朝のイタチ
朝のイタチが私をじっと見ている
白いイタチが曇り硝子の向こうに
映っているのは幻だろうか
人間の部屋に現れた神獣のように
黒い葡萄のような目が
じっと私を見ている
晴れたら今日は洗濯をしよう
あかるい五月の白い空の下で
溜まった黒い煙を叩き出そう
日頃の汚れを真っ新にしよう
パンパンと音を立て
パンパンと音を立てて
いつもの自分じゃなくなろう
背後の引き戸をゆっくりと開けて
朝のイタチがこちらへやって来る
とてもゆっくり ゆっくりと
私の足元を狙っている
逃げ場はどこにもなかった
仕方なくにっこり笑ってやると
温かい身体を擦り寄せて来た
最終奥義の猫用ミルクを喰らわすと
楽しそうに飲み始めた
昨夜はさんざん安眠妨害してくれてありがとう
だけど朝にはしっかり可愛いね
さぁ洗濯を始めよう
うちのフェレットは悪戯坊主