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ハットトリック  作者: 北野 ソラ
12/26

第12試合 岬キレる

   『第12試合』



デ、デート!?

今更だけどこれってやっぱりデートだったのか!

岬の「初デート」という言葉に僕も顔が赤くなってきて、

心拍数が上がってきていた。


確かに日曜日、二人きりでお買い物なんてデート以外何者でも

ない。

おまけに今日の岬はいつも以上にお洒落していて可愛くて

なにより今は手まで繋いでいる。

変に意識してしまい、手が汗ばんできたので

「お、お腹すかない?あそこ入らない?」

僕は近くにあったハンバーガーショップを指さした。

「行く!食べたい!」

バーガーショップに入り、カウンターで注文して僕達は二階の

イートインコーナーに座った。


どうやら手汗には気づかれなかったみたいだ。


「私ね、こうやっておしゃべりしながらハンバーガーや

 ポテト食べるの、あこがれだったんだ」

「友達とこういうとこに来たことないの?」

そう言った後にはっと思い、おもわず「ごめん」と

謝った。

「いいよ、ずっと友達らしい友達なんていなかったし、

 作らなかったから。女装してるのを理解してくれる子もいたけど

 どうしても私と仲良くしていると今度はその子がいじめられたり

 するから、一人でいたほうが気楽だったし・・・

 それに今は翼がいてくれるし」

そう言いながら美味しそうにポテトを食べている。

「み、岬が行きたいって言ったらいつでも連れていって

 あげるから」

「毎日?」

「それはちょっと無理かな」

「じゃあまた今度デートの時に連れてきてね」

「わ、わかった」


お昼を食べ終え、どこに行こうかと考えながら街を歩いてた時

「赤井じゃないか」と後ろから声をかけられた。

振り向くと男三人が歩いてきて、声をかけてきた男は中学時代の

サッカー部の先輩で今は今度対戦する公立校に通っていた。

「あ、先輩、お久し振りです」

「お前、てっきりうちの学校に来ると思ってたら違う高校に

 行ったんだな」

話しながら先輩の目は僕の後ろにいる岬を見ていた。

「ええ、家から近かったんで」

「サッカー部には入ったのか?」

「はい、入部しました」

「今度対抗戦あるけど部員揃っているのか?去年は部員いなくて

 他の部から人借りてたみたいだけど」

「今年は人数揃ってます」

「去年はうちのボロ勝ちだったからな、8対0だったかなぁ。

 それにしてもこんな大事な時期に女とデートだなんて全くいい

 御身分だな。

 今年は10点くらいとれるかもしれないな」

先輩が大声で笑うと他の二人も笑っていた。

僕が言い返さずに黙って先輩の話を聞いてると明らかに岬の顔が

険しくなっていくのが解った。

「ところでその娘は彼女なのか?」

先輩が僕に近づいてきて小声で訊いてきた。

「いえ、サッカー部のマネージャーです」

「こんな可愛い娘がマネージャーなんてうらやましいな。

 じゃあ、うちがお前の学校に勝ったら俺とデートしてもらうって

 のはどうかな」

「そ、そんな約束できません!」

「勝てばいいだけの話だろ。それともうちに勝つ自信ないのか」

僕が反論できずにいると黙っていた岬がキレた。

「デートくらいいくらでもしてあげるわ!

 何ならみんなの前で裸にでもなってあげましょうか!

 ただうちのチームは絶対に絶対に負けないから」

「これは威勢のいいマネージャーさんだ、裸は勘弁してあげるけど

 デートは約束したからな」


先輩達は立ち去っていった。


「み、岬、あんな約束して・・」

「翼は言われっぱなしで悔しくないの!先輩だとしてもあんな

 見下した言い方、許せない!」

「悔しいけど向こうは部員も揃ってるし、そんなに強くはない

 けどやっぱり伝統もあるし・・」

「部員の数や伝統でサッカーしないでしょ!相手が強いのなら

 ジャイアントキリングしてやればいいじゃない!」

「よくそんな言葉知ってるね」

「い、いちおうマネージャーだからサッカー用語とか覚えたし。

 それよりもせっかく楽しいデートだったのに気分台無しだわ。

 ちょっと買い物して憂さ晴らしする!」


それから僕は岬の衝動買い的な洋服買うのに何時間も付き合わされ、

寮に戻ったのは門限ギリギリだった。


次の日、練習前に監督の井原、キャプテンの福田、部員達に

昨日の出来事を話した。

監督は呆れていたが、部員達は「岬ちゃんを渡してたまるか!」と

逆に士気が高まって練習に熱が入り、いよいよ決戦の対抗戦の日を

迎えるのであった。









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