表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/77

4話 アミが転職したら…

翌朝、アクマはアミのレベリングに付き合う約束だったので彼女と合流し、プリンス騎士団に来ていた。アミがジョブクエストが終わっていないと告げたのは、今朝の事である。すでにレベル38であるため、もらえる経験値は物足りないが、スキルの強化と習得のために騎士団に行く事になった。


初級のクエストは終わっていたので、2人は騎士団中級ダンジョンに向かう。騎士団のダンジョンは訓練所をモチーフに作られており、中級ダンジョンは塔になっていた。2人はホブゴブリンや、ゴブリンソードを倒しながら、階段を登る。2階の奥、3階へ続く階段前にボスは居た。


牛の頭に、強靭な人間の肉体を持つ怪物――


そう、"ミノタウロス"だ。


「多分中級レベルだから楽だと思うけど」


「私がやる!」


アミは自ら剣を抜き、ミノタウロスと対峙する。


(あれ、剣なんて使ってたかな?)


アクマは疑問に思いながらも、アミの戦いを見物する。アミの攻撃はミノタウロスのHPをどんどん削っていく。


【ツインアックス】


ミノタウロスが2本目の斧を取り出し、攻撃の手数が増える。アミは器用に盾で、剣で、攻撃を弾いては隙を見て反撃していく。


【アックストルネードⅣ】


ミノタウロスが斧で回転斬りを放ち、アミは盾で受ける。攻撃が止むと、そこに剣を突き出し、ミノタウロスにダメージを与える。そしてあっさり倒してしまった。


「これ、僕必要でした?」


「念のためだよ!」


アミはクエスト周回のため、ミノタウロス討伐を繰り返していく。


「次はやっと上級だよ」


「はいよ」


アクマとアミは3階に進んでいく。雑魚モンスターも手強くなっているはずだが、アクマの敵ではなかった。ホーリージャッジメントで倒して進み、小部屋に出る。部屋の奥には少女らしき"敵"がいる。アクマは大聖堂で同じ光景を見ていたため、即座に敵と判断できた。


「アミ。名将ネームだよ。気をつけて」


「そんなはずないじゃん!泣いてるんだよ?かわいそう」


アクマはアミに注意を促すが、アミは聞き入れず、少女に近づいていく。


「ったく!」


【ホーリーライトⅥ】


アクマが放った5色の光が少女を襲う。


「ちょっと!」


アミは抗議しようとしたが、少女が振り向いて来たので、身構える。真紅の髪と燃えるような紅い眼をした少女は魔法を唱えた。


【魔獣召喚Ⅳ】


赤い召喚陣から現れたのは、赤い魔獣が3体。HPが1割弱減った少女をターゲットすると【召喚術師ホムラ】と表示されていた。名前表示は今回から実装されたシステムで、プレイヤーやモンスターをターゲッティングすると、名前が分かるようになっている。アクマはホムラを中心に魔法を発動する。


【ホーリージャッジメントⅤ】


範囲に入っていた魔獣は消し飛び、ホムラもダメージを受ける。アミも戦闘体勢に入り、前衛に出ていた。


【アストラルファイアⅣ】


ホムラの魔法がアミを襲うが、アミが受けるダメージは2割程だった。アクマは攻撃を重ね、イエローゾーン手前でアミを回復する。


ホムラのHPがイエローゾーンに突入する。


【火炎地獄】


小部屋全体が炎に包まれ、アクマ達は持続ダメージを受ける。


【火之御霊】


続けてスキルを発動し、炎から火の玉が次々と現れ、アクマ達を襲う。


【ホーリージャッジメントⅤ】


しかし、ホムラを中心としたアクマの攻撃に、火の玉も巻き込まれ、消えていく。アクマはジャッジメントを連発し、火の玉を寄せ付けない。それどころか、あっという間にホムラのHPをレッドゾーンにした。


【蓮獄】


持続で受けるダメージが倍になるが、ホムラのHPが尽きるのが先だった。


【名将を討伐しました。あなたが最優秀貢献者です。】

【特別経験値を獲得しました。】

【特別褒賞を手に入れました。】


今回も先に倒したプレイヤーがいるのか、何のドロップもなかった。


2人は他の道を進み、4階にたどり着く。最上階になっており、クエスト対象のボスだけが立っていた。


【騎士団長ガレリア】


「団長がボスかよ!?」


「行きますよ!」


アミは駆け出す。騎士団長は名将の扱いではなかったため、あっさりと倒れた。周回し、クエストを終えた時にはアミのレベルは40を超えていた。


転職クエストはパーティーでは進行できないため、アクマはアミと別れて酒場に向かう。ちょうど、レンと蒼がログインしてきたので、大聖堂のクエストを消化する事にした。


レンにもホーリーライトを覚えさせるため、ゾンビはヒールで倒してもらう。レベル20を超えているので、中級のスケルトンも楽に倒せていた。もちろん、アクマがタンク役を担っている。蒼も倒さない程度にダメージを与え、アシスト役として協力していた。


ジェネラルスケルトンは、アクマにダメージを与える事が出来ずに蒼とレンの攻撃で倒されていく。2体目のジェネラルスケルトンを倒した時にアミからメッセージが届いた。


『転職できたよ!』


「アミから連絡があったから引き上げるよ」


「はーい」


3人は酒場に戻っていく。酒場でアミと合流して第一声…


「アクマさん!プレゼントを下さい」


「あー。うん」


アクマはイベントリから剣を取り出し、アミに渡す。


《天叢雲剣EX》Main ◇◇◇◇ 適性:Lv40 聖騎士パラディン

ATK+480 MAG+360 AllStatus+20 聖属性

物理攻撃で与えるダメージ+30%


「えっ……、っえええぇぇーーーっ!?」


アミはその剣を見て驚く。それはアミが八岐大蛇ヤマタノオロチと戦った時に使った剣だ。実は、天叢雲剣の切れ味が良すぎて剣を持つようになっていたので、そのプレゼントはかなり嬉しい。


「でも、こんな武器どこで?」


アミの疑問はそこだ。はじめはレプリカで我慢しようかと考えていたが、メダルが足りないので諦め、適当な剣を使っていた。


「あー。MVPの報酬だよ。適性が聖騎士パラディンだし、アミが転職したら渡そうと思ってね」


アミがアクマに抱きつく。


「嬉しい」


その様子を顔を赤くして見るレンと顔を反らした蒼がいた。

次回、ギルド創立編 第5話『新たな力を求めたら…』は3月7日昼~夕方に更新予定です。


【読者の皆様へのお願い】

読んで良かったと思わる方は、是非【ブックマーク】と【評価】をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