稀代の魔法使い(スペシャルズ)風の導き手カイト
稀代の魔法使い
この世界で50人だけが認められる最高の魔法使いの称号だ。そのうちの一人稀代の魔法使い46席風の導き手カイトは偶然、ビランツ市のあるハリバー王国に滞在していた。一人一人が戦術兵器みたいな稀代の魔法使いではあるが彼らはその強すぎる力故に縛れる物は殆ど無い。自由気ままに大陸を旅したり魔法の研究に打ち込んだりしているのだ。例に漏れず自由気ままに観光をしていたカイトは突然ハリバー王国の騎士団から呼び出しを受けた。
「ビランツ市でスタンピード?」
「はい、我々ではすぐに準備を整えて向かったとしてもあと三日は掛かります。ですがカイト様ならもっと早く百人力の支援が行えるはずです。報酬は、、」
「報酬は王国の禁書庫の立ち入り権で手を打とう俺のダチがおたくの蔵書に興味があるみたいなんでね。分かったその依頼引き受けよう。確かビランツ市ってのは樹海の西端に位置するとこだよな?ここからならすぐに飛んで行けそうだ。そんじゃ報酬の件は頼んだぞ!」
カイトは王都から全力飛行でビランツ市へ向かう。話に聞いた限りスタンピードは三日目だ。まだ陥落しているなんてことは無いだろう。飛行すること数時間、彼はビランツ市に到着する。するとすぐに違和感を覚えた。まるでドラゴンが居るかのような魔力反応が市内に存在するのだ。どうやら面白いことになっているようだ。彼は整った顔でにこりと笑いながら戦場の真上から高度を下げていった。
「いつからこの街はドラゴンなんて飼い始めたんだい?いやそれでもかなり押されているみたいだが」
カイトがドラゴンと誤認したのは一人の少女だった。
「癒しの恵風」
取り敢えず風の回復魔法で味方を治療しながら少女に近づく。癒しの恵風というのはカイトのオリジナル魔法だ。非常に広範囲に渡る回復魔法でカイト自身の稀代の魔法使いとしての代名詞ともいえる。
「お嬢ちゃん今から俺とゴブリン狩りのデートに行かないか?ちなみに拒否権は無い。」
カイトはリリーの首根っこを掴むと再び高度を上げる。首根っこを掴んでいるように見えているが実際には風の魔法でリリーの全身を包んで浮かせているのだがこうした方が状況が分かりやすいのでカイトが他人を浮かせる時はよくやる手口だ。
「嬢ちゃん凄いな二日間フレイムボムを撃ち続けてそんな魔力残ってるのか。さて、城壁から大分離れたなお兄さんが手本を見せるから嬢ちゃんも自分の一番火力の高い魔法でこいつ等を一掃してやってくれ」
「むーリリーも浮くだけなら空飛べるもん!一回離して!」
「マジかよどれどれほいっと、ホントだ浮いてやがるしかもこれ風魔法じゃないな?まぁいいちゃんと見てろよ。吹けよ、吹けよ、轟けよ、風は集いて散る、散りて集いて嵐となる、風を呼べタービュランス!」
カイトが詠唱したのは風の最上級攻撃魔法タービュランス、瞬く間にカイト達の足元に巨大な渦巻きが出来、巻き込まれたゴブリンたちが息絶えていく。
「さぁ次は嬢ちゃんの番だ、実力を隠そうなんて思わなくていい街が吹き飛ばない程度に思いっきりやってみろ」




