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君を好きになったのは

 ごめん。たぶん君は怒るだろうから先に謝っとくよ。


 君は全部知っててそばにいてくれたから、感謝してた。


 どんなに隠しても些細な不調を見抜いてくれた所が、本当に好きだった。




 それでも、十何時間も痛みに耐えて、拭う間もないくらい汗だくで、タイトル防衛戦を終えた直後みたいにボロボロで、眉間に皺を寄せながら笑った君と。



 泡の様に軽くて、光の様に熱くて、命の様に泣く娘を見て。



 そこでようやく「ああ、僕はこのために生まれてきたんだ」と思ったんだ。



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