」

「今年は70人程だったか?」

「そうだ。今回の件が終わるまでは振り分けるのを待ってくれ」

「そんなこたぁわかってるよ。それよりも、相変わらずここの料理は刺激が足りないな」

「料理は美味いが、酒が物足りねぇよなぁ」

「……お前達はよく体を壊さないな」


 本当にシャルルの言う通りだと思う。

 第二・第三騎士団の騎士達の体は、他の人達とはつくりが違うんじゃないだろうか……本気でそう考えてしまう。


「そういえばカミーユ」

「何だ?」

「魔導師はいつになったら増えるんだ?」

「そんなことは俺にはわからん」

「あー、それなんですけど」

「嬢ちゃんは何か知ってんのか?」

「両親が魔導師だと、子供が魔力を持って生まれてくる確率が高いらしいですよ」


 ミオは前にラウルが教えてくれたことを話した。

 すると、ランディがとんでもないことを言い出した。


「だったら、カミーユと嬢ちゃんが結婚すればいいだけの話じゃねぇか」

「は?」

「なっ!?」


 何故、そうなる?


「馬鹿な事を言うな。俺はシャルルに殺されたくはない」

「シャルルさんは今関係ないですよね?」

「それに、俺にだって選ぶ権利はある」

「わ、私にだってありますよ!」

「あははは!冗談だ、冗談!」


 笑いごとですか?

 この人、アルコールの強さ関係なく酔っぱらってるんですか?


 こうして、いつもとは違った賑やかな夕食となり、あっという間に夜が更けていった。






 ―――――――

 ―――――

 ―――






「ラウル、ミオの半径3m以内に入るなよ」

「それは無理だよー。ミオちゃんのこと守れなくなっちゃうじゃん」

「うるさい、副師団長命令だ」

「いくら副師団長命令でも、そればっかりは従えないなぁ」

「だったら、ミオはここで待機だ!」

「アル君、それは無理だよ……てゆーか、仲良くしようね?」


 今日は、王宮で会議が行われているため、カミーユの代わりにアルバンが執務室で待機することになっている。

 ミオはラウルと一緒に騎士団と見回りに行くのだけれど、アルバンとラウルがバチバチと火花を散らせていて、盛大にため息をつきながら見ていた。

 てゆーか、子供相手に何やってんだか……


「そろそろ行くよ、ラウルさん」

「うん。それじゃあ、行ってくるよー、副師団長」

「あー!ミオに触れるなよラウル!」


 ミオは苦笑いしながら執務室を後にした。


 シャルルは会議に出席しているため、騎士団の指揮を執っているのは副団長のシリルだ。

 今日は、ネーオールの森とその周辺、メーヌの森に向かう途中の草原、結界までの3カ所に分かれての見回りを行うようで、ミオとラウルは結界方面の見回りに同行する。

 他の2カ所には、コルトとディナールが同行することになっている。


「私はネーオールの森の見回りに行くので、何かあればこの者に申し付け下さい」

「わかりました、ルヴィエ副団長」


 ラウルは見回りの準備を手伝いに行ったけれど、ミオは相変わらず手伝わせてもらえずに、頬を膨らませながら眺めている。

 いい加減、手伝わせてくれても良くないですか?

 別に包丁を使うわけでもないんだし……


 こうして、それぞれ準備が整った隊から王宮を出発した。

 12月に入ったというのに、とても晴れていて暖かい日が続いている。


「この辺りは、冬でも暖かいんです?」

「いえ、もうすぐ雪が降り始めますよ。この暖かさも今月の半ばくらいまでです」

「そうなんですね」


 そういえば、母親の日記にもそのようなことが書いてあった気がする。

 元の世界では雪はあまり見ることがなかったから、雪が降って来ると何だかウキウキしていたけれど、正直寒いのは苦手だ。

 こっちでは、フェルドーに行けばいつでも雪が見れるから、元の世界にいた時ほど雪を見てもウキウキしなくなったし。


 12月か……元の世界では、クリスマスで街中がキラキラと飾り付けられる季節だな。

 こっちでもクリスマスはあるんだろうか?


「12月は何かイベントってあるんです?」

「イベントですか?王都では特にないですね。他でも……聞いたことはないです」

「そうなんですね」


 何もないってことは、年越しのイベントなどもなさそうだ。

 母親の日記にも年越しのことは一度も書かれていなかったな。


「ミオちゃんって、この王国の冬が初めてなの?」

「そうだよ」

「え、ミオちゃんの出身ってここじゃないの?」

「うーん……まぁ、違うかな」

「え、どこ出身なの?」

「……日本」

「ニホン?聞いたことがない国だなぁ」

「小さな国だからね」


 モンフォワールの街を抜けて間もなく、二手に分かれて見回ることになり、この日の見回りは何事もなく終了し、王宮へと戻って行った。


 ミオ達が見回りから戻って来ると、王宮で開かれていた会議も終了していて、カミーユから決定事項の説明を受けた。

 内容は次の通りだ。


 ペリグレット王国への入国は、オルレーヌの港からのみとなっているため、ルシヨット魔導国が攻め込んでくる場合も港から入って来る。

 王国の北側と西側は海であるため、そちらからも侵入出来そうだが、雪原と火山があるため侵入は不可能らしい。

 東側に回るにはかなり遠回りになるし、上級の魔物が放たれているためこちらも侵入は不可能と言える。

 このことから、ルシヨット魔導国は必ずオルレーヌの港町にやって来ることになる。

 そのため、全勢力をオルレーヌに集めてルシヨット魔導国と戦い、王国内への侵攻を防ぐことで決定した。


「え、ちょっと待ってください師団長」

「どうした?」

「それって、港町は……」

「港町は戦場となる。そのため、直ちに住民達を王都へと避難させる」

「……そんな」

「オルレーヌは元々そういう取り決めがされているんだ。まぁ、俺が知る限り今まで戦争など起きたことがなかったが……あの町の住人は理解した上で生活をしている」

「そうなんです?」

「町は破壊されても復興すればいい。住人が生きていれば復興は可能だからな」


 確かに、住人の命を守ることが出来れば、町は復興していけば元に戻る。

 王国を守るためには、これが最善なのだろう。

 港町の住人は、モンフォワールの街と周辺の町や村、王宮で受け入れる予定だ。


「それとだな、交代で派遣している魔導師にも戻って来てもらう。戦力を上げるために残された時間で特訓だ」

「特訓?」

「この人数でどう戦っていくか、作戦も立てないといけないしな」


 本当に戦争が始まってしまうのだろうか?

 戦争なんて、誰も幸せになんてならないのに……






 ―――――――

 ―――――

 ―――






 ルシヨット魔導国から、ペリグレット王国の竜を探しに来た2人組の魔導師。

 ネーオールの森以外で竜を見つけられず、ルシヨット魔導国へと報告を入れた。

 報告を受けた者が国王のガストビに報告をする。


「竜が1体か……残りの3体は、王国を手に入れてからでも探すとしよう。準備を始めろ、王国への侵攻開始は……2月1日だ」

「わかりました」

「それまで、竜の捜索は続けるよう伝えておけ。それから……竜を操ることが可能かどうかもな」


 ガストビの命令が2人組の魔導師に伝えられた。

 2人の魔導師は、先に竜を操れるのかを確かめるため、ネーオールの森へと向かうことにして行動を開始する。



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