2/16
02
同じクラスの金村のこと、何かと目で追ってしまう
僕の席からだと左斜め前の方向にある長い髪
その長い髪を後ろで束ねている金村を、授業中も気にしてしまう
ときどき、その姿がさえぎられる
そうしようとの意思がそこにあるのかないのか
ともかくクラスメイトたちが金村の姿をさえぎってくる
無粋な行為に、おもしろみのみじんもない光景に
しかたなく、黒板に視線を向けるしかなくなる
「銀のやつ、また金村のこと見てたな」
僕が金村のことを見ているその行為を、まわりは
僕が金村のこと憎いからだって噂してる
そう思うのもしかたないことかもしれない
それくらい無意識にってことか、まったく
そうやってまわりが考えているのとはちがう理由で
僕の金村への思いは、日増しに強くなっていく
まわりのクラスメイトに情報を聞いてみたいけど、聞いてみたところで
―やっぱりライバルのことは気になりますかあ
とかなんとか茶化されるに決まってる
それに、金村にしたって、僕のこと
あんまりよく思ってないんだろう、きっと




