12話 攻城戦に備えたら…
今日は土曜日なので、仕事が休みだ。アクマは久しぶりに朝からゲームにダイブしている。まだ誰もログインしておらず、アクマは久しぶりに1人で遊びに出かける事にした。
まずは酒場で有力な情報がないか確認するが、何も得られなかった。
「久しぶりだし…奴に会いに行ってみるか」
アクマはプリンス王国の西フィールドに来ていた。
「たしか…こっちだったかな?」
そのまま北に向かって進み、木々の森を抜けていく。やがてMAPが表示されない森に入った。アクマはその森を彷徨う。以前と違ってフォレストゾンビというモンスターが沸くようになっており、アクマは迎撃しながら進んでいく。出会い頭にホーリーライトを撃って終わりだ。やがて、霧が深くなってくる。
「もう少しだな…」
今回は1時間ぐらいで秘湯にたどり着いた。ここのスキルはアクマが習得済なので、無視していく。以前の猿型モンスターも健在だが、洞窟の入口がモンスターに守られているのは正式サービス時に修正された点だろうか?
『この先は、炎帝様が休息しておられる地だ。通すわけにはいかない』
二足歩行のトカゲ…いわゆるリザードマンってやつが2体でそこを守っている。
「炎帝に用があるんだけど…通してくれない?」
『ならば力を示すがいい』
【フレイムリザード】はそう言うと、いきなり魔法の詠唱に入る。
【サラマンドラⅤ】
【サラマンドラⅤ】
「っと!」
アクマは見覚えのある魔法を避ける。
【ホーリーライトⅩ】
【ホーリーライトⅩ】
それぞれのフレイムリザードに攻撃を当て、一撃で倒すと、洞窟に向かって歩を進めていく。やがて、溶岩の海に出る。
『誰ぞ?』
「久しぶり?いや、初めましてになるのかな?」
目の前で爆発が起こり、溶岩から炎帝が龍の姿で現れる。
『我が名は炎帝龍アグナギウス。この火山を束ねる者である。貴公は何故、我が根城に参られた?』
(ああ。この辺は同じなんだ)
「キミに会いに来ただけだよ」
『そうか、我と戦いに来たのだな…?』
「いや、だから会いに…」
『遠慮せずとも良い。さあ!かかって来い』
炎帝龍はそう言うと羽ばたき、空を飛ぶ。遠慮じゃなーいというアクマの声は羽音にかき消され…
【火竜連弾】
【ヒールリングⅠ】
10個の炎弾が広範囲に降ってくる。アクマはあえてそれに当たってみるが、ダメージは通らなかった。
「魔法は大丈夫…か」
【火竜炎極爪】
以前のようなターン制は存在せず、火弾に爪にと次々とアグナギウスの攻撃が降ってくる。さらに、スキルもすべて炎帝専用スキルに置き換わっているようだった。火竜炎極爪には貫通能力が付加されており、アクマも2割程ダメージを受ける。
【パニッシュメントⅢ】
アグナギウスに魔法を撃ち込み、HPを削る。パニッシュメント一撃でHPを1割強削る事ができた。続けてパニッシュメントで攻撃する。
『思った以上にやるではないか。ならばこれを受けて見よ』
【紅蓮之魔弾】
アグナギウスのギミック技が発動する。高熱の魔球が大地を焼き、フィールドが変化した。
『地形ダメージ:10/秒』
この時点から地形ダメージが大幅に増えていたが、秘湯の効果は割合回復なので、500/秒以上回復するアクマには意味がなかった。
【火竜炎極爪】
「っと!」
【パニッシュメントⅢ】
アクマは爪をできるだけ回避しつつ、パニッシュメントでダメージを与える。4発目のパニッシュメントでHPはイエローゾーンまで追い込んだ。
『ここまでやるとはな!貴公を強者と認めよう』
聞き覚えのあるセリフの後に…
【炎魔招来】
「違う!神威解放じゃない!?」
アグナギウスが閻魔こと炎魔を召喚する。見た目はそのまま閻魔大王だ。
炎魔とアクマが対峙する。アグナギウスは上空から見下ろしていた。
【パニッシュメントⅢ】
アクマは一応、アグナギウスに攻撃し、確かめる
『破壊不能』
(蒼帝と同じ仕組みなら…)
【鬼金棒】
炎魔が金棒を振り下ろし、アクマはそれを避ける。衝撃波のおまけがアクマを吹き飛ばすが、ダメージはなかった。
【獄炎】
しかし、吹き飛ばされ、体勢が崩れたアクマに地獄の炎が襲いかかる。炎はアクマの魔法耐性《RES》を無視してダメージを与えきた。HPが2割減少するが、ヒールで全快する。
【パニッシュメントⅢ】
アクマの一撃で炎魔はHPを4割減らした。そのままパニッシュメントを連発して炎魔を倒す。
『我が盟友炎魔を倒すとはな。我も本気で行こう』
【神威解放】
アグナギウスにオーラが宿る。同時に、火山が噴火して地形ダメージが200/秒に増加する。
【火竜弾流星群】
爆風付きの炎弾が15発振ってくる。炎弾でダメージを受けないのは立証済だ。火弾が迫ってくる。
さぁ…油断大敵という言葉を知っているだろうか?
アクマは2割のダメージを受けて吹き飛ばされる。それが2度、3度…と続いて行く。
「まじ!?」
HPがイエローゾーンになった所で、エクスヒールで回復し、HPがグリーンゾーンになるように回復を続ける。15発の攻撃が終わったと思うと…
【火竜双炎極爪】
防御貫通の2連撃がアクマを襲った。仕返しにと言わんばかりに
【パニッシュメントⅢ】
一気に4発の魔法を撃ち込み、レッドゾーンまで削った。そのままアグナギウスが天空に昇っていく。見上げれば米粒…
「こんな攻撃もあったな…」
【神聖なる加護】
先ほどの油断もったため、今度はバリアを張っておく事にした。
【飛来神】
一瞬で落ちてきたアグナギウスが大地を割り、火山が噴火して新たな大地を生成する。地形ダメージが500/秒に増加したが、これでも地形ダメージより回復量が上だった。
「これで終わりだ」
【パニッシュメントⅢ】
『名将を討伐しました。あなたが最優秀貢献者です。』
『特別経験値を獲得しました。』
『特別褒賞を手に入れました。』
《神紅の羽衣UR》Back ◇◇◇◇
DEF60 INT+30 DEX+30 CAPD+20%
魔法攻撃で与えるダメージ+20%
※適性レベル30
蒼帝、炎帝と倒してきたアクマのレベルがついに50になった。
『見事我に勝利した貴公に我の力を授ける』
【紅蓮之魔弾】消費MP100
火属性の魔弾が大地を攻撃する。
(火属性:敵にMAG×100%のダメージ+半径30歩以内に30秒間200/秒の地形ダメージ)
習得条件:炎帝を討伐する。
謎のスキルを手に入れ、夕方の攻城戦に備えるのだった…。
タイトルが予定と変更になってます。
次回、攻城戦編 第13話『最終日に向けて防衛したら…』は3月27日0時までに更新予定です。
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