【漫才・最後の晩餐】
ボケ・ツッコミ「どーも、〇〇です。よろしくお願いします。」
ボケ「〇〇さん俺ね、実は最近真剣に考えてることあって…」
ツッコミ「なにどうした?」
ボケ「…う~ん、でもなぁ…わりと真剣な話だから…
ほんとは楽屋で2人で話した方がいいのかなって迷ったんだけど…」
ツッコミ「えっ…楽屋で?いや、よかったら皆さんにも聞いてもらった方がいいんじゃない?」
ボケ「あのさ……『地球最後の日になにを食べるか』って質問あるじゃん?」
ツッコミ「……はぁ」
ボケ「あれの正解はなんなのかなっって…」
ツッコミ「思ってたよりもだいぶしょうもないな」
ボケ「それがちょっと分からなくてさ」
ツッコミ「というか、それを俺と楽屋で2人で話す気だったの?
そんな盛り上がってない合コンの最後の砦みたいな話を?
逆にこわいよ」
ボケ「でも俺ほんとに悩んでるんだよ」
ツッコミ「そうだなぁ~まぁよくあるのだと
最後だから豪勢にお腹いっぱいステーキ食べたいとか、そんなのはあるけどね」
ボケ「ちなみにお前は?」
ツッコミ「俺は断然寿司派!最後だから奮発して高級寿司とか食べたりしてね」
ボケ「なるほど高級寿司ね……やっぱりお前はこの問題の本質を分かっていない」
ツッコミ「なんだよ本質って」
ボケ「地球最後の日だぞ?」
ツッコミ「うん?」
ボケ「寿司屋がやってるわけねーだろ」
ツッコミ「いやそれは……」
ボケ「寿司職人も人間なんだから、最後の日くらい家でゆっくりしたいでしょ」
ツッコミ「もしもの話ですから…」
ボケ「家族で思い出話したいでしょ?『お父さんこの日はじめてつぶ貝握れたんだよね』とか
『あ、みてみてこの日、発注数間違えてマグロが10匹届いちゃって大変だったね』とか」
ツッコミ「そんなコンビニみたいなミスあるかなぁ?」
ボケ「そこにお前がやってきて、店のシャッターガンガン叩いて
『おいあけろ!寿司握れ!大トロ10貫持ってこい…』
俺は泣きながらそんなお前を止めるわけ
『〇〇やめてくれ大トロ10巻も食べたら胃がもたれちまう』ってそれでもお前は…」
ツッコミ「ストップストップ!!
お前のなかの俺そういう仕上がりなの?
やだよ!そんな人間になりたくない!」
ボケ「そんな訳で、高級寿司はあきらめろ」
ツッコミ「じゃあいいよ、スーパーでパックの寿司買って家で食べるから
これならいいだろ?」
ボケ「〇〇さん……先ほどの話は聞いてましたか?」
ツッコミ「敬語むかつくな~」
ボケ「地球最後の日にスーパー開いてないだろ、どういう心持ちでレジ打てばいいの?
『店長、レジ金が5円合いません』一方そのころ頭上では隕石がゴゴゴ…と」
ツッコミ「分かった分かった!じゃあ聞くけど、そういうお前はどうなんだよ」
ボケ「俺は家の残り物でパパっとつくるパスタ
これが正解だから」
ツッコミ「そんなレシピサイトのランキング3位みたいなやつでいいの?」
ボケ「結局は、家の残り物をうまく扱えるやつが地球最後の日を制すから」
ツッコミ「人類みんなが制されてる日だけどな」
ボケ「『店も開いてないしなぁ…パスタでも作るか、ツナ缶とコーンと…味付けは醤油で和風に』」
ツッコミ「なんか死にきれねぇな~、絵面が土曜の昼だもん」
ボケ「そうだ、アレンジして冷蔵庫のひじきも入れちゃおうかな」
ツッコミ「最後の晩餐でアレンジレシピすんのスゲぇ勇気だなぁ
これ人生のレールが違っただけでお前が地球を救う世界線もあったろ」
ボケ「そんな訳で俺の答えはこれ」
ツッコミ「まぁお前がいいなら、いいんじゃない?」
ボケ「じゃあさ、合コンでこの質問が出た時に
『俺は家でぱぱっとパスタ作れちゃいますけど?』
っつったら女の子は『きゃ~すごーい』って」
ツッコミ「なるかなぁ?」
ボケ「なるはずだったんだよ」
ツッコミ「あ、やった後だった」
ボケ「なんでダメだったんだ?こんなに必死に考えたのに」
ツッコミ「必死に考えてるからだろ」
ボケ「実は今週も合コンがあってさ、それは絶対うまくやりたいのよ」
ツッコミ「いや知らないよ」
ボケ「まずメンバーが俺と、後輩4人と…」
ツッコミ「いやどうでもいいよ!その話こそ楽屋でやれ!いい加減にしろ」
2人「ありがとうございました」