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14話 S級城に挑戦したら…

攻城戦はついに最終日を迎えた…。


S級 アマリリス

A級 ブルースカイ

A級 フルーツパニック

A級 魔の手

B級 ドラゴンズアイ

B級 エンペラー

B級 夢幻の彼方

B級 ……


今日の敵はアマリリスだ。さらにブルースカイとフルーツパニックも混ざってくるだろう。


「始まるね」


アミがワクワクして開始時間を待っている。アクマ達は現在、自らの城で作戦会議をしていた。


「前回の偵察と公式の情報によれば、バリケードは全部で3ヵ所。1階は中央広間と2階階段前。これはここの城とほぼ同じ。あとは3階に向かう階段前にあるみたいだ。」


「3ヵ所か…時間次第では復帰戦もありうるって事だな」


「うん。1バリケードは主力メンバーがいないと思うから、2バリケードでアミとアインハルト、3バリケードで僕が切り札を使っていく。」


「分かったよ」

「了解だ」


アミとアインハルトの了承を得る。


「あと、今回も旗持ちは心愛にお願いしようと思う」


「はい。頑張ります」


何が起こるか分からないけど、ここからは全力で行こう。


「「「「「おーー!」」」」」


そして、20時を迎える。攻城戦の始まりを告げる鐘が鳴り、アクマ達はS級城を目指す。


開始前から城前で待機しなかったのは、時間をずらす事でブルースカイやフルーツパニックと鉢合わせしないようにだった。


アクマ達が城に入った時、他のギルドの姿は見当たらなかった。1バリケードに向かって進むが、バリケードはすでに破壊されていた。


1バリケードを素通りし、2バリケードを目指す。


「ストップ」


先行してたアクマが進行を止める。2バリケード前で戦闘が起こっていたのだ。その中にはミライの姿も見える。


地獄の炎(ヘルフレア)


ミライの放つ炎が戦闘中のプレイヤーを攻撃し、消滅させていく。


「あれがミライさんのエクストラスキルか…」


初めて見るスキルだが、威力的にホーリーレイより上だろう。アミ達がダメならアクマが出るしかなさそうだ。


「おそらくミライさんとやり合えるのは自分だけだろう。アミとアインハルトはヴィオラ達を頼む。レンと蒼は心愛の護衛を。行くぞ」


アクマ、アミ、アインハルトがミライ達に向かっていく。


「アクマか…。あれだけ無様に散っていったのに懲りない奴だ」


ミライとアクマが対峙する。


【パニッシュメントⅢ】


アクマの攻撃をヴィオラが防ごうと前に出る。


「ってーーーい!」


ヴィオラに向かってアミが突っ込んでいく。ヴィオラがアミに吹き飛ばされる。


「なっ!?」


アミの行動に呆気に取られたヴィオラだが、すぐに構え直す。これでミライとヴィオラの距離を離す事に成功した。後はアミ達がヴィオラを引き付ける。


そして、アクマの攻撃がミライに当たる。


【プロケアバリアⅣ】


しかし、アリーシェのバリアが発動し、ダメージを無効化する。


地獄の炎(ヘルフレア)


ヘルフレアがアクマに迫る。アクマのHPが3割減少し、魔法ダメージ反射でミライにもダメージが入る。


「なんだ。あいつのスキルか?」


ダメージを受けたミライはどうしてダメージを受けたのか理解できなかった。


【エクスヒールⅣ】


すかさずアリーシェがミライを回復する。


灰炎はいえん


次は高熱の炎がアクマを襲う。


今度はアクマでなく、ミライがダメージを受けた。


【クロスホーリーレイⅢ】


魔法反射を受けて動揺しているミライに光線が迫る。


「させない」


【プロケアバリアⅣ】


アリーシェのバリアでミライにダメージを与える事ができなかった。


「アクマ…どんなトリックかは知らないが、これで終わりだ」


ミライが詠唱に入る。


「やばそうだな…」


アクマの直感がそう告げている。


神聖なる加護ディバインブレッシング


破滅の黒炎ブラックルインフレイム

神聖なる閃光(セイクリッドシャイン)


