2話 レベリングに出かけたら…
中級ダンジョンに進み、最初の十字路でスケルトンを待つ。左右からスケルトンが現れ、アクマに向かってくる。それを確認したアクマは詠唱に入る。
【エクソシズムⅣ】
聖なる光がスケルトンを呑み込む。レベルが1つ上がり4になった。先の通路は壁から襲ってくる罠がある。アクマのHPでは即死の可能性もあるため、レベルアップのステータスポイントをすべてVITにつぎ込む。
[HP522/522]
これなら襲われても平気だろう。そのままスケルトンを倒しながら通路を進む。VITに振ったステータスは裸の王様で倍になる。防御も堅くなり、スケルトンを倒して受けるダメージも40に抑えられていた。レベルもさくさく上がり、慰霊碑にたどり着いた時にはレベル8になっていた。
「こいつは流石にきついか?」
アクマはそう思ったが、倒せるかもしれないとも思った。そのために、さらにVITに10ステータスを振る。
いざ!慰霊碑の前まで進み、詠唱を開始する。スケルトンに囲まれたと同時に詠唱が完了する。
【エクソシズムⅣ】
シーン…。
「やっぱりこれはチートかなぁ…」
ジェネラルスケルトンすら一撃で倒したのだった。
アクマのレベルは10になった。
中級でこれだ。上級も試したくなる。
悩んだ結果、階段を降りる事にした。
ここの敵はグールとネクロマンサー、そしてクロンだ。クロンに会ったら逃げるとして、ゆっくり歩を進める。
最初の部屋が見えてくる。中はグールばかりだった。グールは足が早いので、部屋に入ってすぐに詠唱を始める。詠唱が終わる前に1体から攻撃を受けたが、ダメージは51と低かった。
【エクソシズムⅣ】
グールは光に呑まれて消える。レベルもさくさくあがる。小部屋をいくつか処理し、広めの部屋に出た。
「しくしく…」
中央に泣いている少女がいる。つい先日戦った悪霊術師クロンだ。アップデートでどれほど変わったかは分からないが、今はアクマも装備制限がある。前と同等ならダークライトを受けるだけで倒されてしまう。
アクマはクロンの部屋を避け、ネクロマンサーの部屋にたどり着いた。グールの部屋は倒して来たので、レベルは18まで上がっていた。
納骨堂に踏み込み、先手必勝の
【ホーリーライトⅣ】
光が弾け、ネクロマンサーにダメージを与えた。ネクロマンサーはHPの3割を残して立っていた。
【死霊死霊Ⅲ】
ネクロマンサーがスキルを発動し、魔法陣が展開される。魔法陣からはグールが召喚された。その数4体。
アクマはネクロマンサーを倒すため、ホーリーライトを唱える。
しかし
ネクロマンサーはダメージを受けなかった。
「なっ!?」
何故だ?アクマが気を取られた隙にネクロマンサーが詠唱を終える。
【ダークライトⅡ】
アクマのHPは2割も減らなかった。3体のグールが接近してくる。
あれ?
グールが1体消えてる? まさか!
アクマはもう一度ネクロマンサーにホーリーライトを唱える。
やはりネクロマンサーはダメージを受けなかった。
しかし、代わりにグールが倒れていた。
仕掛けは分かった!アクマはグールにホーリーライトを唱え、倒していく。
先にグールを倒せばダメージを受けるはずた!
しかし、アクマの考えは甘かった。
【死霊召喚Ⅲ】
ネクロマンサーは次々とグールを召喚してくる。
距離を詰めるとエクソシズムで倒せるが、グールの攻撃を受けてしまう。アクマの詠唱速度だと、3.7秒かかる計算だ。3体なら耐えられるだろう。4体になると、秘湯込みでもダークライトを食らうと厳しい。
耐えられないなら耐える数にすればいい。アクマはその場で詠唱を始める。残っていたグールがアクマに接近し、襲いかかってくる。ダメージを受けるが、1体なら余裕だ。ダークライトも飛んでくるが、HPの5割を残し、他のグールも寄って来た所で詠唱を終える。
【エクソシズムⅣ】
3体のグールが光に呑まれていく。それを見たアクマはヒールで回復しつつ、ネクロマンサーをエクソシズムに射程に入れるように近づいた。
射程。それはアクマだけでなく、ネクロマンサー側にも存在する。
【スローキャストⅤ】
「しまった!」
アクマの詠唱速度ににデバフがかかる。CSPD-50%…つまり、エクソシズムの詠唱が6.3秒に引き延ばされる。
それなら…これでも食らえ!と詠唱を始める。2秒強の詠唱になったが、アクマは耐えきり、魔法が発動する。
【エリアヒールⅠ】
指定エリアの中をネクロマンサーに合わせてエリアヒールを発動する。グールもネクロマンサーも"不死"だ。ヒールのダメージを受ける。それが決定打となり、ネクロマンサーは倒れた。アクマのレベルは20に上がった。
「ふう。なんとかなったな」
アクマは地上に戻ろうとしたが、ネクロマンサーのいた場所よりさらに奥に光が見えたのに気づいた。
アクマはゆっくりとそこに近づいた。そこにあったのは輝く棺だった。ゆっくりとその棺を開く。
輝くティアラを持って眠る先代の教皇だった。アクマはティアラに手を伸ばす。すると
『汝に枢機卿の資格なし。』
棺が閉まっていく。同時に転送装置が起動し、アクマは大聖堂に転送されたのだった。
今日も読んで下さりありがとうございます。
本日3話更新します!
サービス開始編第3話『酒場でガチャったら…』
2月12日18時更新予定です。
【登場モンスター】
スケルトンLv13 HP
ジェネラルスケルトンLv26 HP
グールLv32 HP
ネクロマンサーLv42 HP