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第4話 住処はジャングルじゃなかった(あたりまえだ!)

 空港の外に出ると、カオスでした。

 おそらく出迎えの人間らしきものがひしめき合っている。

「ヘイ、タクシー?」

 怪しげな男が近づいていきます。

「タクシー探してんの? だったらこっちだから」っていうことなんでしょうが、「チタマの歩き方(仮称)」によると、こいつについていってはいけない。


 100パーセントぼられます。


 そもそも会社から迎えの車が来ているはずなので、そんな怪しげなタクシーに乗る必要はありません。

 案の定、「こっちだ」と私を見つけて声をかけてきた日本人がいます。

 大柄で顔のでかいおっさんです。

 その人は私のパスポートの写真をコピーした紙を持っていて、それで判断したようです。 写りも悪く、凶悪犯罪者のように見えるその写真でもしっかり私のことがわかったらしい。

 その人はカモを求めて群がってくる有象無象を退けながら、こう言いました。

「南野君だな?」(このエッセイの中では、私の名前は南野で統一します)

「はい」

「M籐だ」

 そう、そのひとこそ、とりあえず私が行くはずの現場の所長、M籐さんでした。

 運転手に荷物を車に運ばせ、私とM籐さんは車に乗り込みます。ちなみに車は日本車。(たしかカローラだったような……)運転手は若い現地の男で、いたずらっ子のような顔をしてます。


 こっちの交通事情は基本的にだいたい混んでいます。

 で、ちょっとの隙に、他の車が割り込んでこようとする。

 まあ、ちょっとした度胸と図々しさが必要です。

 来る前は、こっちでの運転も考えていたんですが……。


 無理だな、こりゃ。


 絶対事故りそう。しかも事故っても言葉が通じない。

 そりゃ、会社も運転手をつけるわな。


 そうこうしているうちに車は、なんちゃらビレッジと書いてあるところに来ました。

 そこにはゲートに門番がいる。

 運転手、なにやらパスを見せて、そこを通過。


 関所かよっ!


 なにやらここは、外部から怪しげな人間が来ることを拒む仕様らしいです。

 窓から眺めると、割と高級そうな一軒家が並んでいます。


 こ、これはひょっとして高級住宅街というやつではないのか?


 想像してたジャングルの中の掘っ立て小屋とは違うぞ。(なんて失敬なやつだ)


 そして車は、そのうちのひとつの前に泊まりました。

 やはりそれなりに高級そうな家。

 どうやらここが当面のすみかになるらしいのです。


 おおお。南野リッチマ~ン!


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