2人の魔法が同時に発動する。破滅を呼ぶ黒い炎と神々しい閃光がぶつかり合い、それは次第に大きくなり・・・


「あ、これはやば…」


【プロケアバリアⅣ】

【プロケアバリアⅠ】


アリーシェとレンのバリアがお互いを守ろうと動いた。



ヴィオラに体当たりしたアミはそのままヴィオラと戦っていた。アミが天叢雲剣でヴィオラを攻撃し、それを防ぐ。


魔力解放マジカルバースト


アインハルトの魔力(MAG)が一気に跳ね上がる。アインハルトとアミは元々2バリケードで切り札を使うつもりだった。今更ためらいはない…。


二重詠唱デュアルスペル


アインハルトが詠唱に入る。詠唱を終えるまでの時間をアミが稼いでいく。


【メテオストライク】


アインハルトの詠唱が終わり、隕石がヴィオラに向かって振ってくる。


「こんなもの!」


銀璧シルバーウォール


やはり、ヴィオラも隠し玉を持っていた。シルバーウォールは()()()()魔法攻撃を完全無力化するエクストラスキルだ。


アインハルトのメテオストライクをヴィオラのシルバーウォールが防ぐ。


「無駄だよ。俺の銀壁は魔法攻撃を無力化できる」


「そうみたいだね。でも2()()()は防げないよね?」


防いだメテオストライクの影から2発目のメテオストライクがヴィオラに迫る。二重詠唱を使ったアインハルトの攻撃は2重攻撃になっていたのだ。2発目を防ぐ術がなかったヴィオラはメテオストライクを受け、砕け散った。


「やったね!」

「うん。アミのスキルは使わなくて済んだね」


アミとアインハルトは見事ヴィオラに勝利したのだった。その直後、バリケード側から大きな爆発が起こり、2人は急いでバリケードまで戻っていく。



結果的に、2人が起こした魔法はぶつかり合い、そして爆発した。同性質の魔法だったために優劣がつかずに爆散する結果になった。そして、その場にはアクマただ1人が立っている。


運が味方し、魔法反射が発動したので、アクマに危害が及ばず、すべてはミライに返った。その結果、ミライを中心に更なる爆発が起こり、相手プレイヤーを全滅させる結果となったのだ。


