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洞窟に入ってみたら…

アクセスが増えたり減ったりしながらも地道に更新して参ります!


本日は"あのカード"が火を吹きます(笑)

アクマは装備を外したまま、温泉かろ上がる。そして、少し離れた位置の猿型モンスターにターゲットを合わせ、詠唱を開始する。


[ホーリーライトⅠ]


猿型モンスターのHPバーはイエローゾーンまて減少する。威力は装備を外した方が上だった。そのまま2発目を撃ち込み光と消える。


それを見た猿型モンスターは逃げていく。モンスターが逃げていく様子を見ていたアクマは気付いた。


モンスターが逃げた方向、その先に何かある?


ゆっくりと近づいてみる。


霧で見えにくかったが、確かにそれはあった。洞窟だ!


中はほんのり明かりがある。水晶が紫色の輝きを放っていた。


アクマはゆっくり洞窟を進んでいく。洞窟の中一本道になっており、しばらく進むと出口が見えた。進むにつれ、暑さを感じる。出口に着いたアクマはその理由が分かった。


洞窟の出口は火山の火口付近に繋がっていた。少し開けた先は大地があり、その先は溶岩の海になっていた。


「火山だったのが、道理で温泉があるわけだ。」


アクマは呟き、開けた大地に足を踏み入れた。


「誰ぞ?」


誰もいない目の前からそう聞こえた気がした。アクマは辺りをキョロキョロと見回す。やはり、誰もいなかった。


と思った次の瞬間。目の前で爆発が起こった。そして溶岩の中からそれは現れた。


赤く鋭い眼光に赤黒く、分厚い鱗の身体と尻尾。翼は真っ赤な被膜で覆われ、所々マグマが吹き出ている。龍だ!


初めて見るその姿にアクマは驚愕した。


「我が名は炎帝龍アグナギウス。この火山を束ねる者である。貴公は何故、我が根城に参られた?」


言葉を話している?


「僕の言葉が分かりますか?」


「無論だ。我は神に創られし存在よ。そのような事は造作もない」


「あ、はい。えっと、この辺で魔法アイテムを探してたんですけど、どうやら間違えたみたいで」


「左様か。我が力が欲しくて来たのではあるまいな?」


「滅相もございません」


「そうか…」


アグナギウスと名乗る龍はどこか淋しそうだ。

仲間にしますか? はい いいえ


ふとそんな言葉が頭をよぎったが、すぐに振り払う。龍は淋しそうなので、そのまま去る事はせず、少し聞いてみる事にした。


「あ、アグナギウス様は詠唱を妨害されないアイテムがあるか知ってますか?」


「無論だ。我はその力を持っている。その力を願うのであれば力を示すが良い」


えっ…?


何この流れ?


嘘でしょ?


ドラゴン相手にソロなんて…


しかもプリーストだし。


勝ち目なんてない。


「準備は良いな?行くぞ!」


アグナギウスはそう言うと、翼を羽ばたかせる。


[火球連弾Ⅹ]


いくつもの火のつぶてが翼から発せられる。


「ちょ!!?まっ!」


良いとも戦うとも言ってない!


しかし、無情にも戦闘は始まったのだ。アクマは10つ降る火のつぶてを避ける。広範囲攻撃なのか、火のつぶては扇形に飛んでいく。避けるスペースは広く、簡単に避けられた。お返しと言わんばかりにアクマは詠唱する。


[ホーリーライトⅠ]


光はアグナギウスにぶつかり弾ける。ダメージは…減ってる気がしない。


「やったな小僧。次はこちらの番だ!」


[火竜炎極爪Ⅹ]


アグナギウスが突っ込んでくる!両腕の爪が赤く染まっている。正確には染まっているのでなく、マグナを纏っているのだが。どのみち触れたら終わりだ。


爪の軌道を見て避ける。ゾクッ!と悪寒がした。アクマはすぐさま地面に伏せる。直後、アクマの背中で爪が空を切る。左右の爪で2連擊だった。


攻撃が終わるとアグナギウスは静かに待っている。こちらが攻撃するのを待っているようだ。自分のAGI値は低く、判定になると確実にダメージを受けるだろう。次は避けられないかもしれない。回避するのも分身をターゲットに出来たら楽なのになぁ…


分身…?


