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憧れの異世界はやっぱりとても大変な世界  作者: 花聖
最終章 魔王と異世界生活
115/132

104 凶暴化した魔物達

のんびり更新中♪

 作り上げた箒にようやく魔力を込めることが出来たショウ。

 そんなショウが箒に乗る練習をするため、ミオとコルト、ショウの3人は魔導師団の訓練場に来ていた。


「それにしても、何で急に魔物が凶暴化したんだ?魔王の封印が解かれたわけでもなさそうなのに」

「うーん……よくわかりませんけど……氷竜は、前に封印が解かれる兆候があった時と同じだと言ってましたよ?ただ、今回はそれよりも強いとか」

「封印解かれる前に封印しちまえばいいんじゃねぇの?」

「そうなんですけどね……封印されている間は、近づく人間を取り込もうとするらしいですよ?」

「だったら、封印を解こうとしてる奴らも取り込まれんじゃねぇか」

「魔王の封印を解こうなんて考える奴は、自分の命くらいいくらでも犠牲にするだろうさ」

「ですよね……」


 昨夜から魔物の出現が相次いでいることと、凶暴化した魔物が増えていることから、カミーユも含めて総出で騎士団とともに討伐に向かった。

 もちろん、学校が休みだったアルバンやアリスも連れて行かれている。

 何故、ミオ達がここに残されているかというと……魔王の封印が解かれた時には、ミオは閉ざされた町に向かわなければならず、ミオ抜きで戦うことになるからだ。

 今まで、強い魔物との遭遇ではミオが中心となって討伐をして来たので、ミオに依存している部分は大きい。

 ミオが強化した魔物との戦闘訓練は行っているが、実戦で戦えなければ意味がないのだ。

 そのため、今回はミオは留守番ということになり、丁度いいのでショウの箒の練習に付き合うことになった。

 ミオだけだと教えるのはかなり不安だということで、ショウ担当のコルトにも残ってもらった。


「誰が担当だよ」

「コルトさんです」

「俺はミオちゃん担当がいいんだけどな」

「何言ってるんですか、私は箒に乗れますよ?」

「そういうことじゃなくてね?」

「お前……やっぱ馬鹿だろ」

「とんでもなく失礼ですよ!私に対して!」


 気を取り直してショウの箒の練習を始めよう。

 ミオは、自分が初めて箒に乗れた時のことを思い出してみた。


「私は……とりあえず、ひたすら筋トレしましたよ?」

「何で筋トレだよ」

「箒って、鉄棒に座る感じなんですよ。鉄棒って座るの大変じゃないですか、腹筋とか背筋とか腕の筋肉とか……」

「……何言ってんだ?鉄棒くらい簡単に座れんだろ」

「え、座れませんよ?」


 箒に座る姿勢を維持できなくて死ぬほど転落したことや、箒にぶら下がっていることも難しくて数えきれないほど落ちたことを説明すると、ショウとコルトにとても驚かれてしまった。


「いくらデスクワークとはいえ、筋力なさすぎだろ」

「だって、椅子と鉄棒じゃ違うじゃないですか……」

「ま、まぁ……デスクワークってのが何だかわからないけどさ、ミオちゃんは女の子だしね……とりあえずショウは箒に乗ってみろよ」

「乗るってもな……どうすんだよコレ」

「魔力操作で箒を浮かせるイメージだよ」

「こうか?……難しいな……お、少し浮いたぜ」

「そうそう。少しずつ高くしてみろよ、そんでそこで止めるんだ」

「うぉーっ!?これ、どうやってバランスとんだよ!?」


 空中でバランスを取るのは難しいようでショウはフラフラとしていたものの、落下することなく箒に乗り続けていた。

 え、凄くないですか?


「止まれるようになったら、前に進むイメージで動かしてみろ」

「こうか?」

「そうだ。そのまま1周して来い」


 ショウはゆっくりと箒を前進させて、訓練場を1周しに行った。


「凄いですね!私もコルトさんに教えてもらえば、あんなに傷だらけにならずに練習できたのかな……」

「そんなに落ちたの!?」

「めちゃくちゃ落ちましたよ。まぁ、おかげでヒールが使えるようになりましたけど」

「誰に教えてもらったんだ?」

「あの頃は、師団長以外箒に乗れませんでしたし、ほぼ独学です」

「マジで!?凄いねミオちゃん」


 本当に、よくここまで乗りこなせるようになったものだと思う。

 黒ローブとの遭遇で必死に箒を操作したことも大きいだろう。

 そう考えると、黒ローブにも感謝すべきなのか?


