6話 落ちた先に進んだら…
「いてて…」
アクマは真っ暗な場所にいた。時々風が吹くのを感じる。
どのくらい落下したのだろうか?アクマのHPは落下によるダメージでイエローゾーンになっていた。
暗かった視界に慣れたのか、徐々に洞窟の輪郭が分かってくる。先程までの遺跡が岩の遺跡だったが、今は黒曜石の遺跡のようだ。
落ちて来た場所からは左右に2つある通路に繋がっていた。
風は左側から流れて来ている。おそらく、出口に繋がっているのだろう。
なら…
アクマは右側に歩を進めた。せっかくダンジョンに来たのだから、脱出するにも探索をしてからだ。
しばらく進むと、左右に通路が分かれていた。今度は適当に左に進んでみる事にした。
進むにつれ、暗かった通路に明かりが増して来た。そして、1つの部屋にたどり着く。
「ボス部屋かな?」
アクマは部屋の中を確認する。しかし、何もいなかった。壁は黒曜石で出来ており、一部に大きな鉄や銀の塊があった。
「さすがに持っては帰れないな」
部屋に入ったアクマは部屋を見渡し、奥に赤いボタンがあるのに気づいた。
近寄ってみるが何も起こらない。ボタンがあるなら
「押すしかないよな」
ポチッと赤いボタンを押した。
ビーッビーッ!
警報が鳴り響き、鉄と銀の塊が動き出す。銀のゴーレムが1体と鉄のゴーレムが4体が現れた。
「またゴーレムかよ…」
出口は鉄格子が下りて、通行出来なくなっていた。
「やるしかないのか」
アクマは5体のゴーレムと対峙する。接近される前に、まず1体!
【ホーリーライトⅣ】
アクマの詠唱が終わり、鉄のゴーレムことアイアンゴーレムに聖なる光が弾け…
反射する。アクマが受けたダメージは1割にも満たないが、反射は厄介だった。
「くそっ!こいつらも反射かよ」
アクマは叫んだが、それで反射がなくなるわけではない。
それにアイアンゴーレムには5割弱のダメージを与えている。倒せないわけではないのだ。2度、3度と続けてホーリーライトを撃ち込み、1体目のアイアンゴーレムを倒した。
しかし、残った4体のゴーレムに囲まれてしまった。
ゴーレム達がアクマに拳を振るう。
包囲されているアクマはそれを受けるが、HPは1割も減ってなかった。
アクマの防御力は、アイアンゴーレムの攻撃力より高かったため、アイアンゴーレムの攻撃ではダメージを無効化していた。
ダメージを受けないなら後回しで良い。シルバーゴーレムをターゲットにする。
【ホーリーライトⅣ】
シルバーゴーレムにホーリーライトを撃ち込み、光が反射してくる。
HPは2割強しか削れなかったが、反射ダメージも微々たるものだった。
2発目のホーリーライトを撃ち込み、シルバーゴーレムのHPをイエローゾーンまで削った。
【硬質化Ⅴ】
シルバーゴーレムがスキルを発動し、防御力が増す。
アクマもヒールで自身のHPを回復して応戦する。
硬質化で魔法ダメージも通りにくくなったが、与えるダメージが減った事で、反射ダメージがなくなる。
順調にホーリーライトでHPを削り、レッドゾーンまで追い込んだ。
【ゴーレムハンマーⅤ】
シルバーゴーレムの拳がアクマに迫り、アクマは横に飛んでそれをかわす。
パカッ!
「えっ!?」
ゴーレムの胸部が開き、核がむき出しになる。
【ゴーレムバスターⅤ】
コアが激しく光り、ビームを放つ。ゴーレムの行動を予想してなかったアクマは、回避直後の体勢が崩れた状態だったため、正面からビームを受けた。
ビームはDEF値を無視して、アクマを貫き、HPを5割削って行った。
ヒールで回復し、体勢を整えようとするが、アイアンゴーレムからの攻撃を受けて、起き上がれない。
【ゴーレムハンマーⅤ】
シルバーゴーレムの拳が迫る。アクマはそれを避けようと動く。
しかし、アイアンゴーレムからの攻撃を受け、ゴーレムハンマーをまともに受ける。HPは3割持って行かれた。続けて胸部が開く。
【ゴーレムバスターⅤ】
核が光り、再びビームが放たれる。アイアンゴーレムが邪魔で避けられない。ならば…
アクマは核を狙ってホーリーライトを唱える。
ビームがアクマのHPを削り、胸部が閉じようとした瞬間
【ホーリーライトⅣ】
核にホーリーライトが直撃し、シルバーゴーレムは倒れた。
残ったアイアンゴーレムはホーリーライトで倒していく。1匹に3発のホーリーライトを撃ち込み、戦闘が終わる。アクマはレベルアップし、23になった。
戦闘が終わったため、入り口の鉄格子が開く。
他に仕掛けがないか確認して、部屋を出ていく。
次は右側の通路に進む。同じように、明かりが灯っているが、敵の姿はなかった。こちらも部屋の奥にボタンがあった。
今度は青色のボタンだ。
「やっぱりボタンは押すしかない!」
ポチッ
ビーッビーッ!
「ああ。またこれか…」
アクマは再び現れたゴーレムと対峙するのであった。
今度はアイアンゴーレムを倒し終わってからシルバーゴーレムを攻撃し、5体のゴーレムを倒した。ここでもレベルが上がり、24になった。
こちら側も警報以外には特に仕掛けはなかった。
「見落としたかな?」
アクマは来た道を戻る。分岐路に戻って来たら…
左右の他に正面に道ができていた。しかも、赤黒い照明がほのかに光っている。
しかも、その奥から禍々しいオーラが漂っている。
"何か"がいる。アクマはそう確信した。
本日2話目です。
サービス開始編 第7話『遺跡のゴーレムと戦ったら…』は2月15日0時更新予定です。
※更新日間違えてました。(すいません)