5話 アミと冒険したら…
今日もアクマは朝から酒場に来ていた。今日はアミと装備集めを兼ねたレベリングに出かける予定だ。アミがログインする前に情報収集に来ていた。
情報掲示板で良さそうな情報を探す。正直、黒結晶装備はアミに渡してもいいと思っていたので、手、足、脚、背を中心に探していた。
「大地の塔ノームLv30から大地の籠手SR級かぁ」
早速1つ目の候補を見つける。大地の塔は魔法都市エメンタルのダンジョンだ。
アイアングリーブはR級だが、高い防御性能を備えており、アイアンゴーレムのドロップになっている。
もしかしたら?とイベントリを操作する。
「あった!」
《アイアングリーブR》Foot ◇
DEF80
特殊効果はないが、防御力は確かに高い。イベントリの中を整理してみると、他にも使えそうな物があった。
《銀の盾R》Sub ◇
DEF20 RES+20 魔法で受けるダメージ-10%
《ショルダーパックR》Back ◇
DEF40 STR+5
黒結晶の盾と鎧にスカルメット、アイアングリーブ、ショルダーパッド、あとは脚の情報かな。アクマが掲示板を探っていると
「痛っ!?」
後ろからどつかれた。
「アクマさんっ!聞いてますか?」
アミだった。どうやら掲示板を探すのに夢中で気づかなかったようだ。
「今日はどこに行きましょう?」
「とりあえず、今ある情報だと大地の塔かな?」
アミに聞かれてアクマが答える。どこ?と首をかしげるアミ
「あー。ほら?魔法都市の塔だよ」
ああ!と、アミの表情が変わる。そして2人は空港から飛行船に乗り、エメンタルに向かった。
「すごーい!キレイな所だね」
エメンタルは魔法に満ち溢れた都市で、あちこちで魔法を利用した仕組みが使われている。街を流れる水は循環し、街灯には火が灯っている。床は赤、青、黄、緑の4色に輝き、風は優しくて心地良い。今回の目的は大地の塔だ。黄で装飾された塔に向かう。
「ここは許可された者しか入れない。許可を得たければ、エメンタル魔法師団へ向かうといい。場所は中央塔だ」
どうやら入るにはクエストが必要みたいだ。2人は中央塔に向かう。
「魔法師団への入団は試験があります。入団希望者はこちらへ」
「えっと。大地の塔に入りたいだけなのですが…」
「はい。入団して頂ければご自由に入れますよ」
アクマとアミは試験を受けるため、NPCについていく。中央塔地下の闘技場に連れて来られた2人は猪型のモンスターと対峙する。試験はこのモンスターの討伐だった。
NPCの合図と共に戦闘が始まる。
【ホーリーライトⅤ】
アクマが放った光は猪に当たり、一撃で倒したのだった。
「2人を魔法師団団員として認めます。こちらが団員証です」
《魔法師団団員証:ランク1》
団員証にはランクが表示されていた。魔法師団で受けるクエストを受け、ランクアップ試験に合格するとランクが上がるらしい。とりあえず、大地の塔に関連するクエストを受けておく。そして、2人は再び塔を目指す。
「どうぞ。お入り下さい」
先程の門番に魔法師団団員証を見せると、すんなり中に入れた。
中は遺跡に近いダンジョンになっており、道端は広い。1階は土竜型のモンスターが多く見られた。パーティー設定は経験値均一分配にして、アクマが魔法で倒しながら2階を目指す。他にプレイヤーは居なかったので、ジャッジメントを使って適当に巻き込んで倒す。もちろん言わなくても一撃だ。
簡単に2階にたどり着いた。2階にはどこかで見たことのあるゴーレムがいた。ストーンゴーレムはアクティブだ。適当に歩き回ってジャッジメントを放っていく。
(ゴーレムは10前後だったな。次に急ごう)
アクマは3階を目指して歩く。ちなみにストーンゴーレムは"レベル18"だ。アーク達が苦戦したのはこのせいである。
3階の階段を見つけた頃にはゴーレムが全滅したと思う程の数を倒していた。
3階は目的の土妖精のいる場所だ。ノーム以外にも蠍や蛇みたいなモンスターがいる。蠍や蛇はアクマの魔法一撃で倒せたが、ノームは違った。
【ホーリーライトⅤ】
ノームのHPは一撃でギリギリ半分に届かなかった。ボス属性が追加されているため、他のモンスターより強い。
【アースグレイヴⅢ】
地面から大地のトゲが出て来てアクマを襲う。僅かだがダメージを受ける。気にせず、2発、3発とホーリーライトを放ち、ノームを倒した。ドロップはない…。ひたすら3階を徘徊し、ノームを倒していく。蛇や蠍はアクティブなので、トレインしてノームごとジャッジメントで攻撃して処理していった。何体目かのノームを倒し、やっとお目当ての"カード"が出た。
《ノームカードSR》Main
攻撃に風属性を付与する。風属性攻撃で与えるダメージ+20%
その後しばらくして大地の籠手も無事にドロップした。アミはひたすら付いて行き、アイテムを拾うだけで、退屈そうだったのは言うまでもない。
カードはアクマ、他のドロップはすべてアミに渡し、ノーム狩りは終わりを迎えた。
「つまんなかった!」
「ごめんごめん!じゃあ4階は一緒に行こう」
膨れるアミをなだめて4階に向かう。
4階は広いフロアで巨人が1体、腕を組んでプレイヤーの挑戦を待っていた…
今回はあまり進展はなかったですが…
レイドボス編 第6話『大地の塔を攻略したら…』は2月25日0時更新予定です。