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異世界's Survivor  作者: K
4/4

3ニン目 そのニ

なるほどな。

日記を全て読み終わった頃には既に時計の針は2時の方向を指していた。

とりあえず、書いてあったことを整理すると


・これを書いた人はみんな亡くなってる。

・みんなバクスに復讐するよう促している。

ほぼほぼ、全員この旨の内容だった。


だが、面白いことに1人だけ1日を生き残った人がいるらしいのだ。

その人の記録によると


・日付は時計の針がもう一度12時の方向を差したら変更される。


・バクスは1日経っても消えない。それどころかもう1人バケモノが増える。

そいつの名前は色欲の悪魔 ネヌキ

そいつを一度見てしまったら魅入られて一瞬で骨抜きにされる。


とのことだ。

つまり、ネヌキとは目を合わせることも許されないのか。

しかし、ネヌキの前にバクスをなんとかしなければな…

バクスは、次の日になっても受け継ぐ。

つまり明日になったらバケモノが2体に増える。


こんなタチの悪い事はない。

僕は必死にバクスの対策方法を考える。


ん?待てよ…

あいつの名前は暴食の獣。

つまり食べ物を見たら何も考えず喰らいつくのではないか?


僕は手に持ってるチョコレートを使って罠を作ることを考えた。



僕は家を出た。

すっかり外は明るくなっており、もう朝だった。

時計を見ると3時の方向を針が指している。


僕はチョコレートの欠片を家の前に落とした。

そして、それを等間隔で落としていき、家の中に誘導するように置いた。


そして、タンスの中に隠れ待機をする。


「ガルル…」


あの嫌な声が聞こえてきた。

こんなにもの時間、何も食べていなかったのだから、さぞかし腹を空かしてだろう。

つまり思考力はより低下してる。

これはチャンスだ。


家の外で何かを咀嚼するような音が聞こえる。


怖い、怖い、緊張する。


俺の足がブルブルと震える。


俺はそれを必死で抑える。


音が近付いてきた。


「ガル…ガル…」


嫌な音がドンドン近付いてくる。


「ガルルル」


そう唸ったかと思うと走る音が近づいてくる。


やばい、なんでだ!

まだ、チョコレートが……あ、そうか!

肉の匂いを嗅ぎつけて僕の方に向かいに来たのか!


僕はそう判断し、タンスの入り口に向け包丁を突き出した。

その瞬間、


バキッ!


タンスの入り口が醜悪な狼の噛みつきによって壊された。

だが、狼はその代償に一つの顔を失った。

包丁を突き出してたのが活きて、タンスを噛み付いて壊した狼の顔のど真ん中を貫いたのだ。


僕はすぐさま、その包丁を手放し硬直してるバクスの後ろに回りこむ。

やはり、そうすぐには動けないか。


想定外のせいで、仕掛けた罠が使えない…

くそ、ならば


僕は機転を利かして、家から出て家にライターを付け離れた。

この町の家は見た感じ全て木造建築だ。

もちろんこの家も例外ではないだろう。


家が燃え盛る。


「ガルルゥ…ガルルゥ…」


悲痛な獣の叫び声が聞こえる。

どうだ、思い知ったか。

これがお前が殺した人たちの憎悪の力だ!


そして、僕は苦しむ姿を見るために燃えてる家に近付いた。

たがそれが間違いだった。


「ガルルウ!」

バクスは家から重体の体であるにも関わらず飛び出てきて、覗いた俺のスネに噛み付いてきたのだ。


ぐ、痛い、痛い、痛い


暴食の獣 バクスは真ん中の顔には包丁が刺さり左は完全に焦げ、右の顔も引火をしていてもう瀕死であろう状態だった。


それでも右のバクスは俺のスネを離さなかった。


ミシミシッ


嫌な音がする。


くそ、痛い、痛い


僕は思わず目から涙を流した。


「くそっ!こいつ離れろよ!!」


僕は涙目になりながら、何度も何度もバクスの右の顔を蹴った。


だが、決してバクスは離れなかった。

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