パーティーを組んでみたら…
お待たせしました!
今回はログインからという事で、現在のステータスやスキル、装備も表示しておきます。さて、初パーティーに挑戦するアクマくん。果たしてどうなるのでしょうか?お楽しみ下さい。
朝、起床した琢磨は軽く朝食を済ませ、VR室へ向かう。流華がパーティに入ってみると言っていたので、琢磨も今日はパーティプレイに挑戦してみるつもりだ。早速VR世界へダイブしていく。ログイン画面に表示されたステータスは魔法攻撃力に特化している形になっていた。
「どこまでINT上げようかな?60ぐらいで一旦止めるか?」
アクマ Lv:6【Priest】
[HP:195] [MP:380]
[STR: 0] [INT: 50] [VIT: 0] [DEX: 0] [AGI: 0]
[ATK:57] [DEF: 112] [MAG:328] [RES: 94] [HIT: 12] [AVD: 11]
[ASPD:150%] [CSPD:152%] [MOV:110%]
特【不死+30%】
[装備]
Main:《初心者用メイス》ATK+20 STR+5
Sub:《装備なし》
Head:《初心者用ハット》DEF+20 INT+5
Body:《初心者用ローブ》DEF+20 VIT+5
Hands:《退魔の手袋》INT+3 DEX+3、不死+10%
Back:《装備なし》
Legs:《装備なし》
foots:《初心者用シューズ》DEF+20 AGI+5 MOV+10%
Accessory1:《初心者用ペンダント》HP+100 MP+50 ASPD+50% CSPD+50%
Accessory2:《退魔のロザリオ》INT+3 DEX+3、不死+10%
【パッシブスキル】
[アンデッドキラーⅡ]
【アクティブスキル】
[ヒールⅠ][プロテクションⅠ]
そんな事を考えながら、ステータスを確認したアクマはゲームにログインしていく。転送された先は昨日ログアウトした場所。つまり、大聖堂のクエストカウンターだった。その足で早速、酒場まで歩いていく。酒場に着いたが、流華の姿は見当たらなかった。
募集掲示板を覗いてみる。募集中のパーティーは黒文字で書かれており、終了したものは灰色で書かれていた。今募集であるのは二つぐらいだった。
【プリンス南メガスライム討伐】投稿者:アーク 9:48
週間クエスト、グリーンメガスライム3体やります。
火力、ヒーラー募集中
【ヒーラーペア募集】投稿者:ジャック 9:52
場所相談しましょう。当方マジシャンLV14。ファイアメイン
初心者のアクマにとって、ペアは難しい。となると、スライムか。メガスライムはあの巨大スライムの事である。つまり、アクマにとっては煮え湯を飲まされた借りがある。記事をタッチし、指定されたテーブル席に移動する。テーブル席には水色の短髪で、皮の鎧を着た男性と短い金髪に赤いローブの男性が座っていた。アクマはテーブルに近づくと声をかけた。
「あの、メガスライムの掲示板を見たんですけど」
「ああ。えっとプリーストで良かったかな?俺はアーク。ウィザードをしている。レベルは12だ。こっちはガイア、ナイトでレベル10だ。」
「ガイアです。よろしく」
ローブの男性が答える。ガイアと紹介された男性は短く自己紹介をした。それに続いて、アクマも自己紹介を返す。
「あ、アクマです。プリーストでレベルは6です。スキルはヒールとプロテクションが使えます 」
「レベル6か、回復量は足りるかい?最低でも200はないときついぜ?」
想定より低かったのか、アークが尋ねてくる。しかし、アクマのMAG値は300を超えているため、問題にはならないはずだ。
「大丈夫です。MAG300あるので十分かと」
「それならOKだ。よろしく頼む」
こうして、アクマは無事パーティーに迎え入れられたのだった。
「あと一人火力募集するから、その間にクエストを受けて来な」
そう言うと、アークは内容の訂正のため、掲示板へ向かった。アクマもそれに付いて、クエストボートに向かう。
【本日のクエスト】
ラビットの足×10個 納品
クロコウモリ×3体 討伐
【今週のクエスト】
グリーンメガスライム×3体 討伐
アーマーゾンビ×3体 討伐
レッドスライム×10体 討伐
オーク×10体 討伐
クエストボートには6つのクエストがあり、毎日入れ替わる本日のクエストと毎週入れ替わる今週のクエストから成っていた。アクマはメガスライム討伐のクエストをタッチし、受注すると席に戻る。
