始まり
おうちに帰してください
「てめぇぇぇぇぇ!やってくれたな!このくそビッチが!」
俺は隣で一緒になって逃げてる女に叫んでいた
「ははは!なっちゃったものは仕方ないだろう!ゴーレムはゴーレムらしく、
ご主人様を守ったらどうだ!」
「やかましいわ!てめぇが戦闘用に作んなかったんだろうが!てかゴーレムをなんで10歳くらいの身長にしたんだよ!」
クソが!なんで俺がこんな目に...
「声に出てるぞ少年!ほらさっさとこの王国から逃げる方法を考えないとな!」
「クソがぁぁぁぁぁ!元の世界に帰してくれよぉぉぉぉぉぉ」
なんで俺がこんな世界に来て、王国に命を狙われているかは数か月前にさかのぼる
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元々俺はプロゲーマーとして金を稼いで生きていた、動画サイトにも動画をアップして
そこそこ人気も金も持っていた
あっちにいた頃は考えたこともなかったけどまあまあ幸せだったと思う
「ああ、終わったぁぁぁ!」
編集終わったしコンビニで昼飯でも買うかと思いながら俺は出かける準備を進めていた
すると
ブルブルブル
と、長年聞いてなかったメロディが部屋中に鳴り響く、
「仕事用の電話...じゃないなこれ」
俺は仕事用とゲーム用のスマホを分けている、ゲーム用のスマホは通話アプリもSIMも入れていないから鳴るはずがない、仕事用のスマホは今俺が手に持っている、振動やらなんやらで分かるはずだ、
「...」
俺は押入れを開け、中学生の頃に使っていた折り畳み携帯を取り出す、
「...なんでこれが鳴っているんだ」
この折り畳み携帯は水没して完全に壊れたはずだ、なのに今起動している。
「...よし!」
俺は折り畳み携帯を窓から放り投げた、俺は幽霊やらが苦手なのだ、こういうのは出ないのが一番だってはっきりわかんだ...ってあれ?
「なんだこれ!?」
部屋の床に魔法陣のようなものが急に現れた、その魔法陣は青い光を放っており、それがどんどん明るくなっていく、そして
「ちょ!ちょっと待ってくれ!何がどうな...」
俺の人生は終了した
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「...った!せ...したぞ!」
んあ...
「どこだここ...何がどうなってるんだ...」
俺は周りを見渡す、部屋の片隅にろうそくがあり床に魔法陣が書かれている、魔法陣は赤い光を放っておりその中心に俺がいる感じになってる、というか
「どこだここ!え?何?誘拐!?返せ!俺を平和な日常に帰せぇぇぇぇぇ!」
そんなことを叫んでいると扉が開き慌てた様子の女性が入ってきた
「てめぇか!てめぇが誘拐した張本人か!ただ拘束しなかったのは間違いだったな!ぶん殴ってやる!」
「ちょ!ちょっと待て!どうして記憶がある!どうして"言葉"がわかる!」
「何を言ってやがる!俺のプロゲーマー人生をぶち壊しやがって!今すぐぶっころ...ってうお!」
俺が女を殴ろうとし、立ち上がろうとしたら逆に転んでしまった、というか
「なんだ...これ」
俺の体は十歳くらいの身長まで縮んでいた、よく見ると眼鏡をかけないとほとんど見えないはずの俺の目が眼鏡をかけていないのにしっかり見えている、
「なんだこの現象は...これは...故障か?製造ミスか?それとも...これで"完成"なのか...?」
俺はそういう女性の声を無視し自分の手を見る、人間のような手だが所々欠けている、そして俺の手首に
心-1200号と書いてある、信じたくないがこれは
「俺は...ロボットかなんかになったのか...?」
俺が考えていると、ずっと立っていた女性が
「ロボットが何かわからないが...お前は私が制作していた心を持つゴーレムの1200人目だ...他は失敗に終わり、お前が完成したのだが...」
ゴーレムだと...つまり俺は...
「意味の分からないまま...こんな所に"転生"したっていうのか...」
俺はそんなことを考えながら、意識を失った