人物図鑑
◆主人公
魔法少女『クリック・クラック』
人間だった時の名前は不明。あらゆるすべてを終わらせるアーティファクト『ワールドエンド』に同化され魔法少女となった。その魔法は「触れたものを破壊する」ことだが、概念自体も破壊可能であるために速度を殺したり距離を破壊した遠距離攻撃も可能。
人間だった時の名残で人間不信を患っているが、本人に自覚はない。また強力な力を持つために政府から疎まれているが、本人は最初からそのつもりで動いていたため誰からも敵視されているのは自業自得とも言える悲観論者。本人は予定調和と言うだろうが。
人間が嫌いだがそれでも温もりを求めるという矛盾した渇望を抱えるため、基本的には敵対的な態度を崩さず一度攻撃されれば即座に噛み付いてくる危険人物。手を差し伸べてきたティアマトには暇つぶし感覚で守ってあげようと考えるが、実際には彼女とのコミュニケーションに依存している。アーティファクト『ワールドエンド』は『セフィロト』の正逆。
◆ヒロイン
魔法少女『ティアマト』
人間だった時の名前は研究データに記されているが、あまりにも有名な魔法であるため魔法少女の名前でしか呼ばれなくなった少女。無限に生命を増殖させるアーティファクト『セフィロト』に同化され魔法少女となった。その魔法は自在に操作可能な多種多様な魔物を生み出すだけでなく、植物を生み出すことや他人の生命力を補うことも可能とする。
人類の9割が死に絶えた『セカンド・インパクト』の時に覚醒し、命を奪われた犠牲者たちに新しい生命を与えてやったことで救世主になった。ただしその魔法は彼女が止めるか死ぬと消えるため、同時に命を盾に取った厄介な絶対君主でもある。ネグレクトされた経験から無意識に母の愛を求めているのだが、逆に自分がママっぽいことをして寂しさを紛らわせている。
人類9割の命は彼女の機嫌次第であるため同じ目線で話せる相手も居らず、本人も子供で難しいことを理解できないため自身の寂しさも自覚していない。そのためにごっこ遊びの一種でもママとして相手してくれるクラックに執着している。アーティファクト『セフィロト』は『ワールドエンド』の正逆。
◆覚醒した魔法少女たち
櫻樹アリス……魔法少女『ナイトメア』
危険度が低かったため人間の名前で呼ばれることが多かった魔法少女。暴走の経験から強大な軍勢を従えるようになった以降も、親しい者からはアリスと呼ばれ続けている。悪夢を現出させるアーティファクト『シルバリオ・キィ』を持つ。その魔法は無限の悪夢を召喚する際限のない恐怖であり、最強の軍隊。数や質に特に制限はないが、地球の両断程度ならともかくトーチライトを相手にできるほどの質を呼び出すのは負担がかかる。
母親がパチンカスで、金で魔法少女の実験施設に売られた哀れな少女。始めは軍人なら勝てる程度の質しか呼び出すことができなかったが、クラックとティアマトの家族ごっこに癒される一方でそれ以上のストレスを与えられて暴走させられた。家族ごっこの役割は娘役。
魔法少女『サーズデイ』
覚醒したと同時に『サード・インパクト』と引き起こした魔法少女。クラックと遊んだ後、トーチライトに殺されたため政府に記録は存在しない。
吸熱のアーティファクト『ダークホール』に選ばれた魔法少女。その魔法は一瞬で地球上のすべてを絶対零度に落とすだけでなく、冷気を直接叩きつけて戦うこともできる。
家族に居ない者として扱われ、誰かの温もりを求めた果てに全てを殺し尽くした少女。その最後はトーチライトに殺された。
魔法少女『トーチライト』
苛烈な意思で悪を殺す魔法少女。作中では魔法少女を対象としていたが、麻薬組織や違法研究施設の人員に対する皆殺しなども一人で断行している。
放射光のアーティファクト『ガンマレイ』に選ばれた魔法少女。その魔法は消えない傷を刻み込む放射光を生み出す。トーチライトは主に剣状に収束させて使っているが、遠距離攻撃として用いれば減衰しないビームライフルとしても使用可能。
その直情的な性分から誰からも無視されて生きてきたが、それでも正義を心に抱いて戦う少女。ただ悪を地上から滅ぼすために今日も戦う。なお、正逆となるアーティファクト『ダークホール』を倒したが、魔法少女『サーズデイ』と相対することをせずにただ殺したため覚醒段階Ⅳに上がる術はなくなった。
◆生徒会所属の魔法少女
魔法少女『イエローシグナル』……白木院梨花
いわゆる普通の女の子に一番近い魔法少女だが、一般的な正義感とそれを実現させようという青さを併せ持つ。政府を信用しておらず、自分の力をサイコメトリーとして誤魔化していた。アーティファクト『オールドデイズ』の力は過去再編、物体の過去を見て再現する魔法。
特に日本や世界を支配することに興味はないが、自分のことしか考えられない大人たちに任せておけないと立ち上がった。
音遠琲人
魔法少女『デッドライン』で、一人称は俺。アーティファクト『メロディ』に選ばれた魔法少女。その魔法は声で相手の健康状態を知ることができるもの、と本人は申告している。
武士の気質からただそれだけの魔法になっているが、それはただ触りでしかないことは本人も自覚している。なお魔法に頼ることは嫌いという性分から、よほど追い詰められない限りは使用されることはないだろう。
彼女は魔法少女になる前は男で、その時は世界が混乱状態にある中で外国人を弾圧する自衛隊と戦っていた。基本的には戦車・ヘリなどの破壊工作や移動の妨害が主な罪状。逮捕され軍事裁判にかけられて死刑になるはずが、勾留中に魔法少女化したために政府と裏取引した。なおその際に元の戸籍は死亡扱いになっている。
◆その他の人間
香坂舞歌
普通の人を相手に先生をしていた中学校教師。特殊な背景も能力も持たなかったのだが、教師と名のつく人間すべてにやらされたストレス耐性で高い値を出してしまったのが運の尽き。魔法少女学級を任されてしまい、彼女だけが担任を続けられている。
普段の怯えぶりと小さい身長から子供に間違われることもあるが、本物の幼女と比べてしまえば大人とはわかる程度の一般的な範囲の童顔低身長に収まる。ただし胸はでかいので、前の職場ではひそかな人気があったとか。
織田信長
改名したためこれが本名の政治家。世界秩序がインパクトにより破壊されたことを奇貨として、世界の頂点の座を掴みとった男である。新秩序側としてはティアマトを有する日本、旧秩序側としてアメリカが覇を競い合う中で更なる名声を求めて戦い続けている。
強力なリーダーシップと果断な決断力を併せ持つ『ヴァンガード』。裏を返せば独善的な独裁者ということになるが、それは世論の反映とも言える。まさに自己プロデュースで成り上がった時代の寵児。「外国人がいくら飢えようが知ったことか」という世論にのっかっているだけとはいえ、彼でなければ列強各国を相手にティアマトを確保することなど望めなかっただろう。




