第2話『不登校の二人』
担任であり兄でもある誠也に頼まれて不登校の二人の家に行った星次が説得をするが・・・・・・
ー2人の不登校ー
同じクラスの不登校を学校に連れてくるように言われて、説得をするために家の前まで来たのだが、
「家でけぇ」
家の前に立って驚愕した。まさか横浜のど真ん中にこんな豪邸が建っているとは知らなかった。
吉岡ってやつはとんだボンボンのようだ。
インターホンを押すのすらためらってしまう。
「うちに何か御用ですか?」
急に後ろから声をかけられ驚く。
「す、すみません。怪しいものじゃないです。横浜市立港高校の一年一組の渡辺です。えっと吉岡君にプリントを届けに来ました。」
「あら、ずいぶんと礼儀正しい子ね、寛人なら今出かけているから少し家で待ってるといいわ。」
「すみません。お邪魔します」
家の中にシャンデリアがある・・・・・・
それにしても綺麗な人だった。『金』って感じだ。オーラからお金持ちな感じが出ている。あの人は吉岡君のお姉さんかな。
しばらくリビングで待っていると玄関が開く音がした。それからまた少ししてリビングに入ってくる。
「俺にお客さんって君のことだよね?」
いじめられていたとか聞いていたから見た目にコンプレックスでも持っているのかとか、色々考えてはいたけどまったく予想とは違っていた。
真逆だ、コンプレックスどころか超イケメンだ。
「俺は渡辺星次。一応同じクラスの同級生。担任の渡辺誠也とは兄弟だ。よろしく」
「よろしく、俺は吉岡寛人、モデルやってるんだ」
モデルなんてやっていたのかよ、しかもコミュニケーション能力も低いわけでもないし、むしろクラスの中心にいそうな奴だ。
爽やかな見た目はまさに『水色』だ。
「それで要件なんだけどこれ」
俺は兄貴から渡されていたプリントを渡した。
「これは?」
「遠足の参加承諾書、参加するにしろ参加しないにしろどっちにしろ提出しなきゃいけないみたいでさ、兄貴はなんだか忙しいみたいだから代わりに来た」
「じゃあ今書くからちょっと待って」
そういって近くにあったペンを持って記入しだした。
「はいこれで君に渡しておけば平気かな?」
渡された承諾書には参加しないに丸がついていた。即答。
だが頼まれている以上ここではいそうですかと帰るわけにもいかない
「遠足こないのか?モデルの仕事が忙しいとかか?」
「いいや、クラスに友達もいないし別にいく意味ないかなって」
「遠足までまだ時間もあるし今からでも友達作るのには遅くないだろ」
「俺が何で学校に行かないか先生から何か聞いてない?」
「少しだけ聞いてる、友達ができないって」
正直少し話してみてそんなことはないと思うけれど、彼なりの事情というものがあるのだろう。
「俺中学の時にいじめられててさ」
「理由とかってあるのか?」
「・・・・・・中三のときにクラスにいた不良グループのリーダーの彼女が俺に告白してきて、それで俺がその女の子のこと誘惑して寝取ったって噂が立って、その不良グループからいじめが始まって友達だった奴らも自分がやられたら怖いからって俺か離れてって、俺も学校に行かなくなった」
「そんなことがあったのか、それでも高校に入って環境も変わったんだし友達だってもう一度作ればいいじゃん」
「それは考えたけど、また俺がいじめられるようなことがあってすぐに俺から距離を取っていくんじゃないかって思ってさ、そんな関係でも友達っていうのかな?そんな脆い関係に何か意味があるのかな?」
吉岡の言葉を聞いて入学式に彼女から聞いた言葉を思い出した。
『この学校に通う意味がないから』
「意味がないか・・・・・・、意味なんて分からなくてもいいんじゃないか?」
「え?」
「高校生活が終わって初めて意味が有ったのか、無かったのかがわかるんじゃないのか?友達だって同じだ、別れが来た時にそいつと友達になってよかったって思えたらそれはもう友達になった意味があったってことなんじゃないか?」
無くなって、終わって初めてわかることだってある、むしろ最初から意味の分かっていることなんてほとんどないだろう。
「そういうものなのか・・・・・・」
「さあな今のはあくまで自論だ、学校に来ても本当に意味がないかもしれないでもそれにかけてみるのも悪くないんじゃないか?」
「じゃあ意味のないものだったらどうするんだ?」
「どうもしない、意味のない三年間だったなって思ってその先の人生を生きるだけだよ」
実際に中学の三年間は意味のないものだったし、これからもそういう時間はたくさんあるだろう
「それでも俺は高校生活にはなんか意味があるかもしれないと思ってるから通ってる」
「じゃあ俺も高校生活に賭けてみようかな」
「ほんとか⁉」
「あぁ、それに君と出会ったことはすでに俺にとって意味のあるものだって思えるから君を信じてみるよ、だから俺と友達になってくれるか?」
「もちろんだ、俺は友情に関しては、来るものは拒まないからな」
去る者も追う気もないっていうか迷ったが今言うのは野暮だと俺でもわかった
「よろしくな、星次」
「よろしく、吉岡」
吉岡は月曜から学校に来ると約束したので大丈夫だろう、だが今問題なのは俺だ。
約束の五時まではまだあと十分ほどある、運がいいことに吉岡の家と羽島さんの家は歩いてすぐだった。いや語弊がある今俺がいるのは家の前ではない、なぜか美容室の前にいる。
「どういうことだ・・・・・・」
吉岡みたいに家に言って説得するんじゃないのか?
