キャラクター作成しようとしたら…
1話を読んで頂きありがとうございます。ここからゲームの世界を描いて行こうと思います。
それでは2話もお楽しみ下さい。
「ここから新しい冒険が始まるんだな」
高校を卒業し、琢磨はVRマシンのある部屋にいた。書類審査、面接審査を通過し、身体計測、健康診断を受け、4月から晴れてテスターとなったのだ。1次募集から採用された人達は先週からVRゲームにログインしているらしい。
テストプレイ期間中はテスター毎に割り振られたVR室と寝食用の部屋が1室自由に使えるようになっていた。食事は部屋のモニターから注文できる。外出も自由だが、20時間/週のプレイ時間がノルマになっている。また、プレイ時間に応じた報酬も出る。琢磨は早速VRマシンに入り、センサー類を取り付け、ベッドセットを被る。そのままVR世界へダイブしていく。
キャラクター名【アクマ】
性別【男】女
職業【ウィザード】、ナイト、プリースト、ハンター
「これで良しっと」
決定ボタンを押す。
「希望する職業は上限人数に達しました。抽選の結果、あなたは【プリースト】になりました。」
と画面に表示された。
「えっ、プリースト…?ウィザードのつもりで考えてたのに…。他の職なんて触った事ないよ。しかもプリーストって大変だし」
しかし、決まった事は仕方ない。なんせテストプレーヤーなのだから。そのまま容姿作成の画面に移行し、黒髪ショートのキャラクターを作成する。次はステータス画面に移行した。
ステータスポイント:100
【STR】Strength:近接物理攻撃力、最大所持重量に影響する
【INT】Intelligence:魔法攻撃力、最大MPに影響する。
【VIT】Vitality:防御力、魔法防御力、最大HPに影響する。
【DEX】Dexterity:命中力、遠距離物理攻撃、詠唱速度に影響する。
【AGI】Agility:移動速度、攻撃速度、回避力に影響する。
※残存ポイントは持ち越されます。
「自分で割り振る事ができるのは5つか・・・。プリーストって事はヒーラーだよな…。じゃあ全部INTにしておくか・・・」
INTのボタンを押し、決定を押す。そして現在のステータスが表示される。
アクマ Lv:6【Priest】
[HP:20] [MP:210]
[STR: 0] [INT: 40] [VIT: 0] [DEX: 0] [AGI: 0]
[ATK: 2] [DEF: 2] [MAG:202] [RES: 42]
[HIT: 1] [AVD: 1]
[ASPD:100%] [CSPD:102%] [MOV:100%]
ゲーム世界へ転送します。というアナウンスが聞こえ、光に包まれる。
「ようこそ。バーチャル・テスト・オンラインへ。ここはプリースト養成のための施設、プリンス大聖堂です。こちらではプリースト専用のスキル習得クエストや専用のアイテム販売を行ってます。また、奥には初級、中級、上級とランクに合わせたダンジョンも用意しています。まずは基本的な操作から…」
目の前に現れた修道女のNPCが解説する。基本操作のレクチャーを受け、最後にアイテムをもらった。
《初心者用メイス》
ATK+20 STR+5 LV10以上の時、ATK-20 STR-5
《初心者用ローブ》
DEF+20 VIT+5 LV10以上の時、DEF-20 VIT-5
《初心者用シューズ》
DEF+20 AGI+5 MOV+10% LV10以上の時、DEF-20 AGI-5 MOV-10%
《初心者用グローブ》
DEF+20 DEX+5 LV10以上の時、DEF-20 DEX-5
《初心者用ハット》
DEF+20 INT+5 LV10以上の時、DEF-20 INT-5
《初心者用ペンダント》
HP+100 MP+50 ASPD+50% CSPD+50%
LV10以上の時、HP-100 MP-50 ASPD-50% CSPD-50%
《初心者用ポーション》
消耗:HP200回復 LV10以上の時、回復量-150
アクマはもらった装備を身に付ける。
Main:《初心者用メイス》ATK+20 STR+5
Sub:《装備なし》
Head:《初心者用ハット》DEF+20 INT+5
Body:《初心者用ローブ》DEF+20 VIT+5
Hands:《初心者用グローブ》DEF+20 DEX+5
Back:《装備なし》
Legs:《装備なし》
foots:《初心者用シューズ》DEF+20 AGI+5 MOV+10%
Accessory1:《初心者用ペンダント》HP+100 MP+50 ASPD+50% CSPD+50%
Accessory2:《装備なし》
「なかなかいい装備だけど、LV10になると効果がなくなるのか・・・。それまでに新しい装備を探せって事なのかな。ここから南に行けば外に出られるみたいだけど、まずはこの中を回ってみるか。」
