この顔が眼に入らんかっ!
久しぶりです♪
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金の湧く壺 500 G
金が湧く壺です、置いとくだけで金が湧きます
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「なんじゃこりゃあ」
そう呟いたのは、【強欲のオーク】の二つ名を持つ冒険者、ジョニー
オークのような見た目に、金で物を言わせ欲しい物を儘にする糞冒険者である
そんなジョニーは、ネタ商品しか置いてない店 【ネタ装備 ノンノ】に来ていた
「店主!なんだこれは!」
「んぁ?ああ、金が湧く壺」
「そうじゃなくて」
「ああ、家に置いとくと壺いっぱいになるまで金が湧くんだ」
「は?」
「家に置いとくと壺いっぱいになるまで金が湧くんだ」
「意味わからん‼︎」
「家に置いとくと壺いっぱいになるまで金が湧くんだ」
「いや、だから!」
「家に置いとくと壺いっぱいになるまで金が湧くんだ」
店主ことノンノは、NPCのようにひたすら同じことを繰り返した
「特別セール 金の湧く壺を購入しますか? >はい いいえ」
「なんで500Gしかしないのだ!」
「特別セール 金の湧く壺を購入しますか? >はい いいえ」
「あ!買う買う!買うから寄越せ!」
「本当に購入しますか? >はい いいえ」
「だから買うっていってんだろ!」
「本当に本当に購入しますか? >はい いいえ」
「しつけぇんだよ!」
「テッテレー♪ジョニー=オークルは、金の湧く壺を手に入れた」
「うぉぃ!なんで俺の本名知ってるんだよ!こぇぇよ!」
「テッテレー♪ジョニー=オークルは、称号 ツッコミ王を獲得した」
「「やめんかい」」
◆
ーーそれから3日後
「うはははは!!!!」
彼は金ピカゴテゴテになっていた
金のネックレス、宝石の指輪、趣味の悪い服
成金装備になった彼は女を買い漁り豪邸に住んでいた
たった3日でーー……
それからというもの、【ネタ装備 ノンノ】へ出向き何度も何度も金の湧く壺を買った
なんてうまい話なのであろうか
そんなうまい話があるわけがない
ーードンドンッ!
ーーガチャ
「なんだテメェ!!!!」
朝まで行為をしていた彼は半裸のまま、不法進入者に話しかけた
「この顔が眼に入らんかっ!」
「この!」
「お方は♪」
「「勇者様だぞ!!♪」」
「ははは!おい見ろよ!スゲー金だせ!」
「当然ですね♪」
「ひひひ、オンナオンナオンナオンナぁぁぁぁぁ!!!!」
「テ、テメェら無視してんじゃねぇ!!!!金かえせやぁぁぁ!」
「家に入って金を取るのは勇者の権利だからな笑」
笑いながら壺を割り金を盗む勇者
装飾品を物色する聖女
女を襲う剣士
家を破壊尽くし、女を荒らし、金品をあらかた盗んだ勇者一行は、走って逃げ去ったのであった
◆
盾と矛で争った二人は、勇者一行に荒らされた現場を見ながらノンノに質問をしていた
「なぁ、店主よ。あれはなんなんだ?」
「RPGでよくある光景だ」
「あーる…ぴジってなんだ⁇」
「気にすんな」