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第15話 リゾートにたどり着くまでもが冒険です

 ドゥマゲティ空港にたどり着いた私を待ち受けていたのは、現地スタッフによる添乗員でした。

 日本からのパックツアーとちがって、客は私ただ一人。

 添乗員は私の荷物を車に積み込み、私を乗せて出発。

 ちょっとごみごみした町並みをくぐり抜け、海岸に出ます。

 海岸にはバンカーボートが着岸していました。

 残念ながらクルーザーではありません。両サイドにアウトリガー(転倒防止についてる丸太みたいな奴)がついたちょっとぼろい船です。

 ここでちょっとした疑問。


 ええっと、バンカーボートが心なしか遠いんだけど。


 浅くてそれ以上近づけないのか、岸とボートの間には海が……。

 乗り込めないじゃないの、これ?


 ひょっとして小さなゴムボートかなにかで渡してくれるんでしょうか?


 しかし事態は私の予想の斜め上を行く。

 わらわらと集まってきた屈強そうな男たちに、添乗員さん、なにやらチップを配り出す。

 彼らは私の荷物を肩に乗せると、そのままじゃぶじゃぶと海の中を歩き出す。


 おお、荷物はそうやって運ぶのか?


 まあ、歩いて行けるくらい浅いからこそ、バンカーボートはあれ以上近づけないのでしょう。

 え、まさか俺にも歩けっていうの? 靴とズボン濡れるじゃん?


 しか~し、屈強そうな男、私の前でしゃがむと、自分の肩を指さす。


 え、まさか、……肩車?


 はは、冗談かって思うよね。しかしそれは冗談でも何でもなかった。

 私を肩に乗っけたその男はバンカーボートに向かって歩き出す。


 マジっ? マジかよ、これっ!


 マジもマジ、大マジです(笑)。

 こうして私を乗せたバンカーボートは出航した。ネグロス島からセブ島最南端に向けて。

 そこは陸路よりやるかに近いルート。数十分の後、前方にはダイビングリゾートが見えてきました。


 なにやら海のほうに跳ね出した、壁のない展望レストラン。その脇には沖に向かって伸びる木の桟橋。そこに着岸しそうです。


 どうやら乗り込みには肩車の人はいらないようだな(笑)。


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