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第2話 千機 慧は戦場で羞恥する


「本日の敵は旧イギリス国を独自支配しようとしているテロ組織です。新EU機関の要請により極東の帝国からはるばるやって来て、テロ組織を殲滅に来ました~」


〖うおぉぉ!(゜∀゜)(゜∀゜)!! 慧様が暴れるぞ!〗

〖YES! YES! YES! GO!GO! KEI!〗

〖今日も華麗なプレイングを見せて下さい! 慧様~!〗


「あ、ありがとう。皆~! 慧! 皆の期待に応えられる様に頑張っちゃうからね~」

 

 ───ああぁぁ!! 恥ずかしい。恥ずかし過ぎるんだけど。


 私はこんな可愛いらしいキャラじゃない。数ヶ月前まではぐんとして帝国特殊部隊を指揮し、元ロシア領の魔核被害地の調査とテロ組織の壊滅を行っていたのに……どうして今、ロンドン戦地で生配信しているの?


〖慧様。生配信中です。千機一族の方々……慧様のお母様の葵博士も見てるんですよ。ここは堪えて下さい……プフゥ〗


「ぐっ……お母様が見ている。わ、分かっている。ちゃんと演じきるから。それよりもアイ。貴女。今、私の今の冗談が面白くて笑った?」


〖いいえ。笑っておりません~、A.I.であるアイは無感情A.I.ですので~〗


「白々しい嘘を言わないの。貴女は千機家が生み出した。超高性能A.I.なんだから?……今の配信で聴かれてた?」


〖いいえ。大丈夫ですよ~、アイの力で魔改造した慧様の可愛らしい羞恥に悶えた映像をずっと流してましたから〗


「私の可愛いらし羞恥に悶えた映像?……後でお仕置きするから覚悟しておきなさい。アイ」


〖ええΣ(Д゜;/)/ 何でですか。慧様~〗


「ええΣ(Д゜;/)/って、何その反応? 何処で学習したの? それよりも敵対組織とそろそろ遭遇して…」


「そうですね。僕はここにいますよ。千機せんき大将」


「……その声はアルク隊員」


 私の目の前に現れたのは1人の男の子だった。金髪で手には銃を構えていた。アルク副隊長。旧ロシア領時代。私の右腕として活躍してくれた子で、今は帝国軍から離反して敵対している。


「ええ、お久しぶりですね。お互い元ですがね。お元気そうでなによりですよ。現在、帝国が絶賛売り出し中の人気美少女配信者の慧さん」


 アルクはそう告げると小型の液晶デバイスを私に向けて、とある動画を見せて来た。 


 その動画のあまりにも見たくない広告動画だった。。


『おは、彗彗すいすい~、新人配信者の千機せんき けいです! 皆さんの応援のお陰で私のちょっとエッチな、ASMR《元最強軍人さんの落ちぶれボイス》がミリオンを獲得しました~、これからも皆さんの為に私は~』


パンッ!


 ……私はこれ以上はその動画を見ることが出来ないと判断して、手に持っていた銃でアルク君の液晶デバイスを破壊してしまった。


「あー、あー、粉々にしちゃいましたか。これ結構気に入ってたんですよ。慧さん」


「……えっと。言っている意味が分からないんだけど? 何で貴方がその動画を知ってるの?」


「それはYUO の動画サイトであれだけ切り抜きされていれば、嫌でも知りますよ。かつて皆が憧れ畏怖した《水晶の慧》の変わり果てた姿をね……ミスト・ガント発動……そろそろ。やりましょうか。配信を盛り上げる為の戦いを」


「……アルク君。アイ、私の悶えた動画を止めて。戦いを始めるわ。今回のターゲットとの戦いを」


〖はぁーい! 了解しました。慧様~! ではでは、動画を切り替えて……レッツ配信です~〗


「皆~! これから敵対組織のリーダーと戦うから応援よろしくね~ 水晶銃……発動」


〖出たぁΣ(-∀-;)!! 彗ちゃんの魔法!!〗

〖敵は誰だ?……てっ! 元帝国兵。アルク・レイサイトかよ〗

〖キャー、美少年。映えるわー!〗


 凄い勢いで配信の応援コメントの字幕が流れていく。良かった今回の配信もかなり好評みたい。



帝国領 首都〖東京・旧国会議事堂〗


「初配信からたったの数ヶ月で同接数5000って……凄いじゃない。うちの元最強軍人ちゃんは、ねぇ? 貴女もそう思わない? コノエ」


「はい。天理元帥様の言う通りです」


「フフン~、そうでしょう。そうでしょう~、これも私のプロデュース力の力ね~! 昔っから慧にはアイドルの素質を感じていたのよね」


「……だから。帝国最強を言われもない罪で大罪人とし、言う事を聞かせたのですか? あの娘の部下を人質にして」


「ええ、そうよ。私は使えるものは何でも使うわ。それで慧が逆らえなくなって、私の言うことを何でも聞いてくれるならね」


「ですが。千機将校は元は元帥候補です。それに彼女の血筋は……」


「帝国貴族〖千機家〗出身。産まれて直ぐの0歳から軍人、科学者達による英才教育を施されて。両親からの愛情を受け真っ直ぐに育つ。よわい5歳で帝都士官学校に入学。それからは、旧中国和平交渉と旧ロシア前線で活躍。破竹の勢いで出世して私と他数名と元帥の座を争い負けた千機 慧。元帝国最強の配信者。元ライバルの情報くらい頭に入ってるわよ」


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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