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#09「呪い」

昼時の喧騒を過ぎた午後三時のファミリーレストランの片隅で二人の少女が座っていた。

友人達と待ち合わせでもしているのだろう。少女の一人はドリンクを飲み、もう一人はスマートフォンの画面を食い入るように見つめている。

「綾瀬ー」

「ん〜」

「ミナミ達遅くない?」

「ん〜」

「待ち合わせ時間合ってるのー?」

「んー」

生返事をくり返す綾瀬にしびれを切らしたもう一人の少女がスマートフォンを綾瀬の手から取り上げた。

「あー!!返してナオコ!!」

〝ナオコ″と呼ばれた少女は、綾瀬から取り上げたスマートフォンの画面を一瞥すると言った。

「綾瀬、アンタねえ、また『ハッピーバード』?」

少女の手の中のスマートフォンでは、青い小鳥のアイコンがぱたぱたと羽を動かしている。

「まだ『さえずり』送信してないの〜返してナオコ〜!」

そこへ綾瀬達と同じ制服を着た少女たちが手を振りながら現れた。

「お待たせ〜!」

「なに〜また痴話喧嘩〜?二人とも〜?」

「遅いわよ!」

現れた少女たちに、ナオコは黒い眉を釣り上げた。

「ごめん、ごめん!ミツヨの現文が長引いてさあ」

「も〜みんなは来ないし、綾瀬は『ハピバ』ばっかやってるし」

いつの間にやら、ナオコの手からスマートフォンを取り返した綾瀬はうふっとナオコにしなだれかかると猫なで声を出して言った。

「ごめんってナオコ♪あ!そうだ!ナオコも『ハピバ』やろうよ!楽しいよ〜!?」

「嫌よ。綾瀬みたいな『トリ中』になりたくないし」

「ひど〜い!!」

二人の会話に他の少女たちはどっと笑った。

「や〜綾瀬のはもう『トリ廃』レベルだからね〜!」

……『ハッピーバード』とは、140字の文字制限があるSNSソーシャルネットワーキングサービスである。一見、不自由に思える140文字という字数の制限は、気軽な投稿から内容を推敲した濃い内容な投稿まで――通称『さえずり』と呼ばれる――を見ることができるため、高校生を中心に流行している。


「それで〜?『ハピバ』で知り合ったっていう『D』はどうだったの?綾瀬?」

綾瀬は急に不機嫌になり、む〜とした顔をしたまま、首を振った。

「ダメだよ!話になんない!しかも向こう、相手連れだし!」

「え〜!?彼女連れってことー!?」

「違うよ!男だよ!」

きゃー!!と一同から悲鳴が上がった。それを遮るように綾瀬のスマートフォンの着信音が鳴り響く。

「あ!サキからだー!」

スマートフォンの画面で、綾瀬はメールを確認する。

「なに?サキこっち来るって?」

ナオコの言葉に綾瀬は首を振り、

「ダメ。今日はハルカさんと帰るって〜」

と不機嫌そうな顔をした。

「また?サキってハルカさんと仲良いわよね」

そんなナオコの言葉に、移ろいやすい少女達の心はすぐにサキとハルカの話題に変わった。

「え?だって姉妹なんでしょ?あの二人。」

「なんでー?だって、同じ学年なのに?」

「顔似てなくない?」

少女達のざわめきに綾瀬はむう、と機嫌の悪い顔のまま、ぽつりと言った。

「当たり前じゃん、サキとハルカさん、血は繋がってないもん」

綾瀬の言葉に少女達から驚きの声が上がる。

「どういうことなの?」

わくわくと綾瀬を見つめる少女達を一瞥すると、

「ハルカさんが、サキのお父さんに引き取られたの!」

と綾瀬は言った。

えーーー!?という一同の反応に綾瀬は溜め息をつくと

「ハルカさんとサキのお父さんが仲良くて、ハルカさんのお父さんが死んじゃった後、サキのお父さんに引き取られたんだよ!…でも、付き合いはハルカさんより幼馴染の綾瀬の方が長いのに〜!」

と不満気に呟いた。

綾瀬の不機嫌には慣れているのか、ナオコはハイハイ、といった様子で軽くあしらうと

「あーらら、男だけじゃなく、サキにも振られたわね」

と言った。

「もー!バカにしないでよー!」

怒った綾瀬に少女達はきゃっきゃっと喜んだ。


「あーあ、綾瀬といちごパフェ食べたかったなー」

エレベーターの中で残念そうに呟いたサキをハルカは睨んだ。

「また、綾瀬?」

不満げに言ったハルカにサキはにやにやと笑った。

「なにィ?妬いてるのォ~?」

それには反論せずに、サキを一瞥するとハルカは呟いた。

「……パフェばっかり食べてると太るわよ」

「ひどい!ハルカ~!」

エレベーターのドアが開くと、騒音の中、ハルカはむくれているサキを置いて、迷わずカラオケのカウンターに進んだ。カウンターにいた茶髪の男はハルカを見るとよっと手をあげ、親しそうに笑った。

