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オワリノハジマリ。

作者: クロユリ。

「貴様が世界に紛れ込んだ侵略者っていうわけか」


漆黒のロングコートに身を包んだリーベルと名乗る男が、

彗星を彷彿とさせる蒼く飄々と煌めく剣を携えた女と対峙していた。


「あなたの邪魔はしませんよ。私はただジョーカー様の元へあなたを連れていくだけなのですから」


「誰だぁソレ?」


「まぁそうですよね」


「はぁ…」とため息をついて彗星の女は

腰を低く落とし彗刃スターライトを自らの側面から横に靡くよう構えた。

それに呼応するようリーベルは胸元に手を当て、心臓部から漆黒の瘴気が蔓延る赫い剣を引き抜く。


「あなたは本当に似ても似つかないですね。別世界のジョーカー様とはいえ手加減は致しません」


言い切ったと同時に魔力を熾し超加速で相手の死角に潜り込む。

彗星のような蒼い閃光が軌跡となってリーベルの首元目掛けて滑り込んだ。


派手な金属音が衝撃波と共に爆風を巻き起こす。

ショッピングモールはとうに閉店した深夜帯それも屋上だ。

誰も世界を掛けた戦いに気付く者なんていない。


リーベルがスターライトを掬い取る様に剣を受け流す。

一瞬の隙を逃さぬ様瘴気蔓延る闇の魔力で加速し、彗星女の顔面を掴んだ。

某ショッピングモールの名前が書かれる看板に彗星女を叩きつける。


いない。

捉えたはずの彗星女が姿を消した。


「ちっ……どこ行った」


入り口。駐車場のAブロック。

見当たらない。見渡すところどこにもいない。


「────こっちです‼︎‼︎」


彗星女が彗刃スターライトと共に月から降って来た。

凄まじい腕力で空中にいるにも関わらず超加速で彗刃スターライトを放り投げる。

それは蒼い閃光と共にリーベルへと吸い込まれていく。


「ぐっ……‼︎」


何とかいなしたものの体勢が大きく崩れ、迫り来る彗星女の素手による乱撃は避けられそうにない。

放物線を描く閃光の蹴りがリーベルの頭に凄まじい衝撃を与えた。

何とか防いだものの視界がぐらりと大きく崩れ、ゴロゴロと何かにぶつかりながら漸く止まる。


「さぁまだ見ぬ新世界へ。あなただって望んでるじゃないですか」


「黙れ……っ」


「ジョーカー様は世界の再構築を望んでいます。そう別の世界線のあなたと同じ考えなんですよ。世界は悪に汚染されている。いわばリセット計画です……ってあらら」


空が割れる。

一瞬の隙間に新たな侵略者が紛れ込んだ。


「お客さんじゃないですか」


稲妻のような閃光が超加速して迫り来る。

彗星女を捉えた侵略者が地面を突き破りショッピングモールの一階へと叩きつけた。


「返して貰おうか、ソレ」


指さす先には彗星を彷彿とさせる彗刃スターライトが佇んでいる。


「ジョーカーの手先がどうしてここに」


「ふふふっ、それは内緒ですよ。リーベル様ならまだしもクロユリ様まで出て来てしまうとは私の勝ち目はありませんね」


大人しく引き下がったそいつは本来の姿を見せることなく闇へと消えていった。


「ウェポンマスターまで起動しているとは事態は急を要する……」


空の割れ目と共に侵略者は姿を消した。


「……いきなりどうなってんだよ」


虚空の空に1人そう呟いた。


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