2ニン目
「なんやねん、ここ」
俺はいつの間にかわけわからんとこにおった。
近くには紙が置いてあった。
「アナタには常人の3倍の力を出せる能力を与えてます。
このセカイからの脱出方法は7日間イキノコルことです。
アナタはイキノコルことが出来るかな?
残り 7ニチ
初日 暴食の獣 バクス」
なんやこれ?
つまり、俺の能力使ってバクスってやつ殺したったらしまいちゃうん?
なるほど、これはおもろそうや。
久々に燃えるなぁ。
俺は部屋を散策した。
すると、日記帳があった。
俺は本読むんは嫌いやねん。
いらんわ。
俺は日記帳を端に置いて出かけることに決めた。
俺は外に出た。
夜にも関わらず明るい。
「グルル…」
妙な声が聞こえたなぁ。
多分今の声がバクスっちゅうやつの正体なんやろ。
かかってこいや。
俺は声をした方を向く。
すると、3つ顔があるきしょい狼が出てきよった。
左のやつは舌を出して狂ってそうな顔持ちで
真ん中の一体は利口そうな顔持ち
最後の一体は顔一面に血がついとっていかにも噛み付いてきそうやった。
「ぉら、いくでぇ」
俺は真ん中のやつに殴りかかった。
だがバクスは素早く俺の拳を避けるや否や俺の尻に噛み付いてきよった。
「いった!」
マジで痛い。こいつ普通の犬とは比べものにならん、噛みの強さや…
尻がまじで持ってかれそうや。
俺は与えられた力を使ってバクスを引き離そうとする。
やけど、無理や。
こいつ噛む力が桁違いや。
ミシミシ
嫌な音がした。
こいつ、尻の骨まで噛みにきよったな。
俺は思わず立ってられんくて倒れる。
待ってたかのように残りの2体の顔が俺の背中と腹を噛む。
ぐっ
痛すぎて声もでんわ。
なんやこいつ…
マジで痛い
体の中がグチョグチョするような痛みが腹と背中同時にきよる。
くそ、やられっぱなしでいられるかよ!
俺は最後の力を振り絞って全力で腹を噛んでるバクスの顔に拳を振り上げた。
だが次の瞬間、バクスは食べるのをやめ俺から距離を置いた。
俺は自分の腹に全力で殴った。
「グヘッ」
口から緑の液体が飛び出る。
そして、確かに体の中の何かが潰れたような気がした。
もう、俺は立ってられないどころではなかった。
くそ、痛すぎる。
俺が痛がってるのなんて御構い無しにまたバクスがきた。
くそ、もう好きにしやがれ。
そう思った瞬間バクスは俺の顔の前でデカく口を開けた。
…
「お疲れ様でした。」
「では、日記に次の人に伝えたいことをどうぞ。」
「…ありがとうございます。」
『バクスを殺せ!』
そう日記には刻まれていた。