「や!今日は何号室にする~?」

「404号」

ハルカの言葉に、男はぴくりと眉を動かした。無言で部屋の鍵を用意すると何食わぬ顔で男は言った。

「フリータイム?」

「一時間で」

「了解」

鍵を受け取ったハルカに、男はニヤリと笑うと、

「ドリンクは先に運んどいたよ」

と言った。

カウンターの脇をすり抜け、「404号」と書かれたドアを開けると、銀髪の男と黒髪の男がそこにいた。

「遅かったね~!」

へらへらと笑うリュウに、ハルカはため息をついた。

「一応、学生なもので」

「ってゆーかさー!今時、メールで呼び出しとかやめてよねー!ハピバくらい使えないの?オジサン?」

“オジサン”というサキの言葉に、ひくり、と口の端を釣り上げたリュウに気付いて、セイがそれを制した。

「……悪いが、依頼主からの命令でな。『実際に顔を合わせないような人間は信用できない』と」

そう言ったセイにサキはバカにするように笑った。

「うっわ、超アナログ~」

「“超アナログ”で悪いけど、支払いも現金なんだよね~」

それともデジタルコインで支払いの方が良かった?と嫌味に言い返すリュウにハルカはあっさりと言った。

「助かるわ。前払い?」

「それでも構わんが、失敗した場合は……」

「その心配はないわ」

セイの言葉に二人の少女はくすりと笑った。

「だって、私たち、失敗しないもの」


……ねずみの元に身を寄せたその夜、野良犬は夢を見た。


ガラスの容器を抱えた長髪を束ねたその男は困ったように言った。

「…それで、旦那様、こちらですが…どう致しますか?」

長髪の男の横に立つ短髪のもう一人の男も困惑したように、顔色を伺う。「旦那様」と呼ばれた三人の主人である男は真剣な顔のまま言った。

「…食堂にでも飾っとくか。」

「「止めてください」」

同時に言った二人に主はつまらん、とでもいうように「冗談だ、冗談」と言い捨てると

「いずれにしろ、手術は間に合わん。処分するか」

主のその言葉に自分はおずおずと言った。

「あの…私に下さいませんか?」

そう言った自分に主と二人の男は呆然とこちらを見ていたが、主人は急に大声で笑い出した。

「旦那様…?」

何かまずいことを言っただろうかとおずおずと見ると、主人はにやりと笑うと言った。

「もとはといえば、お前が取り戻してきたものだ。好きにするといい」

「…はい。」


全身に汗をかいて野良犬は目を覚ました。

なんであの頃の夢なんか…そう思って野良犬はふと気付いた。

ああ、そうだここには『あの方』がいるから。

野良犬はベッドから身を起こすとふらふらと、歩き出した。


普段は「ねずみ」達で賑わう地下のバーも、明け方近いこの時間には誰もいないだろう。そう思ってここに来た野良犬だったが、すでに先客がいた。

「やあ、D。眠れないのかい?」

すでに氷だけになったグラスをからころと揺らしながら、ねずみが言った。

無言で隣に座ると、グラスを用意しようとするねずみを断った。その様子を見てねずみがふふふと笑った。

「『ぬばたまの夢にはもとな会いみれど』」

そう言うとねずみはグラスをまたからころと揺らした。野良犬は怪訝な顔をしてそちらを見る。

「『夢ではいたずらに会うけれども』という意味の歌さ。…『彼』に会って行くかい?」

ねずみの言葉に野良犬は少し考えてから首を振った。

「今日は…いい。」

「そうかい…。」

野良犬のその返事を聞くとねずみはそのまま何も言わず、ただ黙って野良犬の隣に座っていた。


404号室を後にした少女達は先程セイとリュウから貰った二枚の写真を見ながら、エレベーターへと乗り込んだ。

「もーう!今時、写真とか信じられない!普通、データでしょ!!」

文句をいうサキを横に、ハルカは改めて写真を見ると呟いた。

「『野良犬』…ってことは、もとは『飼い犬』だったのかしら」

「何それ」

「『飼い主』がいたのかしらね?」

ハルカの言葉にうーん、とサキは唸った。

「わかんない。でも今は一人なんでしょ?」

「『飼い主』から自由になったってことかしら…羨ましいわ」

思わずぽつりと呟いたハルカの横顔を見て、サキがハルカに抱き着いた。

「サキ?」

「大丈夫、自由になれるわ。私たちも」

そう耳元で呟いたサキに、ハルカは驚き目を見開いていたが微笑んで言った。

「…そうね。自由になれるわ」


「人は何故、衣服を纏うのか。そう考えたことはないかな?少年」

