特異感情能力の規制及び管理に関するヴィエナ条約
Vienna Convention on the Regulation and Control of Singular Emotional Abilities
前文
締約国は、
人類の安全と平和を確保し、特異感情能力の濫用を防止するため、また、その平和的利用を通じて人類の福祉を促進するため、この条約を締結することを決意し、以下の規定に合意する。
第1条(用語の定義)
この条約において、次の用語は以下の意味を有する。
1.「特異感情能力」とは、人の感情の昂揚により発現する、通常の自然法則を超える作用をいう。
2.「強化薬剤」とは、特異感情能力を人工的に増幅・改変することを目的とする物質をいう。
3.「登録」とは、各締約国が能力者を把握し、必要な管理を行う制度をいう。
4.「監視機関」とは、本条約に基づき設立される国際特異能力監視機関(以下「IOSA」という)をいう。
第2条(目的)
本条約の目的は、
1.特異感情能力の軍事的利用を防止すること。
2.特異感情能力の平和的利用を促進すること。
3.特異感情能力を有する者の基本的人権を尊重すること。
第3条(一般義務)
1.各締約国は、特異感情能力を兵器として研究、開発、生産又は使用してはならない。
2.各締約国は、強化薬剤を研究、製造、保有、又は使用してはならない。
3.各締約国は、自国における特異感情能力者の登録・監督制度を確立しなければならない。
第4条(登録制度)
1.各締約国は、特異感情能力者を把握するための登録制度を設ける。
2.登録情報は個人の尊厳を害してはならず、必要最小限の範囲で国際監視機関に報告する。
3.各国は未登録能力者の把握と登録の徹底に努める。
第5条(平和利用の保障)
1.医療、心理治療、防災、科学研究等における特異感情能力の平和利用は認められる。
2.ただし、その利用はIOSAが定める基準に従わなければならない。
第6条(強化薬剤の禁止)
1.強化薬剤の研究、開発、製造、保有及び使用は禁止される。
2.医療上やむを得ず使用する場合は、IOSAに届け出なければならない。
3.違反行為は条約違反として制裁の対象となる。
第7条(輸出入の禁止)
特異感情能力に関連する強化薬剤、研究資料、技術の国境を越える移転は禁止される。
第8条(国際監視機関の設置)
1.「国際特異能力監視機関(IOSA)」を設立する。
2.IOSAは、各国の登録制度を監査し、査察、違反調査、報告を行う権限を有する。
第9条(査察)
1.IOSAは、各締約国の関連施設について査察を実施する権限を有する。
2.締約国は査察を拒否してはならない。
3.拒否した場合は、安全保障理事会に報告される。
第10条(違反調査)
1.締約国は、他国の違反の疑いをIOSAに通報できる。
2.IOSAは速やかに調査を行い、その結果を国連に報告する。
第11条(人権尊重)
1.締約国は、特異感情能力者の人権を尊重しなければならない。
2.不当な拘束、強制的な利用又は差別的取り扱いを行ってはならない。
第12条(国際協力)
締約国は、医療、災害救助、科学研究など平和的分野において相互協力を推進する。
第13条(秘密保持)
1.登録情報は国家安全保障上の秘密として保護される。
2.IOSAに提供する情報は必要最小限にとどめなければならない。
第14条(軍事利用疑念の処理)
1.軍事利用の疑いがある場合、IOSAは調査を行い、その結果を安保理に報告する。
2.安保理は必要な制裁措置を検討できる。
第15条(制裁措置)
条約違反国に対しては、経済制裁、技術供与停止、加盟資格停止を含む制裁を科すことができる。
第16条(紛争解決)
条約の解釈又は適用に関する紛争は、国際司法裁判所に付託できる。
第17条(加盟及び批准)
1.国連加盟国は署名し、批准することができる。
2.国連非加盟国も、総会の承認を得て参加できる。
第18条(効力発生)
60か国の批准書寄託から90日後に発効する。
第19条(脱退)
1.締約国は、自国の最高利益を著しく害する場合、12か月前に通告して脱退できる。
2.ただし、国際武力紛争の最中における脱退は認められない。




