表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やり直しの大魔王の弟子  作者: 曇天
35/63

新装備

 オレたちはチアノーラの町へ戻る。


「なあマジッククリスタルってなんだ?」 


「うむ、魔力を貯められる水晶だ。

 我の時代よりおかれていたゆえ、かなりの魔力がたまっているはずなのだ」


「それを手に入れるのか」

 

「いいや、もし狙われては厄介ゆえ使えぬなら壊そうと思っておる。

 なにか嫌な予感がするのだ。

 それに人形師ドールマスターというものが探し物と言っておった。

 それが気にかかるのだ......」


「何かいってたな。 でもなんで?」


「あそこは古代遺跡あとだとメルアが言っておっただろう。

 もしかしたら魔煌晶マジッククリスタルを探しておったのかもしれんと思ってな。

 魔王ゼロ......

 勇者に倒されていたと言っておったが、三魔将の一人のやつはいきておるからな」

 

「おいおい! あんなのが三人もいたら詰むぞ!

 だから、あの亀さん仲間にしようつったのに!」


「あやつはもう長くない。

 あやつから魔力がもれ出ていて、周りのモンスターが強化されていただろう。

 もはや命つきるのだ」


「魔族なんだから大丈夫じゃないの?」


「あやつは魔族ではなくモンスターだ。

 手のひらに乗るぐらい小さなときから我のそばいて魔力を浴び続けた結果あのような姿となった。

 今は種族を守るためあそこにいるのだろう」


「......なら、かわいそうか」


「あんたたちどっか行くならさきに伝えときなさいよ!」


 そう怒鳴りながら前からどかどかと少女があるいてくる。


「ん? ベルの知り合い?」


「いいや、我は知らぬ」


「なにいってんの? わたしよわたし。

 まさか大きさが変わったくらいで、わたしがわかんないんじゃないでしょうね」


「大きさ......

 あっ! お前メルアか!

 何で人間サイズになってんだ!」


「へへーん、変化の魔法よ」  


「ふむ、変化トランスフォームかなかなか高度な魔法だ。

 さすが妖精だな」


「でしょ!  

 どう、シンジ褒めていいのよ」


「へー、お前って案外かわいかったんだな」


 オレがそういうと、メルアの顔が真っ赤になっていく。


「バカなにいってんのよ!!」


 ドギャ!! ガッ! ガッ! ガッガッガッガッガッガッガッ!!

 ズサササー!


「ぐはっ!!」


 殴られたオレはバウンドしながら吹きとばされた。

 

(......そういや、あいつちっこいとき殴られたときも、すげー威力だったな......)


 薄れ行く意識の中オレはそう思った。



「死ぬとこだったろ! 

 何回バウンドしたと思ってる!

 十二回だぞ!」


 意識を戻したオレはメルアにいった。


「ついいつもの調子で殴っちゃったわ」


 悪びれもせずメルアがいった。

 

「元々妖精は身体能力にも優れておる。

 羽を筋力で動かして飛んでおるからな。

 大きくなればそれだけ威力もあがる」


「魔法だけだと自分も危険だからね。

 この体なら肉弾戦もできるもの」


「確かにあの威力なら戦えるな」


「皆さん!」


 リーゼルが魅惑の球体を揺らして走ってくる。


「おお! おっぱ......リーゼル!」


「やっとできましたよ! 皆さん用のアイテム」


「いやだ! お前の呪いのアイテムは!」


「大丈夫ですよ。 ほらこれみてください」


 そういうと手に持ったハンマーが伸びた。


「うお! 伸びた!」


「ええ、ベルさんのアイデアで魔力を貯める魔法石を使って持ち手が伸びる仕様にしたんです!  

 魔力も吸いません」


「じゃあ、あたしに何かある。

 素手だと怪我しそうだし小手とかなんか」


「メルアさんずいぶんおっきくなりましたね」

 うーんそうですね。

 シンジさん用に作ったグローブならいいかも」


 そういってリーゼルはカバンからだしてメルアわたす。


「なにこのぷにぷにしたやつ」


「スライムから着想をえた。

 スライムグローブです。

 衝撃を吸収します」


「確かに柔らかくて怪我しにくそう。

 でもそうなると、この指輪邪魔ね。

 はいシンジ」


「なんだよこれ」


「最初に武具屋で買った指輪よ。

 あんたにあげるわ」


「あの腹につけてたやつか。

 もらえるもんはもらっとく」


「ベルさんにはこの剣」


「ふむ、軽いな」


「ハルンがつくってたゴーレムでも斬れる剣をボクが調べて作った。

 ゴーレムキラーです。

 貯めた少しの魔力で切断力をあげます」


「オレのは」


「シンジさんにはスライムグローブだったんですがそうですね。

 メルアさんが大きいのでこのリングですかね。

 魔力増幅のリングですが使い方が......」


「おー! ちょうどよかった! 指輪二つ目!」


 オレは早速リングを指にはめた。


「あっシンジさん! 待って......」


 オレの魔力があがる。


「おっ! すげー魔力があがってる!」


「ちょっと、シンジあんた痩せてきてない......」


「えっ! あれ何か......おかし」


「シンジさんそれは魔力を吸って増大させるマジックドレインリングなです!

 だから大きく魔力をあげるようとするといっぱい吸われてしまうんです!」


「ありぇ...... にゃんか...... 意識ぎゃ......」


「あー! またシンジがほっそほそになってるー!」

 


 メルアの声を聞きながらオレはまた意識を失った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