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第3話 1999年7月以降の世界


 ノストラダムス大予言の日。世界の全てのことわりは壊れていったと思う。


 魔核が飛来した中国、フランス、ロシア、英国、米国の5つの国には、ファンタジー世界に現れる様な未知の生物達が突然現れ、各国の都市や街に住む人々を襲い殺し。人々よしの生活圏を破壊しつくしていったと記録が残っている。


 そんな恐ろしい生物達も5つの国の国境の外へは、何故か侵略しようとせず。今でも魔核領域テリトリーと呼ばれる場所は、世界の新たな覇権を握った国々によって危険区域に指定され。特別な許可を受けた者、意外は立ち入りを認められなくなった。


 そして、そこに目を付けたのが各国のテロ組織や国連非加盟国等の勢力で。旧中国、フランス、ロシア、英国、米国領の都市を占領し、勢力を広めつつあるという。


 ────その為、元日本帝国元帥候補 《千機 慧》罪人は直ちに旧イギリス領・ロンドンへと転移装置で現地へとおもむき、戦場配信開始と共にテロ組織を殲滅する事を命ずる。


 日本帝国軍新元帥 《 天理 星璃あかり


《東京・軍部留置所》


「……というのが新元帥様の通達になります。千機大将殿」


「うん。元だけどね……今は絶賛売り出し中の罪人配信者だよ。凜々りりかちゃん。了解。明日には準備してロンドン戦地へと行けるって、天理新元帥に伝えてね」


「つっ……千機大将殿は……慧さんはそれで良いんです? 本当だったらあの人じゃなくて、慧さんが日本帝国軍の新しい元帥だったのに」


「私の大切な部下達が人質に取られちゃってるだから仕方ないでしょう。私が天理…新元帥の言う事を聞かなかったら皆、旧中国領に追放するとか脅されているんだから」


「それなら西の千機家に慧さんの現状を伝えましょう。そうすれば天理家のあの腹黒女を……」


「そんな事をすれば日本は東側と西側で内戦になるよ。そんな事になれば他国が喜ぶだけだよ。今はようやく配信って言う娯楽で、世界が平和になって来たんだから。余計身内同士で争ってる場合じゃないんだよ。凜々花ちゃん」


「……その結果。何の罪も無い慧さんは捕まってこんな事をやらされてるなんて」


ポチッ!


〖きゃるるん!! 慧ちゃんだよ~! 今日も慧はアナタの耳元でちょっと大胆な言葉を…〗


「ちょっと! どこでその私の限定ASMRボイスを手に入れたの? それ非売品の筈なんだよ。早く消去して」


「……嫌です。これは私の宝物なんです。あの厳しくも優しい慧さんのエッチチボイスは、慧さんの元右腕の凜々花の宝物で……あっ! 軍部から連絡が来てるみたいなんで、そろそろ帰りますね。慧さん。またお休みの時に遊びに来ますね」


キイィ……ガチャッ!


「ちょっと! 待ちなさい。凜々花ちゃん! その限定ASMRの私の声は消しなさい! 凜々花秘書官!」



 ───そんなやり取りから2日。私は旧イギリス領のロンドン戦地でこれまた元部下と、混戦中だなんて……どれだけ私が元帥になるのが納得出来なかったの?


「ハハハ。凄いですね。演技しながら僕の……いや、テロ組織の構成員数十名を、一気に相手して息も乱さないんて」


「普段から動き回ってますからね~! 運動と武力制圧は大得意なんですよ~」


「……人間じゃねえ」「レイサイトさんに言われた通り。背後を狙ったのによう……」「笑顔で顔面殴られたぜ」


〖慧様無双!!〗

〖スゲエェェ! 1人で何人ボコボコにしてんの? マジックショー? 何かのマジックショーなの?〗

〖しかし、あの金髪美少年だけは慧様とやり合えてるのは何で?〗


「コメント欄も相変わらず凄い盛り上がってますね。千機元大将殿」


「……アルク君。配信中にその名前を言うのは不味いわよ。貴方、帝国の暗部に殺されたいの? 君は今、泳がされているから安全なだけで…」


「そんなの分かってますよ。慧さん!……だけど僕は貴女が帝国の元帥じゃないなんて認めない。あんな腹黒女のせいで慧さんが大罪人って事も含めてね。だから僕は世界に出てこれからもっと暴れますよ。あの腹黒女が貴女を解放するまでね」


「アルク君……アイ、私とアルク君の遭遇時からの会話と今までのやり取りは、配信されちゃった?」


〖ご心配なくです。慧様。超高速自動変換アプリで、映える戦闘シーンに差し替えて配信しておきました~〗


「そう。それは良かった。アルク君。私の今回の軍部からの指示はテロ組織の壊滅と、貴方の捕縛。だから大人しく捕まってね。水機一式解放……水天一碧すいてんいっぺき


 この魔核飛来以降の世界リライブでは、魔核の影響を受けた人類は魔法が使用できる様になる。


 そんな私は水魔法と結晶魔法と言う2つの魔法能力が使え、それは武器にも付与して相手に攻撃も可能。そして、私は愛用機《水機一式》に魔力を込めて。アルク君に向かって勢い良く放った。


「相変わらず、お美しい技ですね。千機大将が使う水と結晶の二層の魔法。水結晶魔法……これと貴女の美しさを魅せられたら、誰もがあんな腹黒女よりも、貴女を選ばずにはいられなくなりますよ」


 アルク君は棒立ちだった。私の放った攻撃に対象せず受け様としているの?


〖青色と結晶が美しい~〗

〖幻想的な戦いね!!〗

〖慧様サイコー! 慧様サイコー!〗


 戦場配信を見ている皆は何故かテンションが高いし。私は液晶デバイスを見てしまった為、一瞬。アルク君から目を離していた。


「……アルク。迎えに来た。以前の上司とゆっくり話せたか?」

「シバさん。ええ、とても楽しく」

「そうか。それは良かった……ではな。帝国最強千機せんき けい。またどこかの戦場で会いまみえよう」


「あれ? アルク君が居ない……西の方に逃げてる。それに気配がもう一つ。あるけど。今は配信を終わらせて、倒れてるテロ組織の人達を拘束しないといけないから………は~い! 皆さん。なんとなんと。テロ組織のリーダーさんは逃げてしまいました~! ですので今回の任務は成功という事で今日の戦場配信は終わりにします~! それじゃあ最後まで見てくれて。千機せんきュー!」


〖〖〖〖〖千機せんきュー〗〗〗〗〗


〖それと視聴者の皆さん~! 今回のDelivery Front《配信前線》が良かった~、また見たいと思ったら、チャンネル登録と高評価よろしくお願いいたします~、慧様の超有能A.I.。アイチャンからのお願いでした~、バイバイー!〗


────ブツンッ!


千機 慧のDelivery Front《配信前線》 現在の登録者の105000人

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