魔王達は今日も人間と勇者を殲滅する
初投稿です。
文章に違和感などもあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします
「人間は東魔王、第3席を打ち倒し、現在もこの島を進行中です」
「彼らはこの国の全ての魔王を滅するつもりでしょうからね、いつここにたどり着くかもわかりません」
だが奴等が今までに無い大軍なうえに、高いの能力を誇っていたとしてもだ。
そんなにも容易く我等が屠られるということは余りにも現実的ではないな。
「私もそのようなことは万が一にもないとは思いますが、それでも万が一です。可能性はあります。
可能性があるのならば、必ず対抗策を用意するべき、と進言させて頂きます」
彼女は我が種族には珍しく、慎重なタイプだ。まぁだからこそ私は参謀に選んだわけだが
「しかし考えたものだな。昔は数人の仲間を引き連れた愚か者が犬死しているだけだったというのに。
今では大軍を率い、我らの丁度世代交代の時期を狙いこうして攻め込んできている。やはり奴等でも学習はするというわけか」
「私から言わせて貰いますが、そもそも今まで同じことばかり繰り返してきたのですから当然だと思いますよ?むしろ、今までなんの考えもなしに突貫してきていたことの方が不思議です。まぁ、そのことさえも学習ではなく、外から与えられた知識だといわれていますが。」
「外?」
「なんでも”勇者”とやらを召喚したそうですよ?それも異世界から」
「それは…」
あまりにも身勝手な手法ではないだろうか。
そもそも、私達魔族と人間がこのように争っていること自体が無意味な行動だということは魔族の間では周知の事実だ。
だがしかし人間は我等を有害なものと決めつけ戦争を仕掛けてくる。しかも何回も飽きもせずに。
悠久の時を生きる我等は奴等と違い、子供の出生率が非常に低い。
だからこそ、あからさまに数を減らさなければならないようなことは出来るだけ避けたいわけなのだが…
「そんなことを人間が聞き届けてくれるわけでもない……か」
「なにを考えているのかはわかりませんが、今更和平交渉や停戦協定。戦いを止めることなど不可能でしょうね。先ほどの”勇者”の召喚は各国で行われているようですからおそらく大変な数の勇者がここへ攻め込んでくるでしょうし、何より、我等が中央の魔王様じきじきに人間を滅ぼす勅命を出したんですから」
「本気でそんなことを考えているわけがないだろう…我はこの戦いで出るであろう被害を恐れているだけだ。人間を恐れるなどということはありえん」
嘘だ。人間ちょっと怖い
先程は犬死にうんぬん発言したが、実はいままででも魔王が人間に討伐された例は少なからず存在する。
なんだか知らんが”奇跡の力”やら”絆の力”やらで純粋な戦力差を覆す人間。なんだこの理不尽。
「中央の連中の動きはどうだ?」
「未だ動き無し、です。人間殲滅令をだしてからというものの一切の動きがありません」
それはなんだ。我たちでなんとかしろということなのか…
■□■□
魔界の支配体系は変わっている。
そもそも魔界という広大な土地に大量の魔族がいる所為で5000年ほど前までは魔界は無秩序で、それはそれは治安が悪く、貴族の間では悪事が横行し、まるで人間のような状態だったらしい。
そこに現れたのが現在”中央の魔王”と呼ばれている魔王たちの親とか祖父、曽祖父で、彼らは強大な力とカリスマを持って魔族達をまとめあげ、今まで悪事を働いていた貴族を殲滅。
その後、魔族国家イルミナティアを立ち上げたそう。
めでたく国家を作り上げた彼らは、自分達の支配をその広い国土の隅々に行き渡らせるためにぞれぞれ”北の魔王””南の魔王””東の魔王””西の魔王”という役職を作り上げ、地方統治を任せた。結果、魔王達の負担は少なくなり、自分たちは東西南北の魔王をまとめあげる中央の魔王という職に就く、そうすることでここにいわば魔王政府が完成されたわけだ。
一つの方角に魔王は4人。なので合計20人の魔王が力を合わせ、イルミナティアを統治する。
中央の魔王のみ、引継ぎで決まるのだが、その他の地方魔王達は強い魔族選抜で決まるわけだ。
そんな感じで我は北の魔王第4席という座を魔王から賜り君臨することとなったわけだ。
色々な事件を乗り越え、時に泣き笑い、出会いや別れ、そんなこんな繰り返しながらいつぞや魔王就任1000年になり、これからも適当に統治してやろうと思った矢先…
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「人間が攻めてきたんだよな…」
そんなわけで我は考えます。
「どうやって人間を殲滅してやろうか」
とドヤ顔で。
お目汚し失礼いたしました
誤字などありましたらお知らせしてくれると幸いです