「ああーっ!」


《グリーンメガスライムカードSSR》

発動スキル:分裂爆破Ⅱ


「どんなスキルか分からないが、試してみるか」


しかし、スロットがないと使えない。アクマの手持ちで使えそうなのは2つ。この中で使えそうなのは《スカルアーマーR》だ。


アクマは試しにスカルアーマーを装備してみる。


『適性がないので能力が軽減します』


装備のステータスが赤くDEF40 STR+2 VIT+2と書かれていた。本来の半分(切り捨て)の性能だが、装備できるなら使える!スロットが。


一度装備を解除し、スカルアーマーのスロットにカードを差し込む。


◇→◆グリーンメガスライムSSR 成功しました


そして、爆裂のスカルアーマーと名称が変化する。それを装備した。鎧を装備すれば裸の王様の効果はなくなるので、他の部位も装備する。

早速、スキルの確認をする。


分裂爆破Ⅱ:パッシブ

パッシブ効果:ATK+200 分裂Ⅱ使用可能

HPがレッドゾーンを下回る攻撃を受けた時、ダメージをレッドゾーンで無効にし、周囲5歩以内のモンスター及びプレイヤーにDEF値を無視したダメージを与える。その後、HP50%の分身を2体作成する。分身は任意の場所に誘導し、爆発させる事ができる。※爆発ダメージはDEFを無視して計算され、ダメージは使用者のATKに依存する。


分裂Ⅱ 消費HP50%

HP50%の分身を作成する。

分裂爆破習得時、分身は爆発させる事ができる。※爆発ダメージはDEFを無視して計算され、使用者のATKに依存する。


…。


これは…。


無敵なんじゃ…?


試しに…


[分裂Ⅱ]


HPバーがイエローゾーンになる代わりに分身が1体作成された。減ったHPはヒールで回復させる。MPは秘湯のめぐりの効果で回復する。


次々と分身を作り、100体の分身を火竜の前に整列させる。


そして…。[パワーライズⅡ][分裂爆破Ⅱ]


攻撃力を上げ、分身が爆発する。アグナギウスにダメージを与えた。僅かにHPが減少している。


「我に傷を負わせるとはな!どんどんいくぞ?」


[火球連弾Ⅹ]


再び火のつぶてが飛来する。しかし、アクマは避けない!火のつぶてがアクマに当たり、ダメージを与える。が、HPバーはレッドゾーンで耐えている。同時に分身が現れた。距離があったので、ダメージは与えられなかったが、これで耐えられる事も証明された。


[ヒールⅢ]


[分裂Ⅱ]


さらに分身を作っていく。100体で僅かだった。ならばもっと作ればいい。ただし、爆発の効果範囲が半径5歩なので、範囲にアグナギウスが入るように調節し、合計350体。


[パワーライズⅡ][分裂爆破Ⅱ]


凄まじい爆発音と共にダメージエフェクトがちらつく。


[火竜炎極爪Ⅹ]


攻撃を受けたアグナギウスが攻撃に転じる。その赤く染まった爪がアクマを引き裂き…。


ドゴォーーン!


爆発する。2擊目が来る前にヒールで回復する。そして…


ドゴォーーン!


再び引き裂かれたアクマが爆発してアグナギウスのHPを削る。そのまま上昇したアグナギウスが翼を広げた。


「やばっ!逃げろぉぉー!」


[紅蓮魔弾Ⅹ]


アグナギウスが羽ばたき、太陽に似た球体真下に向けて撃ち出した。そのままゆっくり降下してくる。


アクマは走る。直感がヤバイと告げている。そして後ろから爆風が襲い、アクマは壁に激突した。


「ってえ!」


HPはレッドゾーンのままだ。ヒールをかけたアクマは再びアグナギウスと対峙するため、振り向いた。



そこに、先程までの大地はなかった。火山は静かに噴火し、新たな大地が隆起する。その大地からは所々マグマが吹き出していた。


その中央にアグナギウスが立っている…。HPバーは9割残していた。


「ちょっとやり過ぎたか?まあいい。さあ、続きをやろうか?」


もう帰りたい。そう思うアクマだった。

本当はアイテムを手に入れて終わりの予定だったのですが、運営の方々がやれ!って言うので…。腕試しをさせる流れになってしまいました。こんなラスボス設定の敵とですよ?ほんと、無茶させます。次回決着です!


第14話「分裂して竜と戦ったら…」は2月10日0時更新予定です。

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