竜級令嬢のスタンピード2
スタンピード二日目は魔力が回復しきらず使い物にならなくなった魔法使いが出てきはじめ高火力での面制圧が緩くなったことで近接部隊への負担が大きく増した。熟練の冒険者の魔法使いですら魔法の使用を渋り始める中ずっと変わらないペースで魔法を撃ち続けてヘばる気配を見せないリリーとシルヴァは城壁上で一躍有名になった。
だが戦況は苦しくも少し押され始めたのが現実だ。魔法による火力支援が減り近接部隊がゴブリンと乱戦になり始めたことでフレンドリーファイアの懸念から弓士からも援護が途絶、城壁のすぐ隣に設営された指揮所でゴードンギルマスは徐々に増えていく負傷者の数に頭を抱えていた。
「使い物にならなくなった魔法使いはどれくらいいる?」
「まだ全体の2割ほどですが約半数が魔力残量を気にして魔法を渋り始めています。」
「近接部隊の負傷者は?」
「軽傷者を入れて2割3分といったところですね」
「チッこんな状態で魔物が活性化する夜が来るのかよ。他の街からの援軍は?」
「今のところ何の連絡もありません」
「クソッ、今朝ジリス達が出立してくれたがあいつらが早期に原因を取り除いてくれるかこのゴブリンの数が消えてくれるかのどちらかを祈るだけかよっ」
そうして日が暮れる頃リリー達に交代が言い渡された。周りの魔法使い達を見ると皆死屍累々といった顔で蒼い顔色で下の方を見ていた。それに対してリリーとシルヴァはいつも通り元気で天真爛漫であったために城壁上ではそれを癒しと見る面々と化け物でも見るような目で睨む面々とで二分されたのだった。
二人が城壁内に戻ると既に医務室はパンクしており廊下や食堂までも怪我人でごった返していた。食堂ではミシアがサナに手当されていた。
「ミシアちゃん!?怪我したの?大丈夫?」
「こんなのかすり傷よ!あのゴブリンども明日は100体は倒しイタタッッ」
「ダメだよぉ~ミシア~この傷結構深いんだからポーションすぐに飲んだから危なくはないけど安静にしてなきゃ~」
怪我人が増えて眠るスペースもかなり減ってきていたのでその晩は4人でまとまって団子になって寝たのだった。
3日目、戦況はやや劣勢であるがなんとか膠着しているというところだ。既に討伐したゴブリンの数は推計10万体を超えており昼夜休みなく、恐れを知らず群がって来るゴブリンに冒険者も騎士も完全に疲弊していた。だが、ここに来て状況が大きく動く。
「黒い、ゴブリン、、!?」
「マズいぞ奴らイービルゴブリンに変異しやがった!」
報告の声が上がったと思えばその声の地点を中心に一気に悲鳴が広がる。ゴブリンの群れの中に現れたイービルゴブリンは疲弊していた冒険者たちにとってまさに悪魔のような強さだった。爆発的に犠牲が増え、彼らは魔法を唱え仲間のゴブリンもろともこちらを攻撃してくる。
報告を聞いたゴードンギルマスは完全に絶望していた。城壁の内側は殆ど怪我人であり外で戦っているのも残り半数、さらには城壁自体がイービルゴブリンの魔法攻撃に晒されじわじわと耐久を減らされている。
「魔法使い達は何やってる?」
「イービルゴブリンは機動力が高く魔法耐性も高いため魔法使いが処理するのは厳しいところです。」
ゴードンギルマスが腹をくくって愛用の斧と共に出陣しようか等と考え始めた時戦場の上空にとてつもない魔力が現れた。
「いつからこの街はドラゴンなんて飼い始めたんだい?いやそれでもかなり押されているみたいだが」
高評価・ブックマーク身に余る光栄ぇぇぇぇぇぇイ!!!
次話も是非ぃぃぃぃぃヨロシク!!




