竜級令嬢の飛行魔法
それから数日リリーはヴァーニャの下で魔法の練習をしていったのですが中々飛行魔法は習得できなかったのです。
「ヴァーニャおじいさん、魔法の練習は楽しいんだけどなかなか飛べるようにならないよー」
「私が収集している人間の書物にも飛行魔法が書かれているものが無いので、私にもこれ以上は分からないのです。昔、空を飛んでいる人間を見たことがあるので理論上は可能なはずなのですが」
「じゃあ取り敢えずブレスの練習する!」
「そうですね、水と土は一旦ここまでにしてブレスの魔法を教えましょう。」
「実はドラゴンのブレスというのは純粋に火を吹いているのではなく、魔法で圧縮した炎を出しているのです。なので人間が使うには詠唱が、ドラゴンが使うには撃つまで準備時間が必要になります。」
ヴァーニャはお手本にと人化を解き空に向けて威力の弱いブレスを吐いてみせました。ヴァーニャのブレスは緑の炎が竜巻の様に噴出したものでした。
「お嬢様ももう出来るはずです。最初なので使う魔力は最小限にしてこのように唱えてみてください。「絶対王者の焔、空の王者の咆哮、地を統べる者の怒り、焼き尽くすは竜の息吹」です」
「えー言葉が難しいよー。えーっと、ぜったいおうじゃのほむら!えーっと、えーっと、なんか出ろーー!!」
空にかざした手からは圧縮された白い炎の螺旋が空へ伸びて行きます。
「マトモに詠唱していないのに威力が強すぎますね。これは当分の間禁止です。」
「えー見せびらかせないよー!!」
「必ず大人の目がある所で使ってください、という事で次は飛行魔法を出来るようにしていきたいのですが書物にもありませんしこればっかりは手探りでやっていくしかないですね」
「あ!思い付いた!私が崖から落ちた時下に向かって落ちたじゃない?それを逆向きにすれば空を飛べるんじゃない?」
「成程!闇属性の重力魔法の反転ですか!確かにそれなら空も飛べるでしょう細かい制御も可能なはずです」
「闇魔法ってまだ教わってないよね?」
「えぇ普通の人間には使えないものですので。ですが王竜様に力を与えられたお嬢様なら使えるはずです。確か魔族の闇属性魔法を研究している書物があったはずです」
そうしてヴァーニャとリリーは5日ほど重力魔法の研究をして遂にこの時が来ました。
「それじゃ、飛ぶよ?」
「えぇもし失敗して制御できなくなっても飛ぶのが速い若い竜を上空に待機させているので落ち着いてやってみてください」
リリーはすーっと息を整えると飛べーっと叫ぶのでした。するとリリーの身体はゆっくりと浮かび上がり1m、2mとどんどん高度を上げていきます。
「出来た!それじゃあ今度は横向きに飛んでみるね!」
横向きに飛ぶとなると重力の反発が無いせいか上手く制御が効かずビュンと弾丸のように飛んだのでした。リリーの顔は風の抵抗を受けてアバババババと歪んでいます。
「バババ、そうだ風魔法!」
風魔法で抵抗を無くすとビュンビュンと自在に空を飛びヴァーニャの下へ戻るのでした。
「ヴァーニャ!出来たよ!ありがとう!」
「えぇお嬢様のお役に立ててこの老体も光栄にございます」
「お父様お母様に自慢してくる!」
そうしてリリーはご機嫌で帰路につくのでした。
高評価・ブックマーク身に余る光栄ぇぇぇぇぇぇイ!!!
次話も是非ぃぃぃぃぃヨロシク!!