店の前で悩んでいると中から声をかけられた
「ご予約されているお客様ですか?」
声をかけてきたのは入学式の日にあった金髪の女の子だった
「やっぱり、あんたが羽島さんか」
「・・・・・・入学式の日にあった方ですよね?なんで私の名前知っているんですか?」
明らかに俺のこと不審がってるよ、ストーカーと思われてんじゃないの俺?このままじゃ通報されかねない
「俺、あんたと同じクラスだったんだよ、そんで兄貴じゃなくて渡辺先生にプリントを届けるように言われてきたんだ」
店の前で話していると中から男の店員さんが出てきた
「雛ちゃんどうしたの?お客さんなら早く案内しなきゃ」
「あ、店長今ちょっと・・・・・・」
強面のお兄さんに睨まれる
「あ、いや俺は、怪しいものじゃあなく」
「もしかして星次か⁉」
「・・・・・・もしかして涼太君?」
思い出した兄貴の幼馴染でよく家に遊びに来てた人だ
「おー!でかくなったな、ちょっと待てもう一人呼ぶから、優衣ーちょっと来いよ星次が来たぞ!」
店の奥からもう一人女の人が出てくる
「星ちゃん?うわぁおっきくなったねー」
「優衣姉?久しぶり!」
この人も兄貴の幼馴染で昔はよく三人で遊んでいる中に俺も入れてもらっていた
「ちょっと待って、あたしのクラスメイトなんだよね?なんでお姉ちゃんも涼太さんもこの人のこと知ってるの?」
完全に置いて行かれていた羽島が会話に入って来た
「星次は誠也の弟だよ」
「誠也君の弟なの⁉」
今の言い方は教師としてじゃない兄貴を知っている言い方だ
「逆になんで羽島さんは兄貴のこと知ってるの?」
「なんでって、私はお姉ちゃんの妹だし」
そういえば優衣姉の苗字はは羽島だった気がする
「ほんとに久しぶりだね星ちゃんに会うのは、最後に会ったのっていつだっけ?」
俺の家が色々とごたつく前だったから
「七年前かな、俺がまだ小学校五年の時だったから」
「そんなにか、今日来ることは誠也から聞いてたんだけれどそれでも一瞬分からなかったけど高校ん時の誠也にそっくりだな」
「嘘!誠也君昔からもっとかっこよかったよ」
「そう?私は誠也より星ちゃんの方がカッコいいと思うよ」
「ちょっと待って、なんで今日俺が来ること知ってたんですか?」
「なんでって誠也がお前の予約入れてるからだよ」
「予約って?」
「渡辺星次様、カットの予約が五時から羽島優衣の指名で入ってますね」
話を聞いていた羽島がメモを見ながら言う
「え?俺そんなこと聞いてないですよ、第一お金も持ってないですし」
俺の財布には今千円ちょっとしか入ってないけど美容室って全然足りないよね?