アクマ達に休息の時間はなかった。アクマはすぐに城内から足音が複数迫っているのに気づく。


「心愛、レン、蒼!今のうちに旗を持っていけ。残党がいるかもしれないからアミとアインハルトも護衛について」


アクマはそう言うと、入口からバリケードに迫ってくるプレイヤーに対峙していく。今の爆発で破壊されたバリケードを抜け、心愛たちは3バリケードを目指して進んでいく。


「さぁ、ここは通さないよ。それ以上近づくと本気で倒すよ」


アクマが駆け寄ってきたプレイヤーに忠告する。


「キミ1人に何ができる?」


「レフト。油断するなよ?こいつは強いぞ」


アクマに話しかけたのがレフト。フルーツパニックのリーダーだ。彼に声をかけるのは前回アクマが葬ったライト。


「そうか…こいつが例の?じゃあお仕置きが必要だよね」


「やる気って訳か」


一瞬の沈黙の後…


【クロスホーリーレイⅢ】

【一閃】


レフトの剣が空を薙いでアクマを斬ったと同時にアクマが放った光にレフトが呑まれていく。


「飛ぶ斬撃があるなんてな…」


アクマは斬撃を耐えていた。対するフルーツパニック御一行様は隊列の中央をぶっぱ抜きされた状態でリーダーを失っている。


「言わんこっちゃない…」


ライトがつぶやくが、すでに後の祭りだ。


【クロスホーリーレイⅢ】

【クロスホーリーレイⅢ】


残った隊列の()()も吹き飛ばして掃除を完了する。一応、アクマも3バリケードに向かって走り出すのだった。



実際、3バリケード前でアミ達は苦戦していた。心愛は後ろに隠れたままでアミが前面に出て攻撃を防ぎ、蒼とアインハルトが攻めている。


「ミライさん達を抜きでもここまでやるのか」


そう。3バリケードで防衛しているのはノインとミナミを含む防衛部隊だった。アクマの次点で火力のあるノイン、それに続くミナミによって足止めと高火力スキルでアミが押されており、それをレンが回復している。アインハルトと蒼が攻撃するも、相手の前衛に止められたり、バリアで防がれたりしており、戦闘は均衡を保っていた。


アミの切り札は護りの切り札…つまり、今は使い所ではなかった。かと言って、アインハルトのメテオストライクは単体攻撃スキルだ。詠唱時間も長いため、連発はしにくく、詠唱中の隙も大きいため、簡単には使えなかった。


フルーツパニックを掃討したアクマがそこに加勢したのは戦闘開始からすでに4分近く経過していた。移動時間を含めるとそろそろミライさん達が復帰してもおかしくない時間になっている。アクマは一気に決めるため、戦場に着くとすぐに魔法を放った。


【神聖なる閃光セイクリッドシャイン


アクマのMPすべてと引き換えに、先ほどまで均衡を保っていた防衛部隊を全滅させる。


「助かった」


「急ごう。時間がない」


「うん」


3バリケードを抜けた所でミライ達が復帰してくる。すでに掲揚台までの道は開けた。心愛は一直線にそこへ向かう。


「やらせない!」


地獄の炎(ヘルフレア)


ミライの攻撃が心愛に迫る。


「やっと私の出番かな」


【サクリファイス】


アミのサクリファイスは対象にした味方へのターゲットをすべて自分に置き換えるスキルだ。これにより、心愛を対象にしたヘルフレアがアミに直撃する。サクリファイス持続中はすべてのダメージを50%軽減するおまけ付きなので、アミヘルフレアを耐えきった。


【エクスヒールⅢ】

【神聖なる加護ディバインブレッシング


レンがアミを回復し、さらにアクマがバリアを張る。蒼は心愛と共に掲揚台に向かい、旗の攻撃に当たるった。


「こうなったら…」


ミライが再び破滅の黒炎ブラックルインフレイムの詠唱に入り、それを復活したヴィオラが守る。


それに気づいたアクマは無詠唱の【神聖なる閃光(セイクリッドシャイン)】をミライにお見舞いした。


光が弾け、すべてを呑み込んでいく。蒼が旗を破壊し、一応、ミライさんが復活する5分間まで遅延させ、旗を掲げた。


『この城はギルド【魔の手】に占拠されました』


この後、1バリケードを突破できた者はいなかったと聞く。こうして攻城戦は終わりを迎えた。宝物庫の宝箱は10個になっており、宝箱1つずつと残りはギルド資産という事で分配も終える。


「嘘だろ…?」

「アクマが取りやがった…」

「はっ?アクマが取りにくいようにわざわざギルド戦を組んだってのにか?」

「こりゃー次回開催までに修正が必要だな」

「はぁ…また忙しくなるな」

「再来週のイベントも最終チェックしとけよ」


アクマの知らない所で、アクマを監視している者たちが嘆いている事に彼は知る由もなかった。

ここまでご愛読いただきありがとうございます。


【お知らせ】

誠に勝手ながら、3月29日は休刊とさせて頂きます。

次回は3月30日、ギルド強化編『ギルドホームを手に入れたら…』をお届けします。

今後はボスラッシュや個人戦のイベントなども考えて行こうと思ってますが、読者様からこういうのが見たい、読みたいなどの意見があれば採用するかもしれません。それでは次話でまたお会いしましょう


【読者の皆様へのお願い】

読んで良かったと思わる方は、是非【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆(ポイント)評価】をお願いします。

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