「戻って来たぞ……少し休憩させろ」

「最初は姿勢を保つのに体力も魔力も使うからな。そんじゃ、休憩するか」

「ショウさん、高いとこ平気でした?前に乗せた時、ダメそうでしたよね、箒」

「これくらいの高さなら平気だ。それに、自分で乗るのと人の後ろじゃ安定感が違げーんだよ」

「そういうものですか」

「そうだ。まぁ、お前の後ろ以外乗ったことねぇけどな」

「俺の後ろ乗ってみるか?」

「男同士で乗るとか、気持ち悪いだろうが!」

「そうか?」

「私にはよくわかりませんけど」

「わかれよ」


 こうして休憩を挟みながら練習していくと、午前中だけでだいぶ安定して乗れるようになった。

 昼食を食べた後は、もう少し高度を上げたり、速度を上げたりしてみることにし、3人は食堂へと向かった。






 ―――――――

 ―――――

 ―――






「ミオ」

「師団長にシャルルさん。お疲れ様です。どうでした?魔物の討伐」

「ラウル達の協力もあったが、訓練の成果か以前に比べるとかなり戦えるようになったと思うよ」

「それは良かったです」

「だが、ミオに比べると討伐に時間がかかってしまう、まだまだ訓練は必要だな」


 魔物の討伐から戻って来たシャルルとカミーユが訓練場にやって来てミオの隣に座った。

 2人ともけがはないようなので安心したミオだったけれど、さすがに無傷というわけにはいかず、ポーションや回復魔法で治療して来たのだと言われた。

 そんなに大量の魔物が出現したのかと思ったら、上級の魔物が何体か混じっていたかららしい。


「ショウの奴はどんな感じだ?」

「かなり乗れるようになりましたよ。今はコルトさんを追いかけてます」

「もうあんなに乗れるようになったのか」

「そういえば、ミオは箒の練習ではいつも傷だらけだったな」

「めちゃくちゃ落ちまくってましたからね。ショウさんはほとんど落ちてないですよ」

「あんだけ落ちたのはミオくらいだがな」

「え、そうなんですか?」


 言われてみれば……そんな気がする。

 皆、箒を作ってなかったし、そのために魔力を込められなかったのが原因で乗れなかっただけで、箒を作って魔力を込めるとすぐに乗れるようになっていた。

 あれ、私の筋トレと傷だらけの練習は?


「ミオは王女なのに、傷だらけになることが多くて心配になるよ」

「す、すみません……でも、ポーションは優秀ですし、魔法で傷なんて治せますからね!」

「シャルルが禿げたらお前のせいだからな」

「何言ってるんですか!シャルルさんは禿げませんよ!」


 こうして3人で話していると、ラウルも討伐から戻って来て他の魔導師達と一緒に訓練場へとやって来た。


「ラウルさん、他の皆さんもお疲れ様です」

「やぁ、ミオちゃん」

「今日は助かったよラウル。ルシヨットの魔導師の協力は本当に助かる」

「そうだな。私からも礼を言うよ」

「手伝いに来てるんだし、お礼なんかいらないよー。お、コルトも頑張ってるね」

「コルトさんのおかげで、ショウさんも魔導師として力をつけてきてるよ」

「それは良かった」

「お前ら、そろそろ切り上げて飯食いに行くぞ」


 カミーユが2人に声をかけ、皆で食堂に向かおうとしていると、メーヌの森に行っているレオポールからミオのクリスタルに連絡が入った。

 ルシヨットの魔導師やショウを食堂へと送りクリスタルに魔力を込めると、城壁の向こう側の魔物達が押し寄せて来て大変なことになっているとのことだった。

 ミオとシャルル、カミーユ、ラウル、コルトの5人は執務室向かいながらどうするかを話し合った。


「私が行って来ますよ。たぶん、一番早く飛べますし」

「1人では向かわせられん。俺も行く」

「私も行こう」

「俺も―」

「3人とも討伐に行って来たばかりで疲れてますよ。私1人で大丈夫です」

「俺はショウの練習を見ていただけだし、俺がミオちゃんと行って来るでいいんじゃないですか?」

「うーん……城壁の向こうの魔物達ですよね?討伐しなくても何とかなると思うので……」

「どういうことだ?」

「裏技的なヤツです」


 ポーションや魔法で回復しているとはいえ、今日の討伐で体に疲労が蓄積されているだろうシャルル達には王宮に残ってもらい、ミオがコルトと一緒にメーヌの森へと向かうことに決まった。

 魔力回復のポーションを多めにカバンに入れて行く。


「お前……何だコレは」

「炎帝ロック鳥です。新しく契約したんですよ。めちゃくちゃ早く飛べるんで、この子に乗って行きます」


 ミオとコルトが炎帝ロック鳥の背中に乗ると、大きく羽を羽ばたかせて飛び上がった。

 すると、ラウルが飛び乗って来た。


「よいしょっと」

「え、ラウルさん!?」

「やっぱり俺も行くよ。コレ乗ってみたいし」

「ラウル!何してんだお前!」

「もう1人乗れそうだったし、早い者勝ちってことで。それじゃあ、行って来るねー」


 こうして、メーヌの森にはミオとラウル、コルトの3人が向かうことになった。

 炎帝ロック鳥の飛行速度は想像以上で、あっという間にいつも休憩している小川の上を通過して行った。

 ミオはクリスタルを取り出してレオポールに連絡をする。


「ミオ?」

「あ、レオポールさん。今全速力で向かってるので、もう少し待っててくださいね」

「ミオが来てくれるのか、それは良かった」

「どんな感じです?」

「城壁の向こうに魔物達が集まって、城壁に向かって攻撃をしてるよ。俺達も魔法や弓矢で攻撃しているけど……さすがに厳しいかな」

「出来れば攻撃はしない方がいい気がしますけど……」

「はぁ!?攻撃しない方がって……それじゃあ攻め込まれてしまうよ!」

「攻撃すると刺激しちゃうと思うんですよね……とにかく、急いで向かってるから待っててください。たぶん、今レモーネ超えた辺りです」

「レモーネって……え、レモーネ!?」


 ミオはレオポールとの通信を切ってクリスタルをカバンにしまった。

 急がなくては。

 上級の魔物達が攻撃してきているのだから、こちら側が攻撃するのは当たり前のことだ。

 どちらも負傷していないことを祈りたいけれど……それも難しいだろう。


「森が見えて来たよ」

「え、もう!?」

「いやいや、ミオちゃん飛ばし過ぎだって!」


 王宮を出発して20~30分くらいだろうか?

 森の入り口が見えて来た。

 炎帝ロック鳥、とても優秀な魔物だ。

 レオポールたちがいる城壁はもうすぐそこだ。



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