「星ちゃんならタダでもいいよ、一つだけお願いを聞いてくれるならだけど」
何かを企んでいるような笑顔でこちらを見てくる
「俺にできることならいいですけど・・・・・・」
「大丈夫!ただシャンプーとカット後の髪セットを雛にやらせてあげてほしいの」
「え?いいの⁉」
なぜか羽島さんが喜んでいる
「そんなんでいいんですか?全然大丈夫です」
「本当はアシスタントじゃないとやったらいけないんだけど、料金も取らないし雛の練習にもなるし」
「じゃあ店に入ってカウンセリングから始めるから」
羽島さんに上着と荷物を渡して店の中に入っていくが初めてはいる美容室に驚く、中は白を基調にしていて置いてあるものは大体が白で統一されている。
「ここに座ってちょっと待ってて、これで好きな髪型あったら決めておいて」
鏡の前に座り渡されたヘアカタログを見て適当に決めていると吉岡が載っているのを見つけた。流石にこれでって言って月曜に会うのは恥ずかしい、これ以外にしよう。
「決めた?」
後ろから羽島さんが声をかけてくる
「いや、まだ決められない、今の流行って何?」
「そうだね、今はマッシュで束感出るようにして、外はね入れたりするのが流行ってるかな、こんな感じだよ」
何を言っているのか全く分からないが写真を見るとかっこいい感じになっている
「じゃあこれで」
「了解しました、それではまず最初にシャンプーするんでこちらへ」
席を立ちシャンプー台へ向かう。それにしても同級生の女の子にシャンプーしてもらうってなんか以上に緊張してしまう。ただでさえ美容室なんて来たことないので余計にだ。
「じゃあシャンプー始めます」
シャンプー台に座り椅子を倒され顔にタオルをかけられてシャンプーが始まる
「お湯は熱くないですか?」
「丁度いいです」
「痒いところはないですか?」
「大丈夫です」
きっと定番であろうやり取りを済ませる。人にシャンプーしてもらうのってどうなんだろうお思っていたけどすごい気持ち良い、
「初めて美容室来てシャンプーしてもらったけどすごい気持ちいいんだな」
「そういってもらえると嬉しいわ、私もお姉ちゃんと涼太君以外ではやらせてもらったことがないからうまくできてるか不安だけど」
そういってシャンプーは順調に進んでいったのだが
「じゃあ後頭部を洗うので少々頭上げさせていただきますね」
「あ、はい」
頭を上げた瞬間タオル越しに何か柔らかいものに顔が当たっている。俺はすぐに察したこれは羽島さんの胸だと。
「じゃあ下ろしますね」
十秒ほどだろうかあっちは全然気にしてないのかどんどん
「それじゃあ流します」
そういって再び頭が持ち上げられる、当たっているのが気づかれないように息を止めていたけど咳が出そうになってしまう。
ここで咳をしたらまずい我慢だ
「ッゴホ、ッゴホ」
出てきてしまった
「キャッ」
咳をした瞬間彼女が跳ね上がり頭にかけていたはずのシャワーが盛大に顔面にかかってしまった。
「ごめんなさい」
すぐに顔を拭いてくれたがお互いに顔が真っ赤で気まずくなってしまうそのまま頭も拭かれドキドキのシャンプータイムは終わった。
もう一度鏡の前に戻ってくるとそこには優衣ちゃんがいた
「さっきのシャンプーはごめんね、まだあの子練習不足だったみたい、でもプラマイで考えるとプラスだったでしょ」
優衣姉は全部見ていたようで満面の笑みであった
「そういう問題じゃないですよ」
確かにプラスマイナスではプラスだったけれど
「あの子ああ見えて私より大きいからね」
急に顔が熱くなる。確かにすごかったけど
「もういいですから、早く髪切ってください」
何とか話をそらそうとする
「照れちゃうなんて可愛いなー」
そういって髪を切り始めてもらう
「星ちゃん、今日の本当の目的は聞いてるんでしょ?」
髪を切りながら話しかけてくる
「一応は、羽島さんを学校に来させたいって兄貴は言ってましたけど優衣姉はどう思ってるんすか?」
「正直どっちでもいいかな、確かにここでバイトをしながら美容師になるための勉強をするのはあの子が美容師になったときにすごくあの子のためになると思うよ、でも学校に行くことも美容師としては結構大事なことだから」
「学校に行くのが美容師になるのに大切って?」
「確かに勉強は必要じゃないかもしれないけど、行って友達を作ってたわいもない会話をするのは今美容師である私にとってとても身になっているからね、そうでないと現役の高校生と会話なんて難しいんだからね」
