8話 もう1つの戦いの行方は…
今回は3日目の裏側のお話です。
「ミライさん。戦いに来たぜ」
そう言うのはアクマの父親でもある白羽だ。
「白羽…いや、赤羽か。お前らもこっちに来ていたとはな」
「ああ。前のランキングでお前の名前を見てな。まさかとは思って調べると…」
「アタリって訳だ。ヴィオラやアリーシェも一緒って事は間違いなく、あのミライさんだろう」
カナデが割り込んできた。そう、ミライや仲間達はアクマやその仲間達と同様に同じゲームでのプレイ経験がある。その時に共に戦った仲間でもあり、ライバルだ。
「アクマ達はまた知らないみたいだが、また戦えるなんて嬉しいぜ」
カナデが闘志を燃やしている。
「倒せるかな?この俺を…」
「1週間出遅れちまったからな。だが、負ける気で戦いを挑むほど愚かでもない」
白羽がそう言い切り、戦闘態勢に入る。
「ヴィオラ!」
「任せな!」
ヴィオラがミライの前に立つ。そして2ギルド間の戦いが始まった。
【デュアルファイアⅥ】
先陣を切ったのはハイウィザードとなった白羽の魔法だ。それをヴィオラが盾で防ぎ、ダメージは通らない。
「そんな威力じゃ俺は倒せないぞ」
ヴィオラが白羽に言い放つ。
「にゃろう。相変わらずの防御力だな?」
【メガフレアⅢ】
ミライの魔法が白羽に迫り、アーマーナイトとなったカナデが割って入る。
ミライのメガフレアを防ぐが、それは1発で終わらなかった。連鎖爆撃の効果で、メガフレアが連鎖する。2発、3発と連続で攻撃を受けたカナデはレッドゾーンに達するが、流華のヒールで回復する。
「えげつねえな」
「だろう?初見で耐えられるのも見事だけどな」
カナデとヴィオラが短い会話を済ませる。ミライ以外の後衛陣も白羽をはじめとする後衛陣を狙って攻撃をしかけてくる。
カナデの防御が追い付かず、2、3後ろに抜けていく。
【プロケアバリアⅢ】
流華のバリアが後衛にいる味方を守る。範囲が自分中心の半径3歩と狭いので、前衛にまでは届かない。
【メガフレアⅢ】
ヴィオラとカナデが剣と盾を交えて戦っている。そこにミライの魔法が放たれる。
【アクアヴェールⅣ】
ブルースカイのソーサラーであるヒナが火属性魔法を軽減するフィールドをカナデ中心に設置する。
これでカナデが受ける魔法ダメージが軽減される。
【ダークファイアⅡ】
【デュアルファイアⅥ】
ダークプリーストとなった赤羽の攻撃と白羽の攻撃が同時にミライを襲う。
【プロケアバリアⅥ】
「そっちだけが使えると思わないでね」
今度はアリーシェがバリアを張ってミライを守る。
アマリリスの攻撃は流華がバリアで防ぎ、ブルースカイの攻撃はアリーシェがバリアで防ぐ。ヴィオラとカナデが交戦中で、ブルースカイのハイプリーストであるりくがカナデを回復する。ヴィオラはほとんどダメージを受けていない。
両者の戦いは拮抗しているかのように見えた…
【ポイズンダガーⅢ】
「僕を忘れないで欲しいね」
突如、アマリリスの後衛陣に現れ、次々とプレイヤーを倒していくのはスカウトになったラッシュだ。
「伏兵か。ノイン!」
「了解」
【ヘルグランドⅥ】
伏兵を狙った一撃が決まり、ラッシュが倒れていく。さらに…
「ミナミ!」
「はい!」
【メガフレアⅢ】
【エアリアルブラストⅥ】
【アースクエイクⅡ】
ミライとミナミの攻撃がカナデを襲う。さらに広範囲魔法"アースクエイク"のおまけ付きで。
ミライの連鎖爆撃が決まり、カナデは倒された。これにより、ヴィオラがバリアを突破してブルースカイは敗れたのだった。
ミライ達はそのまま城を掌握し、カナデ達は再び挑む。結果は変わらず、カナデ達の敗北だった。辛うじて、元城の奪取には成功し、翌日の挑戦権は得た。
「アクマ達も負けたか?」
「そうらしいな。明日はあいつらとか」
戦いの後、宝物庫でカナデと白羽が話す。
「いつかは当たるんだ。ミライさん達は上に行くだろうし、今日のとこを取ろう。あとはアクマ達がどうでるか…」
「楽しみだな」
「そうね。私たちにとってもね」
そこには2人の会話を聞きながら、微笑む2人がいた。
急な仕事が入ってしまい、執筆が間に合わないので、12時更新に変更致します。大変ご迷惑をおかけしますが、ご了承下さいm(_ _)m
次回、攻城戦編 第9話『親子対決が実現したら…』は3月23日12時に更新予定です。
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