そうしてアクマは大聖堂内を探索する。最初に転送された場所が祭壇で祭壇の奥に初級と書かれたダンジョンの入口があった。祭壇を降りて身廊を進む。途中で左右に道があり、その奥に小部屋があった。入口側から向かって右側にアイテムショップ、左側にクエストカウンターがあった。アクマはクエストカウンターに立ち寄ってみた。
「クエストか・・・。とりあえず何か受けてみようかな」
カウンターのNPCに話しかけ、クエストリストが表示される。ほとんどは灰色の文字になっており、受注する事ができないようだ。その中で、1番上に表示されたクエストだけ黒色で表示されており、受注できるようになっていた。クエスト内容を確認するとゾンビを10体討伐となっている。
「これしか受けられないし、とりあえず受けとくか。LV1だし、ダンジョンはまだ早いだろうしね。まずは街を回って情報を仕入れないと」
アクマはクエストを受注し、そのまま大聖堂の入口に向かう。南の入口から外に出て、プリンス王国の街へ繰り出した。まばゆい光がしたと思うと、すぐに視界が開けていく。回りは西洋風の造りの街並みが広がっていた。マップも表示されており、大聖堂は街の北側に位置するようだ。
「街の中心はこのまままっすぐ南かな。そこまで行けば何かあるだろう」
アクマは街の中心に向かって歩きだした。
街の中心は噴水になっていた。その四方が大通りになっており、北側は今通って来た道だ。八方にはそれぞれ道具屋、武具屋、宿屋、酒場がある。街の中心だけあって、プレイヤーらしき人も数人見られた。
「まずは情報収集と行きますか。なら酒場かな?でも未成年だしなぁ…」
悩んだアクマは未成年ということで酒場には行かず、宿屋に向かって歩きだした。宿屋に入るとすぐにカウンターがあり、メイド服を来たNPCが話しかけてくる。
「いらっしゃいませ。こちらは宿屋プリンスです。休憩ですか?宿泊ですか?」
アクマの目の前に【宿泊:10000C】【休憩:1000C】というプレートが出てくる。
Cはクレジットの略で、このゲームの通貨単位だ。所持金は初期金額で3000C持っていた。
カウンターの奥に注意書きがあり、休憩するとその場でHP、MPが全快する。宿泊すると休憩と同様のサービスを24時間受けられると書いてある。
戦闘を行っていないアクマのHPもMPも満タンだ。回復は必要なかった。
「今は大丈夫かな。また必要なら来るよ」
そう言い残して宿屋を後にしようとした時、宿屋の扉が開いてプレイヤーが現れた。
宿屋に入って来たのは3人。1人目は木のプレートと盾装備した白髪の大男、2人目は自分と同じ防具に杖を持った赤髪の小柄な女性、3人目も自分と同じ防具で腰に短剣をつけた黒髪で小柄な男性だった。アクマは3人とすれ違うように宿屋を去ろうとした・・・が、大男の方から声をかけてきた。
「おい、そこのお前」
「はい。何かご用でしょうか」
「お前のその武器はプリーストだよな?
仲間が怪我をしてんだ。回復できるか?」
3人組が宿屋を訪れたのは回復サービスのためだったようだ。しかし、始めたばかりでLV1のアクマに回復スキルはない。
「まだ街に来たばかりでスキルを覚えてないんです。」
「チッ。使えねープリーストだな。2人共宿屋で休憩するぞ」
そう言って大男は宿屋のカウンターに向かって歩いて行った。
「感じ悪い奴」
そう呟いてアクマは宿屋を後にした。
2話はキャラメイクからプリーストの拠点となる大聖堂、最初の街となるプリンス王国の一部や宿のシステムについて触れました。ステータスについてはいろいろ考えましたが、多すぎても難しくなるので、基本の5つのステータス(STR、INT、VIT、DEX、AGI)としてみました。そこから計算式で攻撃力や魔法力といった数値に換算しております。次回は初めての戦闘と言う事で
第3話「モンスターと戦ってみたら・・・」
となっております。では、次話でまたお会いしましょう。
【ステータス詳細について】
●ATK→Attack(物理攻撃力)
LVとSTR値、武器攻撃力を総合した値
●DEF→Defence(物理防御力)
LVとVIT値、防具防御力を総合した値
●MAG→MagicPower(魔法攻撃力)
LVとINT、DEX値、武器魔力を総合した値
●RES→Resist(魔法防御力)
LVとVIT、INT値と防具魔力を総合した値
●HIT→Hit(命中判定)
LVとDEX値、命中補正を総合した値
●AVD→Avoidance(回避判定)
LVとAGI値、回避補正を総合した値
●ASPD→AttackSpeed(攻撃速度/攻撃頻度)
LVとAGI、Dex値、武器種によるペナルティを総合した値
●CSPD→CastingSpeed(詠唱速度)
LVとDEX、INT値を総合した値
●MOV→Move(移動速度)
LVとAGIを総合した値




