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遊牧史 -The History of Nomadic-

遊牧史 跋

作者: 神箭花飛麟
掲載日:2026/02/19

https://ncode.syosetu.com/s0329k/

未読の方はぜひお読みください。

あとがき:遊牧史 ―八百二十年の筆跡を辿って―


 ゲルの外は、刺すような冷気と静寂に包まれている。

 だが、中にはボーズの湯気と馬乳酒の香りが満ち、家族の笑い声が絶えない。


「じいじ、もっとお話して」

孫が私の膝を叩く。私は目を細め、パチパチと爆ぜる火を見つめた。


「いいとも。かつて、馬の背に跨り風になった少年がいた。

中華の皇帝と対等に渡り合い、世界を平らげた男たちがいた。

牙を失い、それでも誇り高く消えていった者たちがいた……」


私は、これまで語った五つの物語を一つずつ指折り数えた。


「さて、お前はどの物語が一番気に入った?

お前が『もっと聞きたい』と言った話は、私がこの命ある限り、もっと長く、もっと詳しく語り継いであげよう」


孫は目を輝かせ、一つの時代を指差した。


――「遊牧史-The History of Nomadic-」完結。


1. 作品の経緯と執筆の舞台裏


このシリーズを書き始めたきっかけは、ある日図書館を彷徨っていたときに出会った『馬の世界史』という一冊の名著でした。それまで「点」でしかなかった歴史の知識が、馬という存在を通じて「線」として繋がったあの衝撃……。

この感動を物語にしたいと思ったのが、すべての始まりです。

しかし、いざ書き始めてみると……いやはや、正直に申し上げて、疲れました。

図書館で即「疾駆する草原の征服者」「スキタイと匈奴 遊牧の文明」に始まり、最近出たアジア人物史の「モンゴル帝国のユーラシア統一」や「モンゴル帝国と長いその後」を借りました。一冊目と四冊目は故人である私が大好きな研究者・杉山正明の本なので、ぜひ読んでもらえたらと願うばかりです。

私は現在中学3年生なのですが、中高一貫校ということもあり、幸いにして受験休みのような「潤沢な(?)」余暇がありました。その時間をすべてこの小説に注ぎ込んだわけですが、やはり進学校の課題や小テストの山と格闘しながらの執筆は、想像以上にタフな経験だったなと思う次第。


1/26に構想を練り、活動報告で予告を出してから今日まで三週間。自分なりに最も力を入れたのは、やはり第一部の「匈奴」編です。紀元前の広大な草原で、漢の武帝と渡り合った冒頓単于たちの姿を描くのは、歴史好きとして至高の喜びでした。ありがたいことに、第一部は今でも多くの方に読んでいただけており、PV数が伸びるたびにやはり上古の歴史にはロマンがあるのだなと実感します。


 一方で、後半になるにつれてPV数が伸び悩むのを見て、少し寂しい気持ちもあります。でも、それがまたもっと面白いものを書かねばという原動力にもなりました。第二部は少し筆が乗りすぎて引き伸ばした感もありますが、私自身は一番愛着のある章です。


2. 「なろう」という砂場と執筆の悩み

ここで少し、一人の投稿者としての悩みを。

なろうで執筆されている皆さんは、一体どこに原稿をストックされているんだろう。

 私は学校のタブレットを使って執筆しているのですが、標準のメモアプリだと、これだけの長編を書いていると容量が今にもパンクしそうで戦々恐々としています。もしこれなら軽くて管理も楽だよ〜という良策があれば、ぜひ感想欄などで教えていただけると喜びます。


 また、なろうの歴史ジャンルを俯瞰してみると、どうしても「戦国時代」「三国志」「逆行転生(+知識orスキルチート)」がランキングを独占している印象を受けます。もちろんそれらも面白いのですが、私はもっと血の通った、北方謙三の破軍の星のような魂を揺さぶる力作が読みたいと切に願っています。


 北方先生といえば、水滸伝に始まり合計51巻に及ぶあの大河シリーズ……。中学生の私からすれば、もはや人間の仕業とは思えないバイタリティです。ついにWOWOWでドラマも始まったようですが、中学生のお小遣いでは視聴できないのが何よりも悔しい(笑)


3. 歴史を描くということ

 なろうで「遊牧」と検索すると158件のヒット。この数字を見たときは驚きました。意外と仲間がいる! と。しかし、その多くが架空戦記やファンタジー寄りの設定で、史実に忠実な遊牧を描いた作品は、やはり希少種なのだと思い知らされました。


 時流に乗って始めた『覇狼』も、現在は展開の難しさに四苦八苦しています。史実という重石と物語という翼をどう両立させるか……。この疲れこそが、何かを作り上げた証拠なのだと自分に言い聞かせてます。


このシリーズは一旦ここで完結しますが、私の遊牧への愛が尽きたわけではありません(行ったことないけど)。これを糧に、もっと精進して、皆さんの心に草原の風を届けられるような作品を書いていきたいと思います。


最後になりますが、ここまで付き合ってくださった読者の皆様に、最大限の感謝を。

読書の合間の、拙い私の妄想が、誰かの心の一助になれば幸いです。

そして、私の今一番好きな文句をもって締めたいと思います。

「馬がいなければ、二一世紀はまだ古代だったのではないだろうか」(馬の世界史)


2026.2.19. 古都の大地から

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