表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

色ー黒ー

作者: 夜乃 ユメ

 黒は白の正反対色だ。何もかも飲み込むような圧倒的存在感を常に放っている気がする。全ての色の終わりへと行きつく色。黒は終わりを連想させる。夜が暗いと落ち着く。夜という言葉の響きとその時間帯の黒が占める割合がとても心地よい。夜は黒くないと夜ではない。そこには当たり前の日常が影の如くずっとある。夜が暗いことであることが、日常であることの証左だと思う。

 黒は重い色だ。でもその重厚感が白とはまた違った意味で安心するのだ。包み込むようなものではなく、どっしりとその場で構えているような感覚。黒いものを見ていると、些細な悩み事など他愛のないことのように思える。壮大だ。

 結局黒色というのはほとんど全てのものに入っている。花鳥風月、森羅万象ありとあらゆるものに黒は見て取れる。必要としていないようで、黒がいないと成り立たない。作られるべくして作られた色なんだろう。

 そして黒は終わりの色でもある。燃え散る時、一日の終わり、はては宇宙の果て。死。黒は怖い色だ。それでいて美しい。狂気的でもある。全てを飲み込む黒。不思議とそこに生を感じ取ることはないが、黒に晒された何かから生を感じ取ることができる。

 何かを支えている圧倒的な存在。しかし、主張することはない。何かと共に在る時、黒はその真価を発揮するのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