お願いだよ、毒が欲しいんだよ。
お願いだよ、毒が欲しいんだよ。
あたしの何が欲しいって?
毒だよ、毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒毒ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドク。
心臓の音みたいだな。
心臓なんて嫌いだよ、僕は僕の心臓が一番嫌いなんだよ。
あたしの息が好きだって?
嫌いだよ、生きてるよ、やめてよ、気持ち悪いよ。
あたしの何が好きだって?
全部だよ。
嘘だ。あたしのことを焼き殺そうとするんだろ。
しないよ、好きだから、殺したいほどに、殺されたいほどに。
あたしの汚れた手が好きだって?
好きだよ、血がついているね、またヤったの?
またヤったんだ。
僕にもヤってよ。
それはダメだ。
何でよ?
あたしの毒が好きだって?
好きだよ、でもご存知じゃないよ、与えて欲しいよ。
あんた、死んじゃうぞ。
良いんだよ、死にたいんだよ、壊されたいんだよ。
ご存知の通り、あたしは彼が好きだ好きだ好きだ好き好き好き好き大好き毒を与えさせて。
僕もご存知通りだよ。
あんたは何もご存知じゃないんだな。
そうだよ、僕は何もご存知じゃないんだよ。
あんた、死んじゃうぞ、壊されちゃうぞ、地獄に堕ちちゃうぞ。
良いんだよ、僕は死んで死んで死ぬんだよ。
いっぱい痛いんだぞ、いっぱい痛くしちゃうんだぞ、いっぱい痛めつけちゃうんだぞ。
良いんだよ、僕は僕が望んでいることをご存知なんだよ、僕は君が望んでいることをご存知なんだよ。
あんたは殺されないぞ、あんたはあたしに生かされるぞ、あんたは何もご存知じゃないぞ。
そうなんだよ、僕はミツのことを何もご存知じゃないんだよ。
あんたはご存知なんだろ?あたしがミツバチだって。
僕はご存知なんだよ、ミツが異形の神様だって。