表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

言葉

作者:

 誰かが言っていた。

 片想いの時期が一番楽しい──と。




「お前と話してる時が一番楽しいや」


  その言葉が嬉しかった。

  その言葉に安心した。

  その言葉に胡座をかいた。


「私好きな人が出来たの!」


 親友のその言葉。


 自分の事の様に喜んだ。

 自分の恋かの様に応援した。

 でも、

 自分の好きな人だと知って戸惑った。


「で、でもアイツは──」


 邪魔するかの様な自分の口から出る言葉。


 その言葉に嫌悪感を抱く。

 その言葉に罪悪感を抱く。

 そして、

 その言葉で邪魔する資格が無いことを自覚する。


「応援……するね」


 口から出た嘘。

 目から流れる本音。


「え、どうしたの」


 親友のその言葉に、貴女に好きな人が出来たのが嬉しくて──と嘘に塗りたくられた言葉を返す。



 好きな人の為に頑張る親友。

 好きな人の言葉で安心しきって、何もしなかった私。


 結果は明白。

 親友の喜ぶ姿を見て確信する。


「おめでとう」


 心にも無い言葉。


「ありがとう!」


 嬉しさを感じさせるその言葉。

 ただただ、羨ましく感じるその言葉。



 誰かが言っていた。

 片想いの時期が一番楽しい──と。

 きっとそれは、理想であって事実ではない。

 楽しそうに歩く二人を、後ろから見ている私の心がこんなにも苦しいのだから。

最後まで読んで頂き、ありがとうございまいた!


ご感想など、よろしければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] またしても、せつない… 想いが破れる瞬間は、切なくも美しくもありますね。 そういう面があるからこそ、人を想う気持ちは美しい。 そう思います。 [一言] 儚い美しさを描くのがお上手ですね。…
[一言] 読ませていただきました。 片思いの感情と親友を応援するというなんとも言えない感情表現が現実味があってとても面白かったです。
[一言] 新年早々、胸に突き刺さるぅ…←おい いや、なんですかね、ほんとにその通りだなぁと、行動した彼女と、行動しなかった彼女の、あぁ……リアルだ……。 現実を思い知らされました…。でも、良かったです…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