本編だと思った?残念、幕間でした
お久しぶりです。
私、カルサ・ニストルトはこの国の最高権力者。何故か女性が政治を担当するために、私は面倒なことばかりやっている。本当は一日中城にこもっているよりもその辺でもうろついて遊んでいたい。
だが、そんな事が許されるわけでもなく、今日もまたやらねばならないことに一日を費す。
「失礼しまーす」
扉が開き、女が入ってくる。彼女は私の補佐で、名前はサイト。転生者で、能力が転生者や異世界人を見つける、というもの。
「また転生者が見つかったのかしら?」
「そうですね。ただ、気になるのは反応がちょっと小さいところ、ですが」
「じゃあ明日城に来れるようにして」
「はーい。ところでカルサ、たまには休んだらどうですか?働きすぎだと思うのですよ」
「余計なお世話よ。で、その転生者、名前とか分かるの?」
「上田、って名前だと書いてありますねえ。これは……苗字かな?後はよくわからないです。なにしろ彼、または彼女、ぼやけて視えてるからなあ」
「そう。ありがとね」
「今日こそは一緒に風呂に入ってくれます?」
「死ね」
この女、突然こういうことを言ってくるから油断ならない。しかもこれは本気なのである。私にそういう趣味はない。こういうところさえなければ役に立つし、いい人なのに。
「うー、もういいです。こうなればベッドに潜り込んでやる……」
そんなことしたら社会的に抹殺してやるからな。この野郎。
「はあ、疲れた」
とにかく明日、その上田というやつが来るのだ。少し早めに寝るかな。
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翌日。
部屋で上田と話した。
「あなた、転生者なんでしょう?」
「え?いや体力知力共にない文系野郎のまま迷い込んだだけなんですが」
……。この上田とかいう男、なかなか自分を貶めている。さらにまさかの異世界人だったとかいうオチか。サイト、覚えてろよ、ちょっとチート持ちが増えるって喜んだ私を騙した罪は重いからな。直接口を聞いてやらないからな。
それにしても、なんとも不思議な感覚である。全くと言って異世界人のようではあるが、少しばかり私達に近い気もする。まさか、いや、でも……。
「こんなこともあるものね……。」
私の呟きは彼には聞こえなかったようだ。ホッと安堵する。聞かれていたら追及されただろうし、そして追及されればまずいことになる。あの話が本当になってしまえばここは終わってしまう。おそらくは彼があれを知ってしまえば、始まるものだと思うから。とにかく頭の中を整理したい。
「わざわざ来てくれてありがとね」
サイトが言っていた彼の反応があったらしい村まで魔法で飛ばすことにした。
そしてしばらくして、
「本当にどうしようか、これは」
数百年前、とある予言者が言ったのはこの世界の崩壊。この予言者は転生者や異世界人が多く集まってくることも言い当てたために、一時期有名になっていたが世界の崩壊を予言したために当時の女王に処刑された。
それがここ最近明るみに出て、さらにその時期がもうすぐ迫っているというのもあってか、色々と議論になっている。
まあ、大丈夫だろうとは思うけれど。
「さて、そろそろ風呂に入るかな」
「一緒に入りますか」
「うひゃッ!?」
びっくりした!
「一緒に入るわけねえだろ、頭沸いてんのか!」
「うわ、なんて汚い言葉を……。サイトちゃんは悲しいですよ」
「素の私はこんなものよ。数年いて気づかなかったの?」
「幻想だったのね……」
幻想さえも見せてなかったと思うんだけど。幻覚でも見えてたのかしらね。全く。
まあとにかくまた彼には会ってみたい。別に恋愛感情みたいなのは無くただの興味で、だ。