起き抜けのボーっとした頭で、ねずみの用意した朝食をつまんでいた猫は、さらに意識が遠のくのを感じた。

「……アンタがなんで、朝からそんな服を着てるのか、今めっちゃ考えてるよ」

何故なら、猫にそう問いかけるねずみはセーラー服を着ていたからである。

そんな猫におかまいなく、ねずみは恍惚として続ける。

「そう!それは服飾家ならず人類の永遠のテーマさ…!調べると話は旧約聖書の創世記に遡る」

おいおい、地球の創造レベルかよ、と思ったが、もはやねずみを止めることは不可能、と判断した猫は朝食のベーコンエッグを咀嚼するのに専念することにした。ベーコンのはじの部分がカリカリしてて美味しい。

「人間は何故こうも、衣服、布きれ一枚如きにこんなにもこだわるのか。旧約聖書によれば、人間が初めて衣服を纏ったのは、罪を犯しエデンの園を追放された時だという。つまり、僕らが衣服を纏うのは、皆、罪人だからさ……!」

卵の黄身をかじっていた猫は、横でトーストの上にベーコンエッグを乗せ、かじっている野良犬をちらりと見ると、言った。

「……何言ってるか、全然わかんねぇんだけど。翻訳して」

トーストを一口かじると野良犬は真顔のまま、ぽそりと言った。

「……無罪なら全裸」

野良犬の一言をはっはっは!と笑いとばすと、ねずみは先を続けた。

「なかなか面白い解釈だね!……だが、僕はこうも思うわけだ。人が衣を纏うのには、罪人である他に意味があるのではないかと」

ねずみの言葉の意味がまるで分からない猫が眉根を寄せると、ねずみはいきいきとその先を続けた。

「例えば、この制服は花音女学園に属することを表す。逆に花音女学園の生徒がこの制服を着ていなかったら?放課後、友達と遊びに行くのか?それとも恋人と待ち合わせでもしているのかもしれない。そう、我々人間は知らず知らずのうちにある場面、ある場面で違う衣服を選び、纏っている。こんなことをするのは人間くらいのものさ。こう言いかえることもできる。衣服を纏うとは演じることだと。しかし、逆にこう考えられはしないだろうか?我々人間は衣服にあう役柄を演じているに過ぎない――そう、衣服とはすなわち仮面である」

ねずみの演説を聴いていた猫はだんだんベーコンの味もよく分からなくなってきた。野良犬はねずみの演説には慣れているらしい、眉間に皺を寄せたまま、

「真面目に聞くな。疲れるぞ」

と一言いうとトーストを完食し、席を立った。一方、ねずみの演説に感激した様子を見せたアウルはねずみの手を取った。

「素晴らしい!!ねずみさん!『我々人間は衣服にあう役柄を演じているに過ぎない――』

つまり、人がその衣服を選んで纏うのには理由がある、というわけですね!!」

「ふふ、さすがドクター、飲み込みが早い」

ねずみとアウルのやりとりを見ていた猫はぽつりと言った。

「…じゃあ、アンタが今、服を着てないのにも理由があんの??」

「それは、私が野球拳~∞~で負け続けたからですよ!!嫌味な子ですね!!」

アウルがそう言うと、ねずみがくすりと笑った。

「ドクターはあまりジャンケンが得意でないとみえる」

その言葉にアウルは顔を赤らめてねずみを見た。

「えっ…いや…そうでもないと思いますが、なにぶん、貴方が強過ぎて…」

どうやら、ねずみと『野球拳〜∞〜』で負け続けた結果らしい。涼しい顔でセーラー服をひらつかせているねずみを見るに、ねずみの服装は単なる趣味のようだ。

「…アウル、そういえば、いつまでここにいるつもりだ?」

いつのまにか、身支度を整えて戻って来た野良犬が、アウルを苦々しい顔で見て言った。そんな野良犬にアウルはため息をつく。

「全く、相変わらず貴方は…!命の恩人にもう少し他に言いようはないんですか?」

「いいから、服を着ろ。」

「ああ、せっかくだから、ドクターにはしばらくここに残って貰おうかと思っているんだ。Ⅾ、君の怪我もまだ完治していないことだしね」

そう言ったねずみの横でようやく服を着たアウルが、なぜかふふん、と自信ありげに野良犬を見た。

「そういうことですよ。ねずみさんのたっての希望で、しばらくこちらにお邪魔することになったんです」

「ありがとう、ドクター。Dはすぐ無茶をする子だからね。ドクターがいればDも安心だ。」

「いえいえ、ねずみさんのお役に立てるなら…!野良犬の世話くらい大したことではありません!」

そう言って野良犬の方を見るアウルの笑顔は全く目が笑っていない。いや、むしろ何かの敵意すら感じられる。野良犬はそれを見て、自分がひどく面倒なことに巻き込まれつつあることを悟った。