そして、すぐに4人目が集まった。4人目は黒髪のハンターで、女性だった。4人は軽く自己紹介を済ませる。ハンターはレインと名乗り、自分と同じ初心者装備だ。メガスライム討伐の注意点や対策、攻略について確認し、4人は酒場を出た。酒場から南門に向かい、街を出る。さらに南へ進み、川がある場所へと歩いていく。川原には、すでにいくつかのパーティーがいた。
他のパーティーから離れた位置でスライムのスポーンを待つ。アークの情報によれば、メガスライムは川原の範囲にプレイヤーがいると10分毎に1体スポーンするらしい。しかも、プレイヤー同士が離れており、同一パーティーでない場合はパーティー数分スポーンするらしい。
そうして待つこと8分。まばゆい光と共に巨大な緑色のスライムが現れた。
ガイアが右手に剣、左手に盾を構え、剣でスライムを攻撃する。ガイアがスライムをターゲティングした事で、他のメンバーにもHPバーが表示される。
アークが魔法詠唱に入る。レインも弓を放ち、攻撃を加える。
[ファイアⅡ]
アークのファイアがスライムを焼く。しかし、HPバーはイエローゾーンで減少をやめた。
[分裂Ⅱ]
スライムの固有スキル[分裂]が発動する。スライムはHPバーを5割にしたまま3体に分裂した。大きさは元の半分程度である。
「ガイア!」
「任せとけ!プロテク頼む!」
そう言われたアクマは慌ててプロテクションを詠唱する。ガイアは分裂した2体もターゲティングする。
[プロテクションⅠ]
ガイアにプロテクションをかけると被ダメージは減少するが、3体分の攻撃を受けるガイアのHPは減りも早い。アークは魔法詠唱、レインは弓でそれぞれスライムを攻撃する。アクマもヒールをかけてガイアを回復する。そして3体いたスライムは残り1体となった。そのスライムのHPもレッドゾーンまで減少する。
「おい、離れろ!」
「えっ?」
アクマはガイアに近づいて回復していた。そのため、スライムとも距離が近かった。アークに注意されたが、すでに遅かった。
[分裂爆破Ⅱ]
アクマは爆発に巻き込まれ、光となった。パーティープレイ中は即時転送とならず、魂だけとなってそこに留まる。転送まであと60秒と書かれていた。
アークはアイテムを取り出し、魂だけの状態となったアクマに使用する。
【世界樹の雫】
魂となったパーティーメンバーに使用可能。HP10%の状態で復活する。
アクマの魂に光が集まり、身体を再生する。
「ヒールを!」
復活したアクマに向かってアークが叫ぶ。
[ヒールⅠ]
アクマは自分にヒールを使用し、HPが全回復する。直後に光の粒子が宙を舞う。分裂して強化された攻撃力を持つスライム3体のターゲットだったガイアは爆発のダメージも受けており、意図も容易くHPを全損させた。
ターゲットを失った3体のスライムはそれぞれがアクマ、レイン、アークを攻撃する。
アークは応戦するも、攻撃を受けて詠唱ができない。魔法が使えないウィザードはもはやスライムの敵ではない。防御力も低いため、容易く蹂躙され、光になって消えた。
アクマは強化されたスライムになす術もなく、光になって消えた。
レインは弓でなんとかダメージを与え、1体目を倒したが、残った2体に蹂躙されて光になって消えた。
こうしてアクマの初パーティーは壊滅という結果に終わったのだった。
はい。残念な結果に終わりました初パーティーですが、どうだったでしょうか?
初戦闘の時にメガスライムのステータスを出していたので、被ダメージを上げられず…
結果、スキル調整で鬼畜モンスターに生まれ変わってしまいました。
防御は0のままなので、タンクさえしっかりしてれば耐えられるのですが、回復が追い付かないですね。(盾はガードスキルを使用しており、ポーションは使えない設定です)
さて、次回もメガスライム討伐は続きます。
第7話「メガスライムと再戦したら…」は2月4日0時更新予定です!
【登場モンスター設定】
グリーンメガスライム(BOSS)
HP500 ATK200 DEF0 RES0
スキル
[分裂Ⅱ]HP50%以下で発動。HP50%の状態で3匹に分裂する。
[分裂爆破Ⅱ]HP10%以下で発動。発動時、周囲にDEFを無視した爆発ダメージを与え、HP10%の状態で3匹に分裂する。
グリーンメガスライム(分裂)
HP250 ATK300 DEF0 RES0