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現代編
「へえ、何それ。聞いたことのない話だね。何の童話?」
目の前でたまごサンドをむしゃむしゃ食べる女子が言う。
「童話じゃなくて、これは実話なんだけど」
そう言うと、女子はおかしそうに目を光らせる。
「魔法は実際にはないので、それは実話ではないね」
で、本当のところはどうなの、欧州の方の話だよね名前の感じから言って、と女子は尋ねるが、本当にこれはこの身にあった出来事なので、実話以外答えようがない。
黙っていると「内緒なんだ」と言われる。
どう言おうと信じてもらえないし、まあ、信じてもらえなくても良いのだけれど。
「愛莉」
「んー」
こうやって、アリーの隣で、笑顔を見ることができるだけで幸せだ。
恋人になれない兄弟同士で生まれてしまったとしても。
アルハーンであった、晴人がアリーの恋人になっていたとしても。
アリーの一番は家族である私以外、あり得ないのだから。
終わり方が綺麗ではありませんが、これにて完結となります。
ここまで読んで下さって方、ありがとうございました。