深くため息をつくと、野良犬はアウルに言った。

「…それより、頼み事があると聞いたんだが?」

野良犬の言葉にアウルは一枚の紙を取り出した。

「…なんだこれは?」

「薬や、医療器具の一覧です。これを持って来て貰いたいんです」

「…何故、」

俺が、と野良犬が言うより先にアウルがふうとわざとらしくため息をつく。

「こちらにある薬品や医療器具は限られてましてね。…まぁ、現状では不足はないんですが、いつどこぞのお馬鹿さんが怪我したり病気するか分からないですからね」

猫はアウルが渡したその紙に興味があるようだ。必死に野良犬の手にある紙を見ようと背伸びをしたり、横でぴょんぴょんと飛び跳ねている。

「そういうわけだよ、D。頼まれてはくれないかね」

野良犬はしばらく、アウルの顔とねずみの顔を交互に見ていたが

「…お前の頼みなら」

とため息をついた。野良犬のその言葉にねずみはにやりと笑い、「Dならそう言ってくれると思ったよ」と食後の紅茶を啜った。

何やら二人の間に流れる親しげな雰囲気を感じ取って、アウルがぴくりと眉を動かした。大人たちのそんな事情には全く気付くはずもなく、猫は野良犬の顔を見上げて尋ねた。

「…どっか行くの?」

「ああ、少しな」

その言葉に猫はにっこりと笑うと、早速、野良犬の腕に自分の腕を絡ませた。

「じゃ俺も行く!!」

猫の言葉にアウルもねずみも驚いてそちらを見た。

「あなたはここにいなさい」

「少年、君はここに居たまえ」

思わずそう言った二人に猫は不機嫌そうな顔をした。

「なんでだよ!」

「なんで、もなにも、黒猫が取り返したいのは他でもない貴方なんですよ?外をうろつくなんてとんでもない!」

「ドクターのいう通りだよ。黒猫に捕まりたくなかったら、ここで大人しくしているのが安心だ」

二人の言葉にむ~っと頬を膨らませると、猫は首を振って野良犬に絡ませた腕に力をこめた。

「嫌だ、付いてく!」

「猫、」

腕を振り払おうと挙げた野良犬の手を猫は取った。

「『どこへでも』連れて行くって言っただろ!!」

そう言った猫の力強い眼差しに、野良犬は一瞬、言葉につまった。渋面を作ると、野良犬は無言で、猫の手を振り払う。

「…勝手にしろ」

野良犬の言葉にアウルとねずみは驚いて顔を見合わせた。

一方、猫は満面の笑みを浮かべると

「よし!じゃあ勝手に付いてくもんね~」

と嬉しそうに野良犬のあとに続いた。

「なん…ですか?あの二人…やけにあの子は野良犬に懐いてるし、野良犬も満更でもなさそうというか…」

アウルは野良犬と猫が去った後を呆然と見送っていたが、我に返ると思わず言った。ねずみはしばらく考え込んでいたが、誰へ言うとでもなく呟いた。

「『どこまでもどこまでも一緒に行こう』…」

「え?」

突然のねずみの言葉を理解できず、アウルは訊き返した。

「『銀河鉄道の夜』ですよ、ドクター」

「ああ、宮沢賢治のですか?」

アウルの言葉に黙って頷くと、ねずみは去っていった二人の後を見るような遠い目つきをした。

「…これは僕の考えですが、あの銀河鉄道の中で、ジョバンニが『どこまでもどこまでも一緒に行こう』とカムパネルラに言った瞬間に、二人はおそらく引き裂かれたのですよ。ジョバンニが『呪い』のような願い事を口にした、あの瞬間に」

「はあ…呪い…ですか…。私はなにぶん、文学には疎くてあまり分かりませんが…」

「呪いも願いも背中合わせ、同じことですよ、ドクター」

口にしたら、決して叶わない。

「え?」

ぽつりと呟いたねずみに、アウルは眉を寄せて訊き返した。

「まぁ、お茶でも飲んでるうちに二人とも帰ってくるでしょう。ドクターは紅茶とコーヒーどちらがお好みです?」

「あ、すみません、私コーヒーは苦手で…」

「ちょうど良かった!この間いいアールグレイを手に入れたところなんです!スコーンも用意しましょう!」

うきうきとお茶の用意に席を立ったねずみの背中をアウルは怪訝な顔で見つめていた。気のせいだろうか、とアウルは先ほどの会話を思い出していた。

(泣き出しそうな顔をしていた?…あの聡明なねずみさんが?)

いやいや、まさかそんな、と紅茶とスコーンを用意するねずみの笑顔を見て、アウルは首を振った。

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