たしかに羽島さんはコミュニケーション能力低そうには見えなかったけれど、高校の思い出話とかもお客さんとの会話でもよく使うだろう。
「私はあの子のやりたいことをやって欲しいな」
「そうですか、じゃあ羽島さんにはそれを優衣姉がそう言ってたって伝えておきます」
「じゃ雛のことはよろしくね」
「出来る限りのことはしますよ」
それからしばらく会話をしているうちに髪が切り終わった
「はいじゃあカットは終わりこのあともう一回シャワーで髪流してから乾かしてセットね」
またシャワーかと思ったがさっきより全然早く終わったので特に問題はなかった。
「それじゃあ髪乾かしていきます」
髪が乾かし終わった後はアイロンで癖をつけていく
「羽島さんは兄貴と知り合ってどれくらいなの?」
「初めて会ったのは小学校入学した年の夏休みだったよ、一緒にプール行って泳ぎを教えてもらったんだ。あなたはいつお姉ちゃんたちに会ったの?」
「俺も同じくらいかなよく家に来てゲームを四人でやってたな」
「私も一回だけ誠也君の家にお姉ちゃんといったことがあるんだけどその時はいなかったわね」
「うち来るたびいつもってわけでは無かったからな」
アイロンで癖をつけ終わってからはワックスで形を整えていく
「すごい」
あっという間にさっき指定した雑誌と同じような形になっていく
「でしょ、あんたも髪の毛ちゃんとやると結構かっこいいじゃない、まあ誠也君には負けるけれど」
「ちょっとは自分でもやってみようかな」
あんまり興味なかったけど髪型一つでここまで変わるとやってみようと思う
「前髪がうまくいかないわね、ちょっと前失礼」
そういって後ろに立っていた羽島が俺の前に立って前髪を整え始めた。
かなり顔と顔とが近く彼女の呼吸があたる。羽島さんは真剣そのもの顔で髪の毛をいじっていく、その真剣な彼女に見とれてしまっていた
「あんまり見られてるとやりにくいんだけど」
「ごめん」
誤ったけれどこの距離だと顔以外に見る場所がない。
「いい感じかな、どうですかお客さん?」
「すごい、本当にさっきの雑誌のと同じじゃん」
ここまでの出来でお金を払はないのは申し訳なくなるな
「ほんとにお金良いのか?ここまでくるとプロの粋なんじゃないのか?」
「そんなことないよ、ここにいるアシスタントさんは私より全然速くこのくらい作れるし、カットがいいからだよ」
「謙遜すんなって、本当に驚いた」
「ありがとう、じゃお姉ちゃんにちょっと見てもらうから待ってて」
羽島は嬉しそうに優衣姉を呼びに行った。
「うん、うまくできてるね。じゃあ雛ちゃんは荷物を星ちゃんに渡したらポイントカード作ってあげて、一応新規分ってことで」
「分かった」
「そしたら今日はもう上がっていいわよ」
「まだ時間まで三十分ぐらいあるけど」
「いいのよ、せっかくだし星ちゃんに送ってもらいなさい。お願いしてもいい?」
「別に大丈夫ですよ、ここからならうちまでも歩いて帰れますから」
「じゃあお願いね」
それから荷物を受け取りカードをもらい一緒に帰ることになった
「いいのか男と二人で歩いて帰ったりして、彼氏とかいないのか?」
「別に彼氏とかいたことないし、この間帰り道に変な男にナンパされたからお姉ちゃんはそれを気にしてるんだと思う」
「そうなんだ、確かにナンパされてもおかしくないな」
「何?ギャルっぽいとか言いたいわけ?」
「いやそういうことじゃなくて、可愛いからナンパされてもおかしくないなって、その金髪もすごく似合ってるし」
「・・・・・・なら最初からそういいなさいよ」
そっぽ向いてしまった。
「忘れないうちにこれ渡しておくよ」
羽島の分のプリントをわたす
「なんなのこれ?」
「今度の遠足の承諾書、参加してもしなくても提出なんだって」
「じゃあ参加しないに丸つけて誠也君に渡しといて」
こいつもかよ
「・・・・・・一応聞くけど理由は?」
「お店の手伝いだってあるし」
「昼間って毎日手伝いしてるのか?」
「そうね店の定休日と土曜日の週二日だけ休みもらってそれ以外は基本店を手伝ってるわね」
「忙しいんだな」
「まだオープンしてすぐだし、お姉ちゃんも涼太君も原宿の有名店から独立してるからそれなりにお客さんは来てるわ」
「勉強はどうしてるんだ?あんた頭良いだろ」
「バイトは基本十九時までだし帰ってからでも十分に時間があるし、自分で教科書見ればほとんど理解できるし」
