1ニン目
「はっ」
ここはどこだ?
僕は目が覚めたら見知らぬ場所にいた。
パッと見た感じ小屋らしい
そこには、一枚の紙が置いてあった。
「アナタには常人の3倍の速さで走る能力を与えてます。
このセカイからの脱出方法は7日間イキノコルことです。
アナタはイキノコルことが出来るかな?
残り 7ニチ
初日 暴食の獣 バクス」
どういうことだ?
試しに僕は小屋の中を走ってみた。
すると普通の人とは思えないスピードで走れた。
クラスでは確かに速い方たがこれはいくらなんでもおかしい。
僕は思いっきり走るために外に出た。
外はまるでゴーストタウンのようだった。
人の気配はまるでない。
辺りを見回すと蜘蛛の巣が貼ってある家が沢山ある。
どの家も灯りがない。
そして、なによりも一番驚いたのは夜にも関わらずなぜか明るい。
なぜだろう?
理由は子供の僕が考えてもちっとも分からない。
僕はこの町の端から端までを全速力で3往復走った。
もちろん誰ともすれ違わないし灯りが付いた家もない。
そして、この町からは出れそうにない。
村のどっちの入り口にもトゲトゲが付いた柵がある。
その時、どこからか「グルル…」とまるで地獄の底から響くようなものすごい重低音がした。
「え、これなんの音?」
僕は思わず呟いた。
「グルル…」
音が近付いてきた。
これがまさかあの紙に書いてあったバクス?
僕は走ってさっきの小屋に戻った。
すると、その小屋の中にはさっきは気付かなかったが日記帳らしきものが置いてあった。
僕はそれに手を伸ばして読もうとした。
その時、後ろから突然耳元で「ガルル…」と声がしたと思ったら首に激痛がした。
目の前には僕の体があった。
「ガウガウ」
何者かに僕は咀嚼されていた。
…
「お疲れ様です。」
「アナタはここでゲームオーバーです。」
「それでは、この日記帳に次来る人へ伝えたいことをお書きください。」
「使えるのは1ページのみです。」
「え、メリットは何かって?」
「バクスに復讐したいでしょう?」
「その為には、少しでも情報を次来る人に与えるのが得策だとワタシは思うんですけどね。」
「書き終わりましたか。」
「それではワタシはこれで。」
『バクスをたおして!』
日記帳の新たな一ページにはそう刻まれていた。