110番通報記録
通話① 14:12:33 〜 14:15:09
発信者:女性/個人通信ホログラム
発信場所:○○駅東口・地下自由通路付近
警察(女):
「はい、110番、警察です。事件ですか、事故ですか」
通報者(女):
「じけ、えっと、事件です! 駅の地下で、人が……人が倒れて――[背後で悲鳴と反響音]――血、血が出てて!」
警察:
「人がたおれ、倒れてる? 落ち着いてください。場所どこですか。どこの駅? で、えー、どの出口あたり」
通報者:
「○○駅の、多分東口の下、地下のとこ……通路で……今も倒れて、あの、何人も、お、お腹とかじゃな[悲鳴]、口と鼻から……血が出てます!」
警察:
「犯人近くにいないですか? 大丈夫ですか?」
通報者:
「犯人はいな……[悲鳴]……あぁ……ああ!……近くは大丈夫っぽいです」
警察:
「凶器はありますか? ありそうですか?」
通報者:
「きょうがなんですか?」
警察:
「凶器です。刃物とかピスト[背後で人の声]」
通報者:
「わかんない……音もしないです。爆発[通報者の息]……も……でも、急にみんな、崩れて転げて……[金属の転がる音]ああ! 今も! あの、大丈[音割れ]……すか!? また一人倒れました……!」
警察:
「近づかないで! そこ、その通路から出れますか? 階段から地上へ避難してください。風の流れがある場所に移動してください」
通報者:
「はい……で[逃げろ(背後で声)]…[悲鳴]」
警察:
「その場で立ち止まらな[テロ容疑テロ容疑(背後で声)]……犯人はどんな格好でした? 男女とか」
通報者:
「えっと、黒い——あ、ちがう、駅員さんだ……すみません、わかりません……でも、空気が重い感じがして、耳がキーンて……[ハウリング]」
警察:
「出血がある方には距離を取ってください。ハンカチとかで口と鼻を覆って。階段は何番出入口が近いですか?」
通報者:
「えっと、6番……たぶん6番、あ、表示が……“E-6出口”って。はい、E-6!」
警察:
「警察官が向かっていますので、あなたのお名前いいですか」
通報者:
「な、名前は—××××です」
警察:
「わかりました。もうすぐいきますからもう少し、待っててください」
通報者:
「分かりました、[通報者の息]……ありがとうございます」
________________________________________
通話② 14:13:05 〜 14:14:32
発信者:男性(路線バス運転士)
/車内通信ホログラム
発信場所:○○駅前バスターミナル進入路
警察(男):
「110番、警察です。事件ですか、事故ですか?」
運転士(男):
「○○交通のバスです。××駅前のロータリー、人が車道に倒れてて、停車中です。乗客がパニッ[ご乗車の皆さま、現在トラブルのため(車内音声)]——」
警察:
「事故ですか?」
運転士:
「違います、接触してなくて倒れてたんです。多分血を吐いてて……え、待って! 待て待て待て! これヤバいって! 人が、め、たくさん倒れてます! 駅の方! 道の上」
警察:
「何人くらい倒れて[犯人いるか、犯人いるか聞いて(背後から声)]――えっと、そこ、誰かが危害を加えてい……[先着は2分後(背後で声)]……況は見えますか?」
運転士:
「なんか、一人だけ歩いてるのは見えますけど……わから[悲鳴]です、犯人の人なのか」
警察:
「今、他にも通報が入っていて、外は危険です。車内は大丈夫ですか?」
運転士:
「車内はパニックなってますけど、大丈夫です、ロック、鍵、あのドアロックをかけてるので大丈……す」
警察:
「車内待機を強くアナウンスしてください。警察・救急が向かってます」
運転士:
「はい……わかりました……ご乗車の皆さまにお知らせします。現在、車外で何らかの危険な状た、状況が発生しているよう……[断電]」
________________________________________
通話③ 14:13:41 〜 14:16:10
