先着警察官のドライブレコーダー記録
14:22:57
所属:警視庁第1方面自動車警ら隊
第3分隊 ××号
責任者:山本 尚侍 巡査部長
運転手:谷岡 利明 巡査長
現場:○○駅西口付近歩道(倒者多数)
映像開始:
ブザー音2回吹鳴の後警視庁本部からの無線指令
指令室:
「至急、至急。警視庁から各局。●PS管内、マルT(特異感情能力)容疑事案発生。場所、●駅東側付近歩道上。本件は負傷者、通行人からの複数通報。現在も入電中。“人が突然次々と倒れ始めた。その中を歩く黒色コートの人物あり”。凶器は一見して無しであることから特異感情能力と思われる。各局は現場急行の上、負傷者の保護にあたれ。指令番号●番」
自動車警ら隊指令室:
「自動車警らから××」
山本巡査部長:
「××です、無線傍受しております、マルT事案対応しますー、どうぞ」
自動車警ら隊指令室:
「よろしくお願いします、なお、能力者と思われます。受傷事故防止徹底、どうぞ」
山本巡査部長:
「了解、緊急で向かいます」
パトカーサイレンの音
山本巡査部長:
「指令番号なんぼやっけ?」
谷岡巡査長:
「●です」
山本巡査部長:
「やばいなぁ…今朝嫁と喧嘩してでてきてもうたわ」
谷岡巡査長:
「帰って謝ったら……いいじゃないすか」
山本巡査部長:
「声震えとるやんけ。俺先に前出るからお前は後ろ……」
山本巡査部長がマイク広報:
「パトカー交差点入ります。パトカー交差点入ります。ご協力お願いします。パトカー北進します。」
山本巡査部長:
「トシは後ろで無線しといてくれ」
谷岡:
「そんなん、今の時代動画撮られて炎上っすよ」
山本巡査部長:
「ほんならまぁ……腹一応括っとこうか。次左やな」
警視庁指令室:
「…視庁から機捜××」
機動捜査隊××:
「どうぞ」
警視庁指令室:
「神田係長、特異能力の神田係長」
機動捜査隊××:
「神田です。向かってますー」
警視庁指令室:
「了解。能力使用前に能力無線願います」
機動捜査隊××:
「了解」
山本巡査部長:
「神田係長まで出てくるとマジもんT事案やなあ……」
谷岡巡査長:「っすね」
山本巡査部長:
「お前トシ、車内残っとけ。ほんで俺いくし、特異能力臭くて、チャカであかんかったら相手轢いてくれ。というか轢け。これ命令やし。轢いた後なんか問題なったら俺から轢け言われましたてこのドラレコ出したらええで」
谷岡巡査長:
「縁起でもないっす」
山本巡査部長:
「いや、マジやで? ほんまにおおマジ」
自動車警ら隊指令室:
「自動車警らから××に一方的に送ります。おそらく先着となります。車外に出る前から継続無線にした上、状況報告よろしく願います」
山本巡査部長:
「……了解!」
自動車警ら隊指令室:
「……くれぐれも命優先で、以上自動車警ら」
山本巡査部長:
「いや……そんなんフラグたてんといてやー」
谷岡巡査長:
「ほん、ほんとっすよね。ほんとマジ」
山本巡査部長:
「田舎から出てきて、ここで骨埋めるかも言うてたのがほんまに埋まってまうかもしれんのかあー」
谷岡巡査長:
「縁起悪いす。あと2分くらい。奥さんいいんすか? 子供さんとか」
山本巡査部長:
「今子供の話すんなやボケ!……電話して出れへんかったら嫁後悔するやろ。うわー、独身羨ましいわー」
谷岡巡査長:
「いやほんとにそうっす、今回ばかりは」
山本巡査部長:
「着くなあ」
谷岡巡査長:
「人…まじでめっちゃ倒れてるっすわ」
山本巡査部長:
「当たれよー、ほんまに3年分くらい全部運使うてええから全部当たってくれ」
谷岡巡査長:
「ここで止めます」
山本巡査部長:
「よっしゃ。[緊急無線開始音]――[ドア開閉音]」
山本巡査部長:
「[トシ、お前車おっ[不明瞭]――て!(遠くで声)]
車内無線:
「トシ、お前車おっとけって」
山本巡査部長
「[警察や、[不明瞭]――異能力[不明瞭]なら止めろ!(遠くで声)]」
車内無線:
「警察や、止まれ、特異能力使うてんなら止めろ」
山本巡査部長:
「[止めんなら撃つぞ!(遠くで声)]」
谷岡巡査長:
「[とまれ、撃つぞ!(遠くで声)]」
車内無線:
「止めんなら撃つぞ、止まれ、撃つぞ」
車内無線:
「機捜××、まもなく到着。約1分。至急至急、機捜神田から特対局」
車内無線:
「至急至急、特対局です、ど[発砲音]――」
車内無線:
「警部補神田良勝[発砲音]――感情能力使用許[発砲音]たい。申請コード426、階梯3」
車内無線:
「了解、神田警部補の能力使用を許可する、必要最小限度の使用を遵守」