「もう一つ聞いていいか?」
「なにかしら?」
「なんであの日泣いていたんだ?」
「・・・・・・見てたの?」
入学式の日校門から出てきた羽島は確かに泣いていた
「たまたま見えただけだ、学校に何の未練もないのに泣いて出てこないんじゃないのか」
「そ、それは・・・・・・」
黙ってしまう
「まあ言いたくないなら言わなくてもいいけど、優衣姉はあんたに本当にやりたいことをやって欲しいって言ってた。俺もそう思う、やりたいことがあってそれをすることはいいことだと思う。本当は学校に来たいんじゃないか?」
「・・・・・・私ね入学式の日に誠也君に告白したの」
「・・・・・・そうだったのか」
「フラれちゃったんだよね、決めてたんだ私フラれたら美容の道を高校生の間から頑張ろうって」
「いいんじゃないのか、でもあいつにフラれたってだけで高校の三年間を全部バイトで暮らすのか?」
「私にとっては初恋だったんだよ・・・・・・ずっと思ってた。」
彼女の眼から涙が流れる
「なら、なおさら諦めるのは早いんじゃないか?」
「でももう一回フラれちゃってるし・・・・・・」
「そんなの関係ないだろ、さっきも言ったけど羽島さんのやりたい事をしろよ」
やりたいことができなくなる悲しみは体験しないとわからないがそれを体験した時にはもう手遅れだ。そんなこと彼女には体験させたくはない
「ごめん説教したみたいで」
「いや、やっぱり兄弟だね、二人とも優しすぎるんだよ」
「ナニしてんのー?」
急に後ろから声をかけられる
「喧嘩?こんな彼氏辞めて俺達と遊ばない?」
ガラの悪い男が三人俺たちを囲むような形で立っていた
「誰だお前ら?別にこの子の彼氏じゃねぇよ」
「あんたこの間の」
「知り合いか?」
「さっき話したナンパしてきた男たち」
「とぼけてんじゃあねえよ、あの時はよくもやってくれたなあ!」
いきなりパンチが俺の顔面に向けて飛んでくるが避けることができずに左頬にヒットする
「先に手出したのはそっちだからな、負けても文句言うんじゃねえぞ」
三人がかりで殴っりかかってくるが不意打ちでなければ素人のパンチを避けることは簡単だ、避けた態勢からすぐに最初に殴りかかってきたやつの鼻っ柱にパンチを打ち込む
「いってえ、鼻が折れたぁ」
「折ってはねえよ鼻血が出てるだけだ、それともほんとに折ってやろうか?」
そういうと走って逃げていった。
「羽島さん大丈夫か?怪我はない?」
「ええ、それにしてもあなた強いのね」
「死んだ母さんが習い事をたくさん習わせるのが好きでさ、空手と柔道とボクシングをやらされてたんだ」
「ごめんなさいお母さんがなくなってるなんて知らなくて嫌なこと聞いちゃった?」
「いや大丈夫だ、それにしても俺をだれかと勘違いしてたみたいだけどなんだったんだ?」
「この前あのチンピラに絡まれたときは誠也君が助けてくれたのよ」
そうだったのか、兄貴は俺より強いしそれで今回は三人がかりでかかって来たのか
「本当によかった、羽島さんが手とか怪我してたら大変だったから」
「大丈夫、あなたこそ一発殴られちゃったみたいで怪我は?」
「これくらい大丈っ痛い」
羽島さんが傷口を触ってきた
「ごめんなさい、家すぐそこだから手当てして行って」
「別にこのくらい大丈夫だって」
「いいから、来て」
そのまますぐ歩いたところのマンションの彼女の家に入る
「本当にごめんなさい」
「大丈夫だって」
会話をしているときに不意に仏壇が目に入る
「ああ、家もお父さんとお母さんがいないんだ、二人とも美容師でね私が小学校五年生の時にお店が火事になって二人とも逃げ遅れて、でも今はお姉ちゃんもいるし涼太君もいるし、お父さんとお母さんのことは尊敬してるから私も二人みたいな美容師になろうと思ってるんだ」
「そうだったのか、悪いな」
「いいよ私もさっきあなたのお母さんのこと聞いちゃったし、それより何かお礼したいんだけれど明日は暇?」
「いいよ別に、俺が勝手にキレちゃっただけだし、今も手当てしてもっらったし」
「お礼しないと私の気が済まないの、あなた部活とかバイトとか何かしてるの?」
「いや何もしてないけれど」
「じゃあいいじゃない、明日十時にお店に来て」
「分かったよ」
そういって俺は羽島さんの家を後にした。
更新が遅くてすみません。
受験生なので気ままにマイペースに更新していきます。
感想などありましたら是非お願いします。