発信者:男性(商業施設・防災センター警備員)
/警備用緊急通信ホログラム
場所:○○(商業施設) 地下1階 防災センター
警察(女):
「110番、警察です。事件ですか、事故ですか?」
警備員(男):
「○○(商業施設)の防災センターです」
警察:
「××駅の件ですか?」
警備員:
「そうです。あのー、えっと、館内放送で避難誘導をしました。B1の連絡通路で何人も血を吐いてて、防犯カメラで駅の外で不審な人物を1名、えー、フードを被った、黒色の——いえ、灰色か?……東口から西口に向かう地上の横断歩道手前くらい、××(コンビニ名)の前あたり」
警察:
「映像を治安共有ラインに転送できますか。“治安-3”」
警備員:
「はい、“治安-3”……はい、送ります。もう送り、いつものやつですよね……?」
警察:
「その防カメホログラムのID教えてください。」
警備員:
「B1-LINK-04、LINK-05、LINK-06です。フードの人と、すれ違うたびに倒れているように見えますが触ったりは……ない、距離あります、能力かも」
警察:
「了解。館内は地下のシャッターを段階閉鎖、地上への一方避難に切替。換気は上向きで最大。館内アナウンスで『走らず、壁側右通行』を繰り返してください。」
警備員:
「はい、[ちょっといってくれる?(背後で声)]――医務室に2名、鼻出血と意識はなしです。[AED!(背後で声)]……」
警察:
「救急も要請してますので、到着次第、指示に従ってください。警察からも特対が向かってますので」
警備員:
「はい。……あ、今、LINK-05で手を上げた、あの人影が——」
警察:「映像送信継続で」
警備員:「はい、送信します」
警察:「一度切りますね」
________________________________________
通話④ 14:14:27 〜 14:15:40
発信者:男性/個人通信ホログラム
場所:○○駅地下コンコース
警察(男)
:「110番、どうされました。」
通報者(男)
:「犯人見たかも……手を上げて、なんか空気が——[強い風切り音]」
警察
:「安全ですか。距離はどのくらい。」
通報者
:「20メートル……黒いパーカー、フード……顔は——[断続的無音]あれ、すみません、電波——」
警察
:「聞こえにくいです、大丈夫ですか?」
通報者
:「……[無音]……(遠くで)やめろ!——[通話断]」
________________________________________
通話⑤ 14:19:03 〜 14:21:40
発信者:男性/携帯
場所:○○駅西口付近・E-12出口前
警察(男):「110番、○○駅ですね?」
高校生(男):
「部活帰りで友だちが、鼻血止まらなくて、階段で座り込んで」
警察:
「君は安全な場所にいますか。階段何番?」
高校生:
「E-12です。他にも倒れてて、ティッシュで抑えてるけど、また出て……」
警察:
「上を向かせず、軽く前かがみにして、鼻の柔らかい所を10分間つまむ。息はあるね?」
高校生:
「苦しんでます……大丈夫?」
警察:
「救急もすぐ行きます。お名前は? 君のお名前」
高校生:
「ぼ、僕は——××です」
警察:
「△△くんね」
高校生:
「××です。」
警察:
「ごめん××くんね。悪いやつがそのあたりにいるかもしれないから、見つけたら逆方向に逃げて。友達抱えていける?」
高校生:
「殺人犯とかですか……?」
警察:
「ごめん、まだ詳しくはわか[悲鳴]――」
高校生:
「なんかこっ、こっち一人だけこっち歩いてきてる」
警察:
「[音声不明瞭]らないけど、とにかくすぐ友達抱えて走って! 逆側に!」
高校生:
「いくぞ! ほら! あぁ、カバン、重[荒い息]――[手上げろ撃つぞ(背後の声)]」
警察:
「大丈夫!? 大丈夫ですか?」
高校生:
「あああ――[荒い息]――[連続2回の発砲音――[断電]]




