9話 アミと秘湯に向かったら…
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今日のレイドボスはクラーケインが2体と鬼面武者が1体だった。クラーケインはアクマが、鬼面武者はアミがそれぞれタンクの役割を果たし、討伐する。
「じゃあ、また明日ね」
「あ、私もこれでっ!」
「あ、アミちゃん。ちょっといい?」
流華達と別れ、アミがログアウトしようとするが、赤羽に声をかけられる。
「はい?大丈夫ですよ」
「ここじゃなんだから…向こうで話しましょう」
アミは赤羽と一緒にテーブル席に歩いていく。アクマは先にログアウトし、母親からの連絡を待っていた。
「アミちゃん。まずはごめんなさい。昨日の事、アクマくんから聞いたわ」
「あっ!はい…」
アミは話の内容が分かったので、少し気まずくなる。
「あんな子だけど、悪い子じゃないから。仲直りのお手伝いをさせて欲しいの」
「べ、別に喧嘩してるって訳じゃないですよ?」
「アミちゃんもこのまま気まずいのは嫌でしょ?」
「それは…そうだけど」
「じゃあ、まずは明日、3人でまたダンジョンに行ってみましょ?あの温泉には秘密があるみたいだし、あの子が覗かないように私が見張るから…ね?」
「はい。それなら…いいです」
「何時頃に来られるかしら?私も家事終わらせて準備しておくから」
「予定はない…です。いつでもいいですよ」
「じゃあ14時にここで」
「はい」
「また明日ね」
赤羽はログアウトし、琢磨に連絡を入れる。アミは少し考えた後、ログアウトした。
…
翌日、アクマはアミと赤羽と共に森林都市フォートレスに来ていた。赤羽も採掘ギルドに登録を済ませ、3人は鉱山へ向かった。
今回も、採掘しながら進んで行く。魔鉱石は武具強化の素材なので、あるだけ助かるのだ。前回見つけた入口を採掘で壊して進む。広間に入り、現れるのは5体の魔鉱石ゴーレム…のはずだった。
しかし、現れた魔鉱石のゴーレムは1体…。
しかし、大きく七色に輝いていた。
「我が名はエーテル。魔鉱山の主である。これ以上、我が魔鉱山での狼藉は許さん。覚悟するが良い」
出口が塞がれる。
「こいつ名将だ!気をつけて」
アクマは2人に警告する。アミは大地の塔で、タイタンと交戦した経験があるため、名将の強さを知っている。赤羽は初めての経験だった。
「かぁ、赤羽さん。回復任せます!アミさんは盾お願い!」
「任せて!」
アミがエーテルに向かって行く。アクマはエーテルをターゲットし、ホーリーライトを放つ。
【ホーリーライトⅤ】
光は反射し、アクマを襲う。アクマのHPは一回の反射で2割を切った。
「やっぱ反射持ちだよな」
アクマは回復して2発目を放つ。
アミはなんとか耐えて、赤羽が回復している。長期戦は難しそうだ。アクマの攻撃も、大半が反射されるせいで、ゴーレムが受けるダメージは5発で1割程度だった。
【エーテルビーム】
ゴーレムのHPが1割減った事で、スキルを使用し始めた。ゴーレムが放つ光が、周囲の魔鉱石に当たり、乱反射する。
乱反射した光がアミ、赤羽、アクマをそれぞれ射抜く。アクマは1割程ダメージを受けた。アミもダメージを受けたがイエローゾーンで耐えている。赤羽はHPが蒸発し、魂が抜け出していた。
アミをヒールで回復し、赤羽を復活させる。
【リザレクションⅤ】
赤羽は復活するとアミを回復する。アクマは赤羽を回復し、攻撃に転じる。正直、かなり辛い戦いだが、ソロの時よりは楽に戦えていた。
アクマは赤羽に近づき、ビームに備えつつ、魔法を撃ち込んでいく。
【エーテルビーム】
アクマは赤羽を庇い、ビームを受ける。赤羽は倒れなかったが複数のビームを浴びたアクマはイエローゾーンになっていた。自ら回復し、再び攻撃に転じる。攻防を続け、エーテルのHPがイエローゾーンに突入した。
【魔鉱之力】
ゴーレムの輝きが、一層強くなる。
(あっ!これは…)
そう。記憶に新しいと思うが、魔鉱之力はステータス向上だ。魔法反射力も上がる事になる。つまり…
「ああ。また詰んだ…」
んっ?"また"?
「ああーっ!」
忘れていた。貴重な採掘源!
「アミさんピッケル!」
「あっ!うん!」
2人はピッケルでエーテルを攻撃し始めた。その様子を、赤羽は不思議そうに見ていた。
エーテルから採掘できた魔鉱石はなんと、純魔鉱石だった。エーテルを採掘しつくしたアクマは、ホーリーライトで攻撃を再開する。ダメージは倍以上に跳ね上がり、どんどんエーテルのHPを削った。
【エーテルビーム】
エーテルの体の輝きは失われており、スキルは不発に終わる。そして、ついにレッドゾーンまでHPを削った。
【再結晶化】
エーテルの魔鉱石が復活する。アクマとアミは再び採掘モードになった。しかし、ゴーレムも馬鹿ではない。
【高魔力光線】
エーテルの持つ魔鉱石が輝き、全身からビームを放って来た。ピッケルを振りかざした2人はその光に呑まれていく。赤羽も距離こそあったが、光速で迫るビームに成す統べなく呑まれていった。
ビームの後に残ったのは魂が2つ…。それと…
【リザレクションⅤ】
HPを赤く染めたアクマが赤羽を復活させる。復活した赤羽はアクマにヒールを飛ばす。
【リザレクションⅤ】
次にアミを復活させ、赤羽がアミを回復する。次発が来るまでに魔鉱石を削る必要がある。アミとアクマはゴーレムの攻撃を受けながらピッケルで魔鉱石を削る。今度は魔鉱結晶というアイテムが採掘できた。
【高魔力光線】
残っていた魔鉱石からビームが放たれる。アクマとアミはすでに削った場所に隠れ、ダメージを逃れた。赤羽もなんとかかわしたようだ。2人で魔鉱石を削り切り、今度こそホーリーライトでゴーレムを倒した。
《魔結晶リングSSR》Accessory ◇◇◇ 適性Lv20
VIT+20 RES+100 魔法で受けるダメージ-20%
【名将を討伐しました。あなたが最優秀貢献者です。】
【特別経験値を獲得しました。】
【特別褒賞を手に入れました。】
《エーテルカードUR》Body
INT+10
魔法攻撃を受けた時、50%で相手に反射する。
特別褒章はカードだった。それと、地面にはエーテルの核が落ちていた。核を拾うとスキル習得の可能性がある事を2人に伝える。公平にアミがリング、アクマがスキル、赤羽がアイテム化した核と決め、アクマが核を拾う。
『エクストラスキルを習得しました』
【魔結晶の輝きEX】パッシブ
RES+20% 魔法攻撃を受けた時、受けたダメージの20%を反射する。
習得条件:魔結晶の核を入手する。
※エクストラスキルは1名のみ習得可能
アイテム化した《魔結晶の核》は赤羽に渡す。そしてこれからが本題である。赤羽とアミは秘湯に向かい、アミが入浴する。アクマは広間で留守番である。
しばらくするとスキルを入手したであろうアミが喜んで帰って来た。後に赤羽も続く。こうして3人の冒険は終わりを告げたのである。
レイドボス編 第10話『新たなレイドボスが現れたら…』は2月29日0時更新予定です。
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【2版】
エーテルカードとエーテルスキルの効果を修正しました。