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~序章:アイノユクエ~

再投稿です。

この小説が処女作となっております。

まだまだ未熟故、小説への知識は私自身とても浅はかなものとなっていますのでご不明な点があればコメント、感想などでお聞かせ下さい。

よろしくお願いします。

……ここはどこだ……


僕は何もかもが未熟な高校生。穢れを知らず、傷の一つ味わったことのないただ1人の純粋無垢な少年の戦争が今始まる。


起きたらそこは自室のベッドだった。


「…ぃちゃん!お兄ちゃんっ!お兄ちゃんってばっ!!」

「んんっ…あれ、、またこの天井か…」

「もぅ、お兄ちゃんまた寝ぼけてる。朝ご飯出来てるから早く着替えて支度してきなよ。」


それは決して覆ることの無いいつも通りの日常であった。


「んんっ…僕は…」

「そんな事より支度しなきゃ…」


こうしていつも通り兄の特権である妹声アラームによって気持ちの良い朝を迎える。

しかし、そんな日々がいつまでも続くわけもなく悲劇は突然舞い降りるのであった。。


僕は平坂稑、17歳そして妹の名前は凛、12歳。

2人は兄妹の仲であると共に愛し合ってもいるシスコン兄とブラコン妹の物語。


「お兄ちゃん!今日の朝ご飯どうかな?」

「うん、美味しいよ。けど、僕は凛が一番食べたい」

「お兄ちゃん…っっ」


これが毎朝の日課とも言えよう。平坂家は毎日こうして幸せな日々を送っている。

ふとするとリビングの方から声が聞こえてくる。それはもう、鬼のような鋭い響きで。


「あんた達…朝っぱらからまたイチャイチャ…もうそろそろ私の存在にも気付いて色々と物事を察してほしいと感じる頃なのだけれど…」


鬼嫁ならぬ鬼姉の登場だ。

既に成人してるが故に都会に出て働いている両親の代わりに僕たちを見てくれている親戚の女性のこと。


「えっと、姉さんも混ざりたい…とか?」

「そんなわけないでしょう!?」

「それじゃ、お兄ちゃんを取られてヤキモチ?」


「もう、手遅れか…」


中途半端な返答のせいか勘違いをする兄妹は今さっきの出来事が無かったかのようにして再び熱愛行動を始める。姉が一言置くのも無理はない。


「ん…お兄ちゃんっ…」


「ん…凛…」


まるでそれは間違った恋愛をしているカップルに対しただ立ち尽くすだけの非リア充が同じ部屋に存在するという地獄。

それでもかと互いの唇は重なり続け、学生とは思えない濃厚なテクの披露宴の時間が刻々と過ぎ去ってゆく。

そしてついに、目の前のアダルティーな光景に限界を感じた姉は彼らにとって適切な言葉を唐突に投げかける。


「学校、遅刻するよ。」


これも日常的な出来事であると同時に毎日同じような光景を目の当たりにしている呆れる姉の顔を見ながら、バカップルは仲良く時計と睨めっこをする。


『あ〜!!遅刻ッッ!!』


相変わらず仲良しな兄妹は声を合わせて学校へと向かう。一度の扉の開閉に手を繋いで飛び出して行く二人。


《ガシャン》


「ほんと、毎日疲れさせてくれるわね」


姉はため息をつきつつ、少し頬を染めて手早く家事をこなすのであった。


相当急いだのか、偶然にも家から学校が近かったのか、それはこの場では未回答としておこう。

あっという間に着くラブラブ兄妹。


「ぁ…兄ちゃんっ、今日も一緒に来てくれてありがと。…ぉ迎えもきてくれる。?」


シスコン兄は勿論のこと即答だ。


「当たり前だろ。」

「ん、お兄ちゃん、大好き。」

「言わなくても分かってる。僕も行ってくる。」


小学校の校門前でただ立ち聳えるオスには明らかなるゲキ萌え発言をする妹。それに対してラブコメ主人公らしい発言を返す兄。

何やら周りがざわざわとしているがそんな事は関係ない。彼らにとっては。


自演乙とも言える稑はそのまま中学校へと歩き出す。


「…ぅ〜!りくぅ〜。」


あぁ、来たか。


学校に行くといつも後方から聞こえてくる声、同じクラスの弥生充希だ。

彼の声はなんだかいつも暖かく僕の心を癒す二人目の存在であった。


僕はいつも彼に会うとボーっとしてしまう。

そして、今日も決して例外という言葉はなく...。


「ねえ、稑?稑ってばっ!」

「...あ、嗚呼!充希か!おはよう!」


充希は日課と化したとも言える肩ポンをこなしつつ、呆れたようか、どこかほっとしたような息を漏らす。


「うん、おはよう。今日も絶好調だね♪」

「うぐっ...嬉しくはないがまあいい」

「ん...?やっぱり稑は変わってるね♪」

「だからっ!!!」


賑やかな学校生活はもう既に始まっている。


何故、稑はこんなにも動揺を示すのか。

なにしろこの充希という男は他の男らとは異なる点がある。それは、、、


見た目が小柄でキュート過ぎる

男だからだ。


勿論、初見で立ち会う男どもはその美しい瞳をチラッと見るたびに下半身をうづくませ、中には一目惚れで告白にまで至る変態との存在にまで遭遇してきた。

その為充希自身、野生の男にはかなりの抵抗がある。その中でも勇逸彼が認めた男こそが僕だった。

そこに至るまでの過去を話すと話が長くなるのでここでは省略しておこう。


「ねぇ、りくぅ〜」


「ぁ…はいっ!(ほんとに男か…?可愛いすぎな)」


突然の上目遣い攻撃。どうやら効果は抜群のようだ。(もちろん、声も女子となんら変わらず可愛らしい)

正直、僕は直ぐに彼が男だと察知することができたが恋愛的に近いような感情を抱いてしまっているのも事実なのである。


男が男を好きになる。

これは純情的な恋とは言い難い。

ただ、僕は女性的な面で彼を視察すると一方男としての眼を刺殺されてるが故に恋愛的な感情を抱いてしまっているのであろう。


そして、突然の宣告のように彼は稑に問いかける。


「授業、遅れちゃうけど…いいの?」


「ぁぁぁあっ!!いいはずがないっ!!やばい!急ぐぞ!充希!」


「う、うんっ!!けど、もっと優しくして」


少し男前に彼の手を取って強く握りしめて僕たちは校舎へと向かう。そんな彼は男前な稑を見て、少し頬を紅く染めている。それもまた可愛い。


しかし…

「優しくして……?」果たしてそれは純情たる男の子から出る台詞と言えるのであろうか。


確信を持てる。


僕は彼にコイをしている。


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